「わかりました」とはどんな敬語?ビジネスで使ってはいけない?言い換え表現や英語も解説

「わかりました」とはどんな言葉?

「わかりました」は、「理解、承知、承諾、納得、得心」などを相手に伝えたいときに使う言葉です。

類語は、「承知しました」「かしこまりました」「承りました」。

「わかりました」を英語で表すときは、「Of course.」「I understand.」「Certainly.」などの表現を使用してください。

「わかりました」とはどんな意味?

「わかりました」は、「理解、承知、承諾、納得、得心」などを相手に丁寧に伝える言葉。次のようなニュアンスで使います。

わかりました
あなたの話を理解し、受け入れました

「わかりました」は漢字で書くと「解りました」「判りました」「分かりました」の3つの表記がされます。

どのように使い分けるか、くわしくみていきましょう。

解りました

「解りました」の「解」は次の意味をもつ漢字です。

①わける。ばらばらにする
②ほどく。ときはなす。なくす
③さとる。わかる。ときあかす
④下から上に差し出した文書

「解」を使う言葉には「解釈」「解説」があることからもわかるように、「わかる」のニュアンスで「解」を使用するときは、難しい事柄を「さとる。わかる。ときあかす」という意味になります。

そのため「解りました」は、難しくて複雑な事柄を理解したときに用います。

判りました

「判りました」の「判」は次の意味をもっています。

①わける。区別する。見分ける
②わかる。はっきりさせる。あきらかになる
③さばく。さばき
④はん。はんこ(判子)。いん。しるし
⑤大判、小判など昔の金貨の呼び名
⑥紙などの大きさの規格

「判」を「わかる」のニュアンスで使う場合は、隠れていたものを「はっきりさせる。あきらかにする」という意味になります。

「判りました」は、隠れていて判断がつかなかったものをはっきり判別できたときや、見分けられたときに用います。

分かりました

「分かりました」は、「解りました」と「判りました」よりも意味が大きな言葉で、何かが「わかった」ときすべてに使えます。

「解りました」と「判りました」のどちらも、「分かりました」に言い換えできます。どちらにもあてはまらない「気持ちがわかる・察する」などの場合にも「分かりました」を使用します。

また、「解」「判」「分」のうち、常用漢字表で「わかる」の読み方をすると書かれている漢字は「分」だけです。

そのため、公的書類を作成するときに「わかりました」を漢字表記する場合は、「分かりました」を使用するようにしてください。 参考 常用漢字表文化庁

「わかりました」は使ってはいけない敬語?

「わかりました」は、動詞の「わかる」に丁寧語の「ます」をつけた、「わかります」を過去形にした言葉。つまり、「わかりました」は丁寧語です。

丁寧語は、聞き手に対して丁寧な言い方をする言葉で、自分と相手の立場の上下に関係なく用いることができます。

丁寧語には相手を高めたり、自分を下げたりするニュアンスはないため、敬語の一種ではありますが、敬意の程度が低いとされています。そのため、「わかりました」は上司や取引先の人、先生など目上の相手に使うのには向きません

「わかりました」の使い方を例文で学ぼう

「わかりました」は、対等の立場である同僚や目下の相手にあたる部下、後輩に使う言葉。対面での会話だけでなく、メールに「わかりました」と返信するのもOKです。

例文
わかりました。ありがとうございます。
わかりました。同期のよしみでひと肌脱ぎましょう。
・発注数が間違っていたことがわかりました

「わかりました」は、何かが判明したことをやわらかい物言いで表現するときにも使用します。

「わかりました」の類語・言い換え表現

目上の相手に「わかりました」と言いたいときは、「承知しました」「かしこまりました」「承りました」に言い換えてください。

承知しました
意味:相手の申し出や頼みを理解できている。相手の依頼を聞き入れる
例文:承知しました。順番にご案内いたしますので、しばらくお待ちください。
かしこまりました
意味:目上の人の依頼や指示をつつしんで承ること。承諾すること
例文:かしこまりました。サンドイッチセットひとつとケーキセット2つですね。
承りました
意味:相手の言葉を謹んで聞いた。引き受けた
例文:(電話のやり取りで)私(わたくし)、〇〇(自分の名字)が承りました。

「わかりました」は英語だと?

「わかりました」を英訳するときは、「OK」でも意味は通じます。しかし、「OK」は砕けた表現のためビジネスには向きません。丁寧に「わかりました」と伝えたいときは、次のような表現を使ってください。

「わかりました」の英語
Of course.:もちろん
Sure.:承知しました
I understand.:理解して了解しました
I’m on it.:了解しました、今やっています
Certainly.:もちろんです
No problem, sir.:承知しました。

「わかりました。ありがとうございます」を英語で表したいときは、このうちの「I understand.」使用して「I understand. Thank you.」のように表現します。

「わかりました」は相手を見て使おう

「わかりました」は、自分と対等な立場にいる相手や、目下の相手に使用する言葉です。敬語の一種ですが、敬意が足りないため目上の相手には使えません。

目上の相手に「わかりました」と伝えたいときは、記事で紹介した「承知しました」「かしこまりました」「承りました」に言い換える必要があります。

類語の意味もあわせて頭に入れておき、うまく「わかりました」を使用できるようになりましょう。