「お待ちしております」とはどんな敬語?
「お待ちしております」は、「待ち望んでいる」という意味の謙譲語です。
「お待ちしております」を言い換えできる類語には、「お待ちしています」や「お待ち申し上げております」「お越しください」「いらっしゃってください」「いらしてください」があります。
「お待ちしております」を英語にするときには、「I’m looking forward to ~ing」「I look forward to ~ing」「I’ll be expecting you」を使ってください。
「お待ちしております」とはどんな意味?
「お待ちしております」は「おまちしております」と読み、次の意味で使われます。
ただ「待っている」というよりは、「願っている」「楽しみにしている」というニュアンスが込められている表現です。
「お待ちしております」は上司に使える敬語
「お待ちしております」の「お」は、丁寧なニュアンスを付け加える接頭語です。接頭語の「お」は、相手に関係する言葉につくときには尊敬語、自分に関する言葉につくときには謙譲語になります。
「お待ちしております」は、自分が待っているときに使うため、謙譲語の「お」になりますね。
「おります」の「おり」は「いる」の丁重語、「ます」は丁寧語です。
つまり、「お待ちしております」は謙譲語+丁重語+丁寧語で作られており、全体でみると謙譲語になります。
「お待ちしております」は文法的に正しい敬語で、フォーマルな場でも使用できる丁寧な表現でもあるため、上司やお客様など目上の相手にも問題なく使用できます。
「お待ちしております」の使い方を例文で学ぼう
「お待ちしております」の意味がわかったら、次は言葉としての使い方を例文でイメージしてみましょう。
・ご来場を心よりお待ちしております。
・たくさんのご応募お待ちしております。
・みなさまのご参加をお待ちしております。
・またのお越しをお待ちしております。
・会場でかわいいワンちゃんや猫ちゃんが、みなさまをお待ちしております。
「お待ちしております」の返し方は?
対面で会話しているときに、相手から「お待ちしております」といわれたら、次のような返し方ができます。
・お誘いいただきありがとうございます。楽しみにしております。
・恐れ入ります。またお伺いさせていただきます。
・ありがとうございます。またおじゃまします。
「お待ちしております」は、相手が自分のことを待っていてくれるといっている言葉なので、返事をするときには「ありがとうございます」などお礼の言葉をつけて返すと、相手の心証がよくなります。
「お待ちしております」の類語・言い換え表現
「お待ちしております」は、ビジネスで使いやすい言葉です。しかし、同じ相手に同じ言葉を連発して用いると、定型文のような印象を与えてしまいます。
自然なコミュニケーションになるように、次のような言葉に適度に言い換えてあげましょう。
お待ちしています
「お待ちしています」は、「お待ちしております」より少し砕けた言い方の敬語です。
お待ち申し上げております
「お待ち申し上げております」は、「お待ちしております」よりもへりくだる印象が強い表現です。
「お待ち申し上げております」は二重敬語
「お待ち申し上げております」を分解して敬語の種類を考えると、「お待ち」の「お」は謙譲語、「申し上げる」は「言う」の謙譲語、「おり」は丁重語、「ます」は「丁寧語」になります。
「お待ち申し上げております」は、謙譲語が2つ重なっているから二重敬語です。しかし、「お待ち申し上げております」は日本語として定着しているため、許容される表現になっています。
ただし、一般的な会話で用いると仰々しい印象になってしまう恐れがあるので、かしこまった表現が必要とされるシーンを選んで使う必要があります。
お越しください
「お越しください」は、「来て」を敬語にした「来てください」を、さらに丁寧な言い方に直した尊敬語です。
「お待ちしております」を「来てください」という意味で使っているときに、言い換えとして使用できます。
いらっしゃってください・いらしてください
「いらっしゃってください」と「いらしてください」も、「来てください」の意味での「お待ちしております」の言い換えとして使える言葉。
「いらしてください」は、「いらっしゃってください」を言いやすいように略した表現です。
・またいらしてくださいね。
「お待ちしております」は英語だと?
「お待ちしております」を英訳するときには、次の表現が使えます。
I look forward to ~ing:「I’m looking forward to ~ing」をさらに丁寧な言い方にした表現
I’ll be expecting you:「expect」は「当然起こるだろうことを期待する」という意味の単語。予定がほぼ確定しているときに使われる、ややかしこまった表現
これらはすべて丁寧な表現になるので、ビジネス会話やビジネスメールで使用できます。
「お待ちしております」をビジネスで上手に使おう
「お待ちしております」は対面の会話や電話、ビジネスメールなど、さまざまなシチュエーションで使える便利な敬語です。
しかし、使い勝手がいいからといって「お待ちしております」ばかりを用いていると、決まり文句の印象が強くなり、相手に気持ちが伝わりにくくなってしまいます。
「お待ちしております」と言い換えできる類語をうまく組み合わせて、心のこもったコミュニケーションができるようになりましょう。