「アクセプト」の意味は?ビジネスと論文での違いは?類語、対義語、英語も紹介

「アクセプト」とは「受け入れる」という意味

「アクセプトされた」「アクセプトする」という形でビジネスシーンではよく使われる「アクセプト」は「受け入れる」という意味のカタカナ用語です。現代では、外資系の企業だけではなく、日本企業においても会話への登場頻度は増えているのでぜひ覚えておきたい言葉です。

しかし、分野によっては「受け入れる」ではなく、別のニュアンスで表現される場合もあるので注意が必要です。

また、「アクセプト」の対義語として「拒否すること」の意味を持つ「リジェクト」があるので、セットで覚えておくと便利です。

本記事では、「アクセプト」が正しく使いこなせるよう、意味や例文のほか、類語、言い換え、英語表現についても紹介します。

「アクセプト」の英語は「accept」

「アクセプト」は英語で「accept」と表記し、さまざまな意味をもつ単語として使われています。

・(贈り物などを)受け取る
・(申し出などを)受諾する
・(提出物などを)受け取る
・応じる
・受け入れる
・承認する
・認める
・容認する
・順応する
・(機器に)対応する

それでは、「accept」を使った熟語も少し見てみましょう。

・accept~as a fait accompli
(~が失敗だと認める)
・accept~as a gift from A
(Aからの贈り物として~を受け取る)
・accept~as an evidence
(~を証拠として認める)
・Accept this quote.
(この見積書を承認する。)

また、「accept」は、物や事柄を「受け入れる」という意味のほかにも、「仲間として受け入れる」といったニュアンスで使うこともあります

・He is accepted in the company.
(彼はその会社に入社した。)

日本語においての「アクセプト」とは

日本語においての「アクセプト」は、広い意味では「受け入れる」ですが、学術分野とビジネスシーンではニュアンスが異なります

ビジネス分野のアクセプト

一般的なビジネスの場においては、「承認する」「認める」「受け入れる」の意味で「アクセプト」が使われます。「アクセプト」だけで動詞の役割をしますが、「~する」「~される」といった使い方をします。

例文

・この企画書、3回目でやっとアクセプトされたよ。
・予算管理部に「こんな金額はありえない」と言われたんだけど、見積書は誰にアクセプトされたんだ?
・一応アクセプトするけど、内容的な出来としては80%だからね。次はもう少し工夫してみて。

学術分野のアクセプト

学術分野においての「アクセプト」とは、論文が学術雑誌などに採用されることを意味します。
たとえば、論文を書いて、担当教授や上司などに「承認」されても、学術雑誌などへの掲載にまで至らなければ、それは「アクセプト」されたことにはならないのです。

例文

・三度目の挑戦でやっとアクセプトされた。
・難関の〇〇ジャーナルにアクセプトされたことで、研究者としての信頼度が上がったようだ。

アクセプトされるまでの流れ

論文がアクセプトされるまでには、決まった流れがあります。

①学術雑誌の編集部に論文を送る。
②編集員に査読される。
③外部査読者による検証が行われる。
④外部査読者が「アクセプト」するかどうかを決定する。

なお、各担当が査読した時点で修正依頼が入ったり、却下されたりすることがありますが、最終段階の外部査読者からの修正依頼・再レビューになると、最終的に「アクセプト」される可能性が高いといわれています

「アクセプト」の類語・言い換え

「アクセプト」を日本語で言い換える場合は、次の表現があてはまります。

アクセプトの言い換え表現
・了承
・承知
・承認
・許可
・認可
・容認
・快諾 など

そのほか、カタカナ用語では「アグリー」「コンセンサス」が類語といえます。

アグリー

「アグリー」には、「賛成する」「同意する」「合意する」の意味があります。誰かに承認してもらう要素の強い「アクセプト」と違い、賛否を決定する場面でよく使われる傾向にあります。

ただし、誰か一人の賛同を得る場合にも「アグリー」は使えるので覚えておきましょう。

例文

・今回の計画についてはアグリーですが、早めに実行に移す必要があるでしょう。
・この企画内容についてはアグリーできないという意見が多かったことを報告しておきます。

なお、「アグリー」の反対語として「ディスアグリー(反対)」という言葉がありますが、反対する際に「ディスアグリーです」を使うのは、きつい言い方に感じられる傾向にあります。

そのため、反対する場合は「アグリーできない」という表現のほうが望ましいです。

コンセンサス

「コンセンサス」は、「複数の意見の一致」「複数人の合意」を意味するカタカナ用語です。「アクセプト」や「アグリー」は、一人の承認や賛同でも成り立ちますが、「コンセンサス」は複数人の意見が一致していることが条件となります。

例文
・主任からアクセプトされた企画書を企画会議にもっていったのですが、部員の過半数のコンセンサスが取れなかったのでボツになってしまった。
ほかにも、「コンセンサスを得る」「コンセンサスを図る」といった使い方ができます。

【番外編】ヘヴィメタルバンド「アクセプト」

バンド好きな人は「アクセプト」という言葉を耳にすると、ドイツ出身のヘヴィメタルバンドの「アクセプト」が頭に浮かぶかもしれません。

デビューアルバムは「Accept(邦題:アクセプト~殺戮のチェーンソー)」で、7枚目のアルバム「メタル・ハート」の発売後に来日し、初の日本公演が行われました

数度のメンバーチェンジが行われてきましたが、2020年の4月時点のメンバー構成はこのようになっています。

・ボーカル:マーク・トーニロ
・ギター:ウルフ・ホフマン
・ギター:ウヴェ・ルイス
・ギター:フィリップ・ショウズ
・ベース:マルティン・モイック
・ドラム:クリストファー・ウィリアムズ

スムーズに「アクセプト」される書類が作れるようになろう

組織内において、企画書などの書類の多くは上司の承認が必要になっています。何度も失敗、挑戦を繰り返すことで社会人としての能力向上につながるのも確かではありますが、なるべくスムーズに「アクセプト」されるよう、ケアレスミスはなくし、知識や実力向上の努力は怠らないようにしましょう