「ブースト」とは「押し上げる」という意味
「ブースト」は、「押し上げる」のほかにも「引き上げる」「増強させる」などの意味があり、さまざまな分野で使われています。そして、分野ごとにニュアンスも異なるため、正しく解釈するためにも基本的な意味をしっかり理解する必要があります。
本記事では、「ブースト」の意味だけでなく、使い方、関連語、英語、言い換え表現についてもわかりやすく解説します。
「ブースト」の英語は「boost」
「ブースト」は、英語では「boost」と表記し、他動詞、名詞で多くの意味をもっている単語です。
【他動詞】
・~を強化する
・~を促進する
・~を増加させる
・~を上昇させる
・~を持ち上げる
・~を引き上げる など
【名詞】
・応援
・後押し
・増加
・上昇 など
英語圏においては、これらの中でも「上昇させる」「持ち上げる」の意味で使われることが多いです。
・Can you give me a boost so that I can climb up this tree?
(私がこの木に登れるように押し上げてもらえませんか?)
・I ask him to me a boost so I can reach the shelf.
(棚に手がとどくよう持ち上げてもらう。)
ほかにもこんな使い方があります。
・The new products gave sales a boost .
(新商品の発売で売上が上昇した。)
・This music gave her a boost in popularity.
(この音楽で、彼女の人気はいっきに上昇した。)
日本語においての「ブースト」意味
日本語においての「ブースト」は、英語と同じく「押し上げる」「増加させる」などの意味で使いますが、「今よりもよくする」といった状態を表すこともあります。また、分野によって意味合いも異なるため、各分野ごとの解釈をしなければなりません。
「スマホ」においてのブーストとは?
スマートフォンにおける「ブースト」とは、「動作の最適化」を指しています。つまり、スマホの動作能力を「押し上げる」、「今よりも使う環境をよくする」ということです。
快適に使うには、便利なアプリを入れるのもひとつの方法ですが、まずは、スマホの動作が重くならないようにしなければなりません。では、スマホの動作を遅くする原因にはどんなものがあるのでしょうか。
・キャッシュが多い。(一時保存のデータが多い。)
・バックグラウンドでたくさんのアプリが動いている。
・ダウンロードしているアプリが多い。
キャッシュを削除したり、使い終わったアプリを閉じたりして軽くすることを「ブースト」と呼ぶことが多いですが、専用アプリも存在しています。気になる人は、「スマホ最適化ツール」や「スマホ ブースト」で検索してみてください。
「車」においてのブーストとは?
自動車分野においての「ブースト」とは、エンジン内に送り込まれる空気の圧力を指します。自動車は、排気ガスの力やエンジンの力でコンプレッサーを回し、そのときに、圧縮された空気で圧力がかかります。これを「ブースト圧」や「ブーストをかける」という言葉で表現します。
そして、ブーストの制御装置を「ブーストコントローラー」といい、どのくらいの圧力がかかっているかを表す表示器を「ブースト計」と呼びます。
ブーストアップとは、加給圧を高めるためにチューニングすることをいいます。
「音響」のブーストとは?
音の世界においての「ブースト」とは、「音量をあげる」ことを意味します。専門用語の中に、ロー(低音)、ミドル(中音)、ハイ(高音)があります。そして、音量の上げ下げを表現する言葉として、カット(下げる)、ブースト(上げる)を使うのが一般的とされています。
音楽を電子的に調整する機器に、イコライザーがありますが、その操作をする際の会話でよく使います。
「ブースト」の類語・言い換え
「ブースト」を日本語に言い換える場合は、強化することや、今よりも状態をよくするといった意味合いの言葉があてはまります。
・強化する
・促進する
・増加させる
・増える
・上昇させる
・積み上げる
・高まる
・膨れる
・加速する
・広がる など
「ブースト」の使い方・例文
「ブースト」は各分野での使い方以外にも次のような表現をすることがあります。
・いろんな本を読んでいるので、自分自身の知識がブーストされていると思うよ。
「ブースト」の関連語
世の中には「ブースト〇〇」「〇〇ブースト」などの関連語が存在するので、いくつかピックアップして紹介しておきたいと思います。
ブースト広告
現在では、スマホやタブレットのためのアプリがたくさん存在し、App StoreやGoogle Playからダウンロードします。
そして、そこで取り扱うアプリのランキングを急上昇させるために、リワード広告を短期間で集中して表示させる手法を「ブースト広告」といいます。
なお、リワード広告とは、広告のリンク先からアプリがダウンロードされた場合、広告主からその媒体に報酬が支払われ、会員にポイントなどで還元される仕組みの広告を指します。
アディダスブースト
スポーツ用品メーカーのアディダスで取り扱っているシューズのシリーズに「ブースト」があります。「ブースト」のシューズは、クッション性と反発性の2つを両立させ、少ない力でも前に進みやすいのが特徴です。
(参考:adidas ブースト)
ブースター効果
インフルエンザの予防接種において、一度ワクチンを接種したのち、効果を高めるために再度接種することを「ブースター効果」や「追加免疫効果」といいます。
現在、新型コロナのワクチン接種も始まっており、一定期間をおいて2回接種することになっていますが、この2回目の接種も「ブースター効果」です。そして、この2回目の接種のことを「ブースト接種」と呼んでいる人もいます。
それぞれの分野の「ブースト」を正しく理解しよう
「ブースト」は、意味も使い方も難しくはありません。分野によってニュアンスや意味合いは異なるものの、イメージはしやすいので、「ブースト」という言葉に遭遇した場合は、もとの意味から連想して解釈してみましょう。