プロトコルとは何か?
プロトコルの意味は、複数の人やものが対象となる事柄を確実に実行できるように、定められた手順をまとめたもの。いろいろな分野で異なるものを指す言葉として使われているため、それぞれの分野での意味をおさえておく必要があります。
プロトコルの類語はプロトコール、ネットワークプロトコル、プロトコル通信です。日本語では議定書、通信手順、通信規約が言い換えに使用できます。
プロトコルを英語で表すときには、「protocol」を用いてください。
プロトコルとはどんな意味?
プロトコルは、複数の人やものが対象となる事柄を確実に実行できるように、定められた手順をまとめたものです。具体的には次のような意味で使われます。
②外交儀礼。国家間の交流や外交文書の交換、会食などの外交活動を行うときに遵守すべき公式な規則や手順
③コンピュータどうしでデータ通信を行なうための通信規約
④(生化学の分野で)実験、操作、その目的などを記した書類
⑤(医療の現場で)手順、治療計画、臨床研究実施計画書、標準治療法
プロトコルはもともと、①の「外交などにおける議定書」を意味する言葉でした。そこから、その議定書を締結するために必要になるフォーマルな段取りというニュアンスでも使われるようになって、②の「外交儀礼」の意味が増えました。
さらに、特定の目的を達成するために必要な手順や流れというニュアンスでも用いられるようになり、フォーマルなシーンから離れた③④⑤の意味でも使用されるようになっています。
プロトコルは英語だと?
プロトコルを英訳するときは、「protocol」を使います。
・外交儀礼、儀典、典礼、礼儀作法、慣習
・コンピュータの通信接続手順、通信規約
・実験、治療の実施要綱
・手順、手続き、指令、命令
「protocol」とカタカナ語の「プロトコル」は同じ意味をもっているので、英語でも同様に使用できます。
パソコン関係でのプロトコルの意味
パソコンやスマートフォン関係の話でプロトコルが出てきた場合は、通信規約や通信手順という意味になります。
日本語しか話せない人と英語しか話せない人では、コミュニケーションが取れないのと同じように、通信するときのやり方が違っていると通信ができません。プロトコルを決めておくことで、異なるメーカーのソフトウエアやハードウエアを使ってる人同士でも通信できるようになります。
プロトコルの種類
目的別にいろいろなプロトコルがあります。どのようなものがあるか、簡単にみてみましょう。
プロトコルの種類ごとにそれぞれ別の名前がつけられています。それぞれのプロトコルの名称をよくみると、その末尾にはすべて「P」がついていることに気づいた人もいるかもしれませんね。この「P」は、英語の「protocol」からきている「P」です。
プロトコルスタックとは
プロトコルスタックとは、通信をするときに使うそれぞれのプロトコルをまとめてセットにしたもののことをいいます。また、プロトコルをまとめてセットにしたものをすぐに使用できるようにしたプログラム部品もプロトコルスタックです。
プロトコルの使い方を例文で学ぼう
プロトコルの意味がわかったら、次はカタカナ語としての使い方を例文でイメージしてみましょう。
・ネットワークデバイスで発生した障害は、新しく追加されたプロトコルが原因であることが判明した。
・新型コロナ対策のため、厳格な保健プロトコルを順守することが求められている。
・新薬の治験は、プロトコルに従い行われている。
プロトコルの類語・言い換え表現
プロトコルの類語はプロトコール、ネットワークプロトコル、プロトコル通信。
プロトコールは、外交関係の意味でプロトコルというときに使われることが多い言葉です。意味はプロトコルと同じですが、外交での共通語が昔は英語ではなくフランス語だったため、その名残でフランス語に近い発音になっています。
「ネットワークプロトコル」と「プロトコル通信」は、IT分野でのプロトコルの言い換え語です。
・バージョンアップにより、従来のプロトコル通信に対応していない通信機器も接続できるようになった。
カタカナ語のプロトコルが使いにくいときは、「議定書」「通信手順」「通信規約」を用いてください。
プロトコルの意味を正しく理解しよう
プロトコルはもともと外交での議定書や、異なる文化をもつ国同士が気持ちよく交渉などの交流を行うために決められた、「約束事」を意味する言葉でした。そこからニュアンスが広がって、コンピュータ関係や医学など、外交とはまったく関係のない分野でも使用されるようになっています。
プロトコルはこのように複数の意味をもつため、今何の意味で用いられているのかを文脈に合わせて読み取れないと、周囲の話についていけなくなってしまいます。プロトコルについて正しく理解し、使いこなせるようになりましょう。