「意図的」とは?故意的、意識的、恣意的とは意味が違う?対義語、類語、英語も紹介

「意図的」とは「なんらかの目的があってわざとそうすること」の意味

「意図的」とは、「なんらかの目的があってわざとそうすること」を意味する言葉で、対義語は、わざとではないことを表す言葉があてはまります。そして、そのニュアンスが一番近いのは、「なんらかの出来事は予想外に起こるさま」を意味する「偶発的(ぐうはつてき)」となります。

また、「意図的ではない」と、否定形で表現する方法もあるので覚えておくと便利です。

「意図的」という言葉は、なんとなくのイメージで日常でもよく使われますが、状況によってはほかの言葉が適しているかもしれません。

本記事では、使い方や類語、英語も含めてわかりやすく紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

「意図的」の読み方・意味

「意図的」は「いとてき」と読み、「なんらかの目的があってわざとそうすること」という意味の言葉です。

「意図的に」と言うと、何かたくらみをもって行動を起こすイメージもあるため、悪いことを表現するときに使う言葉と考える人がいるかもしれません。

しかし、システム上での生産計画はこのようになっているが、急な依頼があったため、来週の数量を「意図的に調整する」という表現方法もあります。

つまり、「意図的」は、良い・悪いにかかわらず使える言葉だというわけです。

「意図的」の使い方・例文

「わざとである」ことを表現するときに使う「意図的」の使用方法は難しくないと思いますが、わかりやすい例文で一応チェックしておきましょう。

例文

・偶然を装ってはいるが、間違いなく意図的に接触してきたに違いない。
・話題性を得るための意図的なSNSの炎上工作。
・予算を超えていないように見せるため、意図的に分割した発注を行った。
・生産が遅れていると言っていたが、売上時期をずらすため、意図的に調整をしていたことが判明した。
・彼の工場への配置転換は、生産に関する知識を身に着けてもらいたいがための意図的な人事異動である。

「意図的」の類語・言い換え表現

「意図的」をほかの言葉に言い換える場合、「わざと」「目的があって」「目的をもって」など、「わざとやっている」というニュアンスの表現が適切です。そのほかにも、「故意的」「意識的」「作為的」という言葉もあるので、それぞれの意味も確認しておきましょう。

故意的

「こいてき」と読み、「わざとするさま」「わざとする気持ちをもっていること」を意味する言葉です。「意図的」とほぼ同じ意味あいで使うことができますが、「故意的」は、最終的な目的をもっていない場合にも使います。また、文章内では「故意的に」ではなく「故意に」と使うことも多いです。
【例文】
・駐車車両が邪魔だったとはいえ故意的にぶつけるとは罪である。

意識的

「いしきてき」と読み、「自分でわかっていて、わざとする」という意味の言葉です。自分が何をするのかをわかってはいても、目的があるとは限らない点で、「意図的」とは異なります。
【例文】
・猛暑の中では、意識的に水分補給をすることを心がけてください。

作為的

「さくいてき」と読み、物事を行う際、わざとらしさがめだつさまを意味する言葉です。ただし、「意図的」とは違い、悪意をもったわざとらしさのみに使います。
【例文】
・さっきの彼の行動は作為的だと思われても仕方がないだろう。

「意図的」と混同されやすい「恣意的」

「恣意的(しいてき)」とは、「気ままで自分勝手なさま」「自分の好きなように振る舞うさま」という意味の言葉です。

「意図的」は、はっきりと考えや目的をもち、わざと行いますが、「恣意的」は、考えなく思いつきで行うという要素が強いです。

例文
・社長という立場に立っている以上、恣意的な発言をするのはやめてもらいたい。

「意図的」の英語表現

「意図的」を英語で表現する場合は、「intentionally」「deliberate」を使います。

【例文:彼の転勤は意図的なものだった。】
・His transfer was deliberate.
・His transfer was intentionally.

「意図的」の意味を理解し正しく使おう!

「意図的」は、なんらかの目的があることが条件になります。目的がない場合「意識的」、その場での思いつきの場合は「恣意的」など、状況によって適格に使い分けができるよう、区別して覚えておいてください。