「よろしいでしょうか」とは「いいですか」という意味
「よろしいでしょうか」とは「いいだろうか」「いいですか」という意味です。しかし、敬語としては、「よろしいでしょうか」「よろしかったでしょうか」のどちらが正しいのか迷う人は多いと思います。
本記事では、それぞれの違いや正しい使い方のほか、言い換え表現や英語についてもわかりやすく解説します。
「よろしいでしょうか」の意味
「よろしいでしょうか」は「よろしい」+「でしょうか」にわけられます。まず、「よろしい」は「よい」の丁寧語で、次の意味をもっています。
・能力や質がすぐれているさま
・健全なさま
・価値が高い
・有利である
・向いている
・好ましい
・正しい など
「でしょうか」は、「だろうか」の丁寧語です。それら二つをあわせた「よろしいでしょうか」は、「いいですか?」と、相手に許可を求めたり、問題ないかを確認する意味をもって使います。
「よろしいでしょうか」と「よろしかったでしょうか」正しい敬語は?
「これでいいですか?」のニュアンスで「よろしかったでしょうか」を使う場合があります。しかし、実は敬語としては間違いで、正しい敬語として使えるのは「よろしいでしょうか」なんです。
過去の出来事の確認には「よろしかったでしょうか」もOK
日常の中でも「〇〇だったっけ?」と確認することがあります。このように、過去のことに関して確認する場合は「よろしかったでしょうか」を使っても間違いではありません。
「よろしかったでしょうか」は北海道の方言でもある
北海道では、現在のことを聞く場合でも、過去形の言葉を使うことで相手を敬う気持ちを表現する風潮があるといわれています。そのため、北海道では「よろしいでしょうか」の意味で「よろしかったでしょうか」は普通に使われます。
「よろしいでしょうか」の使い方・例文
「これでいいですか?」という意味をこめて使う「よろしいでしょうか」。実際の会話ではどのように登場するのか、例文を使ってチェックしてみましょう。
・ご注文は以上でよろしいでしょうか。
・今週の金曜日、休暇をいただいてもよろしいでしょうか。
「よろしいでしょうか」はOKが前提
たとえば、取引先の人と商品の販売価格についての打ち合わせ中、単価が300~500円の間でまだ決まっていなかったとします。そこで、「それでは今季の販売価格は480円でよろしいでしょうか」と言うと、相手は「なに勝手なことを言ってるんだ!」と気分を害してしまいます。
まだOKがもらえるかわからないことに関して尋ねるときに「よろしいでしょうか」は失礼になるので、このようなケースでは「いかがでしょうか」のほうが望ましいです。
「よろしいでしょうか」の類語・言い換え表現
「よろしいでしょうか」の言い換え表現として使える言葉はいくつかあります。言葉がもつ意味は少しずつ異なるものもあるので、状況に応じて使い分けることができます。
いかがでしょうか
「いかがでしょうか」は、相手に意見や感想を求めたり、状態を確認したりする際などに使える言葉です。敬語なので、上司や取引先の人に対しても使用できます。
・今季の販売価格はこちらでいかがでしょうか。
構いませんでしょうか
「構わない」には、「差し支えない」「問題ない」「気にしない」の意味があります。そのため、「構いませんでしょうか」は、「差し支えないか?」「問題ないか?」と尋ねる際に使います。
また、「差支えないでしょうか」や「問題ないでしょうか」も同じように使うことができます。
大丈夫でしょうか
それでOKかどうかを相手に尋ねる場合に使える言葉です。
「問題ないか?」の意味も含まれているので、「問題ないでしょうか」も言い換えとして使えます。
「よろしいでしょうか」の英語表現
「よろしいでしょうか」の一番シンプルな表現は「Is that OK?」で、確認したいことをまず述べて、あとに付け加える形で使います。
I want to visit at 3 o’clock.Is that OK?
3時に伺ってもよろしいでしょうか?
また、相手に問題ないかを尋ねたい場合には「May I ~」、確認や許可を求める場合には「Would you ~」で表現することもできます。
・May I have a vacation tomorrow?
(明日休暇をもらってもよろしいでしょうか。)
・Would you mind if I opened the window?
(窓を開けてもよろしいでしょうか。)
「よろしいでしょうか」の意味を理解し正しく使おう!
「よろしいでしょうか」は難しい言葉ではありませんが、OKかどうかが不明な場合に使うを相手を不快にさせてしまいます。状況に応じて類語と使い分けもしながら、上手に会話に取り入れてください。