「フォーカス」とは?ビジネス・医療・カメラ・IT分野の意味、言い換え、英語表現も紹介

「フォーカス」とは「注目する」「集中する」という意味

「フォーカス」は、カメラが好きな人は「焦点」や「中心点」の意味が頭に浮かぶと思いますが、カタカナ用語としては「注目する」「集中する」の意味になります。しかし、分野によってはほかの意味合いで使われているので、状況に応じて解釈しなければなりません。

本記事では、「フォーカス」の意味だけでなく、英語表現、使い方、言い換え表現についてもわかりやすく紹介します。

「フォーカス」の英語は「focus」

英語の「focus」は、名詞、他動詞、自動詞でこれらの意味をもつ単語として使われています。

【名詞】
・焦点
・中心
・的
・震源
・病巣
【他動詞】
・(~を)焦点に合わせる
・(注意などを)集中させる
【自動詞】
・(光などが)焦点に集まる
・~に注目する

「focus」を使った熟語も少し紹介しておきます。

・focus a camera (カメラの焦点を合わせる)
・focus a lot of time on~(~に多くの時間を集中させる)
・focus all one’s energies into~(~に全力を注ぎ込む)
・the focus of attention(注目の的)
・She has focus.(彼女には集中力がある)
・I will focus on class.(私は授業に集中する。)

日本語においての「フォーカス」とは

日本でカタカナ用語として使われている「フォーカス」の意味は、分野ごとに異なります。それぞれの分野でどんな違いがあるのかもチェックしながら見てみましょう

ビジネスでは「集中する」「注目する」

ビジネスシーンにおいては、一般的な意味と同じで、あるものに「集中する」「注目する」といった意味合いで使われます。

例文
今月の品質会議は、現在多発している商品Aの返品理由にフォーカスして進めていこう。

フォーカスした仕事のやり方とは

「フォーカス」した仕事のやり方とは、主に、何に「集中」「注目」して進めるかということになります

一つは、目標が複数ある場合は、どの目標に「集中」するのかを決めるのに、目標数を減らしてから進めるということです。

もう一つは、すべての目標をクリアしたいと考えている場合は、どの順番で進めるか、優先順位を決め、ひとつひとつに「集中」しながら進める方法もあります。

つまり、「フォーカス」した仕事の進め方は、次の2つの方法があるといえるわけです。

・目標の数をしぼる
・やる仕事の優先順位を決めて進める

ITでは「入力の準備OK」

ITの分野においては、キーボードで文字を入力したり、マウスでクリックしたりがすぐにできる状態であることを「フォーカス」と呼んでいます。

パソコン上で作業をする場合、いくつかの画面を開いていたり、ソフトを開いていたりしますが、作業をするときは、どれか一つに焦点をあてますよね?こういった動作をすることから「フォーカス」と呼ばれるようになったとされています。

なお、ほかの画面に移動する場合は、「フォーカスが外れる」や「フォーカスが離れる」といった言い方をするので、マメ知識として覚えておきましょう。

例文
・問い合わせをしたいのですが、どの画面にフォーカスすればいいですか?

医療では「看護記録」

医療分野においては、患者の状態、経過記録、注意事項などの情報を、規定のフォーマットで記録し、状況を瞬時に把握できる「フォーカスチャーティング」という記録方法があります。これを略して「フォーカス」と呼びます。

例文
担当スタッフが変わっても患者さんの状況がすぐにわかるようフォーカスが導入された。

カメラでは「ピントをあわせる」

カメラでは、被写体に「ピントをあわせる」ことをいいます。現在のカメラの多くは、自動的にある一点にピントを合わせてくれる「オートフォーカス」機能がついています。また、ピントがずれて、ぼけている状態は「フォーカスされていない」ということになります。

例文
一番大きなヒマワリにフォーカスして写真を撮る。

【番外編①】ゲームでのフォーカス

「Apex Legends(エーペックレジェンズ)」という、チームバトル形式のバトルロイヤルシューティングゲームがあり、そのゲーム用語の中にも「フォーカス」があります。

この「フォーカス」とは、攻撃を、相手チームの特定プレーヤーに集中させることを指しています。

【番外編②】フォーカスの合った音

「音」の世界の中で、スピーカーの用語の中にも「フォーカス」があります。

臨場感のある音楽を聴きたい場合、複数のスピーカーを置きますよね?しかし、スピーカーはひとつひとつで微妙に周波数が異なるため、耳に届くときのバランスが悪く、まとまりのない音に聴こえてきます。このバランスの悪さを改善した状態の音が「フォーカスの合った音」です。

スピーカーを紹介する場合の「フォーカス」の意味はひとつではない

スピーカーは、「音」を届ける電化製品なので、「フォーカスの合った音」という使い方もしますが、一方で、メーカーによって、何を売りにしているかを表す際にも「フォーカス」が使われます。

たとえば、「デザイン性を重視しました」と伝える場合は「デザインにフォーカスした」と表現しますし、「重低音の音質にこだわりました」と伝える場合は「重低音にフォーカスした」と表現します。

このように、一つの分野でも複数の「フォーカス」の意味が入っている場合があるので、解釈の間違いをしないようにしてください

「フォーカス」の類語・言い換え

「フォーカス」の言い換え表現としては、次の言葉があげられます。

「フォーカス」の類語・言い換え表現

・焦点
・ピント
・的
・中心
・重心
・核 など

「フォーカス」が何を指すのかによって異なるので、状況に応じて使い分けをしてください。

分野ごとの「フォーカス」の意味を正しく理解して使おう

「フォーカス」は、さまざまな分野において、異なるニュアンスで使われているため、それぞれの意味をチェックしていると難しく感じるかもしれません。しかし、広い意味では「ひとつのポイントに集中する」「焦点」を指しているので、フォーカスの意味が理解できないと感じたときは、一度「集中する」「焦点」という言葉を頭に浮かべ、そこから変換してみてください