ダイバーシティとはどんな意味?ダイバーシティ&インクルージョンやダイバーシティマネジメントについても解説

ダイバーシティとは簡単に説明するとどんな言葉?

ダイバーシティの意味は「多様性」と「相違点」。ビジネスの場合は、「組織のなかに多種多様な人材が集まっている状態」という意味になります。

ダイバーシティの類語は「バラエティー」です。ただし、同じ意味ではないので言い換えには使えません。言い換える場合は、「多様性」を使用してください。

ダイバーシティを英語で表すときは、「diversity」を用います。

ダイバーシティとはどんな意味?

ダイバーシティの意味は「多様性」と「相違点」。簡単に言い換えると、「いろいろな種類のものがあること」がダイバーシティです。

ビジネスでは、「組織のなかに多種多様な人材が集まっている状態」の意味で使われます。

次に挙げるようなさまざまな面に注目して多様性とされます。

・人種
・民族
・国籍
・第一言語
・宗教
・文化
・年齢
・性別
・価値観
・学歴
・職歴
・SOGI(性自認、性的指向)
・ライフスタイル
・仕事観
・障害の有無
・介護対象の有無など、

ダイバーシティは、「ダイバーシティー」と表記されることもあります。

ダイバーシティ&インクルージョンの略語としても使われている

ダイバーシティは、ダイバーシティ&インクルージョンの略語として使われる場合も多々あります。

インクルージョンは、「受容」や「包含すること」という意味のカタカナ語。

ダイバーシティとインクルージョンを組み合わせた、ダイバーシティ&インクルージョンは、「多様性と包含」と訳されます。

ビジネスでダイバーシティ&インクルージョンといった場合は、次のニュアンスで使用されることが多いです。

ダイバーシティ&インクルージョン
組織のなかに多種多様な人材が集まっている状態を前提として、それらの違いにこだわらず多様な人材を受け入れ、それぞれの人が持つ能力を最大限に発揮できるようにしようという考え方や取り組み

ダイバーシティマネジメントという言葉もある

ダイバーシティ&インクルージョンは、ダイバーシティマネジメントと言い換えられる場合もあります。

ダイバーシティマネジメントは、「組織のなかに多種多様な人材が集まっている状態をビジネスに活かして、ライバル企業よりも優位に立てるよう組織全体を管理する手法」を意味します。

ダイバーシティマネジメントは、「ダイバーシティ経営」と書かれることも。

ダイバーシティが重要な理由

近年の日本のビジネスでは、少子高齢化による労働力人口の減少や価値観の多様化、グローバル化によって、ダイバーシティの考え方が重要になっています。ダイバーシティを取り入れることで、次のようなメリットが得られます。

メリット
・子育て中の女性や介護をしている人、障害を持っている人、高齢者なども含め、働き方に対してさまざまな価値観や考え方を持つそれぞれの人が働きやすい環境を整えることで、労働力人口の減少を補える
・社員が働き方を自由に選択できるようになれば、プライベートの事情で仕事をやめないといけなくなる人が減り、企業はせっかく育てた優秀な人材を手放さなくても済むようになる
・企業のなかにさまざまな価値観を持つ人がいれば、異なる視点からの多様な発想を得ることができるため、新しいアイディアが生まれやすい
・多様な人材を揃えることで、言語や文化の異なる外国とのビジネスに対応しやすい

ダイバーシティの課題

従来の日本企業の体質は、社員の「同質性」や「同じ価値観」をもっていることを重要視していました。ダイバーシティはこれまでの体質と真逆の考えになります。そのため、ダイバーシティを推進しようとすると、次のような問題が発生する場合が多いです。

ダイバーシティの課題
・新しい考え方に馴染めない層からの抵抗がある
・会社として、多様な人材が働ける新しい制度やルールを作る必要がある
・一部のカテゴリーに属する人々が優遇されていると誤解されやすく、偏見や不平不満のもとになりやすい
・新しい制度を利用する人と利用しない人との間で不公平感が生まれやすい
・言語が異なる者同士のコミュニケーションが難しい

ダイバーシティを推進する場合は、これらの課題を解決するために事前に制度を整え、不公平感のない仕組みを作る必要があります。

経済産業省もダイバーシティを重要視

経済産業省ではダイバーシティ経営を推進するため、経営戦略としてダイバーシティで成功している企業の取り組みを紹介する、ダイバーシティ経営に取組む企業に向けて「ダイバーシティ経営診断ツール」を作成するなど、さまざまな取り組みを行なっています。

興味のある方はこちらも目を通してみてください。 参考 ダイバーシティ経営の推進経済産業省

ダイバーシティは英語だと?語源は?

ダイバーシティを英訳するときは、「diversity」を使ってください。

diversity
・意見や様式などの多様性、さまざまな種類
・人種や社会経済的多様性
・通常のものとの相違点、食い違い

「diversity」は、ラテン語で「離れて」や「バラバラに」を意味する「di」と、「向く」「方向転換する」という意味の「verse」がもとになってできた単語です。

ダイバーシティの使い方を例文で学ぼう

ダイバーシティの意味がわかったら、次は言葉としての使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文
ダイバーシティを尊重する企業が増えている。
ダイバーシティの推進には、社員の理解が欠かせない。
・ホームページでダイバーシティに対する当社の考え方を紹介する。
・「ダイバーシティへの挑戦」を目標に掲げる。
ダイバーシティの意味を広辞苑で調べる。

ダイバーシティの類語・言い換え表現

ダイバーシティの類語は「バラエティー」です。

バラエティー
・変化があること、多様性
・植物分類上の、変種
・「バラエティーショー」の略

バラエティーは、ダイバーシティと同じく「多様性」の意味があります。しかし、バラエティーは、「同じ種類のもののなかでの違い」を強調するときに使われる場合が多い言葉です。

ダイバーシティには、「もともと種類が違っている」というニュアンスがあり、同じ意味ではないのでバラエティーを言い換えには使えません。

MEMO
ダイバーシティを言い換える場合は、「多様性」を使用してください。

【おまけ】ダイバーシティ東京

ダイバーシティ東京は、「東京臨海副都心計画」により建設された、多様性と話題性に富んだ複合商業施設とオフィスビルです。複合商業施設部分はダイバーシティ東京 プラザ、オフィスビル部分はダイバーシティ東京 オフィスタワーと呼ばれています。

ダイバーシティ東京の名前は、一般公募で寄せられた候補のなかからフジテレビが主催したイベント「お台場合衆国2011〜ぼくらがNIPPON応援団!〜」で、来場者の投票によって決定しました。

ダイバーシティ東京 プラザには、個性的で独創的なファッションアイテムを提案する国内外の人気ブランドや、幅広いジャンルの飲食店、いろいろな遊びを楽しめる大型エンターテインメント施設が入っており、名前の通り多様性に富んだ体験ができます。1,400台駐車可能な立体駐車場も設けられています。

ダイバーシティを正しく理解しよう

日本のビジネス業界では、これからますますダイバーシティが重要視されるようになっていきます。

会社が多様な人材を積極的に受け入れる動きをみせることで、一部の人が優遇されているように感じてしまうかもしれません。しかし、自分も含めてすべての人が平等に実力を発揮して活躍できるようにすることが、目指すべきダイバーシティといわれています。

時代に合わせて変化していく企業に順応できるように、ひとりの社員としてもダイバーシティに関する理解を深めていきましょう。