ユーザビリティとはどんな言葉?アクセシビリティとの違いやユーザビリティテストについても解説

ユーザビリティとはどんな言葉?

ユーザビリティの意味は、「使いやすさ」「役に立つこと」です。

ユーザビリティを言い換えできるカタカナの類語はありません。日本語では、「使いやすさ」が言い換えに使えます。

ユーザビリティを英語で表すときは、「usability」を使用してください。

ユーザビリティとはどんな意味?

ユーザビリティは次の意味をもつカタカナ語です。

ユーザビリティ
・使いやすさ
・役に立つこと

しかし、ただ「使いやすい」「役に立つ」というだけでは、ユーザビリティの意味として不十分です。

特定の状況で特定のユーザーが、なるべく簡単に効率よく、使い方などで困らず、不便さも感じずに使用してその目的を達成できるかがポイント。このポイントで考えたときに、ユーザーの満足度がどの程度であるか、その度合いを意味するものがユーザビリティです。

ユーザビリティを上げるためには、使用状況やターゲット(ユーザー)、目的に合わせて商品やサービスを最適化する必要があります。

IT分野でのユーザビリティ

IT分野でのユーザビリティは、機器やWebサービス、ソフトウェアの使いやすさや使い勝手のこと。

ユーザーが対象のものを操作して各々の目的を果たすまでに、どの程度使い方に迷ったり、誤操作をして困ったり、「わかりにくい」「つながりにくい」などのストレスを感じたりせずに使用できるか、その程度を表したものです。

ユーザビリティが優れているものほど使い方がわかりやすく、誰でも、それがはじめての操作であっても簡単に使用できます

ユーザビリティとUI

UIは「User Interface(ユーザーインターフェース)」の略語。人間と何かの道具を「つなぐ」ものやユーザーとサービスの接点になるもの全部のことです。

ユーザビリティとUIの関係をみてみましょう。

ユーザビリティとUIの例

例えば、電話の「ダイヤル」やテレビの「リモコン」は、機械の使い勝手をよくして人間と機械を近づけてくれた画期的なUIです。

ダイヤル式の電話が発明される前の時代、電話をかけるときはまずクランクハンドルと呼ばれるハンドルを回して電話をつないでくれる交換手さんを呼び出していました。その後、交換手さんに番号を伝えて相手側の交換手さんを呼び出してもらい、相手につないでもらうという非常に面倒な手続きが必要でした。

テレビのリモコンが発明される前は、テレビのチャンネルを変えたり音量調節したりするときに、その都度テレビのところまで人間が移動して、本体を操作する必要がありました。

これらはUIが改良されたことで、ユーザビリティが向上した良い例といえます。

コンピュータでのユーザビリティとUI

近年ではユーザビリティとUIは、コンピュータ関係やWebサービス、アプリの話で使われることが多いです。

次のようなものは、人間とコンピュータを簡単につなげてくれるユーザビリティが高いUIといえます。

ユーザビリティが高いUI
・パソコンの操作を楽にしてくれるマウスやタッチスクリーン
・調べたいワードを簡単に検索できるサーチボックス
・クリックするだけでリンク先に移動できるハイパーテキスト

Webサイトやアプリに仕込まれているボタンやリンク、お問合せフォームなどは、ユーザーとサービスをつなげるUIです。サイトやアプリをデザインするときは、ユーザビリティがよくなるように考えてこれらのUIを配置しなければなりません。

ユーザビリティが高いデザインのポイント

サイトやアプリをデザインするときは、次のようなポイントに注意してください。

ユーザビリティが高いデザイン
・項目の選択肢が多すぎない
・色を使いすぎず、大事なところに色がある
・欲しい情報を探さなくても見つけられる
・何かをするときに必要なクリックやページ移動などのステップが少ない
・ボタンやリンクが小さすぎない
・フォームパーツが手入力しやすい大きさをしている
・画面設計がわかりやすい
ユーザーが使い慣れた配置や見た目をしている

ユーザビリティの使い方を例文で学ぼう

ユーザビリティの意味がわかったら、次はカタカナ語としての使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文
・まったく新しい発想を取り入れることでユーザビリティが向上した。
ユーザビリティを上げる対策を早急に進める。
ユーザビリティを重視したデザインで人気を集めている。

ユーザビリティの類語・言い換え表現

ユーザビリティを言い換えできるカタカナ語はありません。言い換えが必要なときには、「使いやすさ」を使ってください。

例文
必要最小限の機能に絞ったことで使いやすさがアップした。

ユーザビリティとアクセシビリティの違い

アクセシビリティは、次の2つの意味で使われる言葉です。

アクセシビリティ
①高齢者や障害を持つ人も含め、すべての人が機器やサービスを容易に利用できること
②その機器やサービスに不具合などがなく、ユーザーが使える状態になっていること

①の意味の場合、ユーザビリティは「20代の人」など特定のターゲットにとっての使いやすさを追求する考え方なので、2つの言葉は求める方向が異なっています。

②の意味では、アクセシビリティが実現できてから、その土台の上でユーザビリティを追求できるようになります。

ユーザビリティテストとは?

ユーザビリティテストは、商品やサービスの開発、改善時に実施されるテストのひとつです。

一部のユーザーに商品やサービスを実際に使ってもらって、ユーザーたちがそれをどのように使用するかを観察します。ユーザーがどの程度それを使えているか、使いやすさを検証するのが目的です。

ターゲットユーザーのなかから無作為にテストユーザーを選んで行う場合と、ユーザビリティテストにくわしい特定分野の専門家に協力を依頼する場合があります。

ユーザビリティテストは、「ユーザビリティ調査」や「ユーザビリティ評価」と呼ばれることもあるのであわせて覚えておきましょう。

ユーザビリティエンジニアリング

ユーザビリティエンジニアリングは、ユーザビリティについてくわしく学びたい人におすすめの本。

ユーザー調査とユーザビリティテストの実務経験を積み、ユーザビリティエンジニアとして第一線で活躍している筆者が、自身がもつ知識と経験を体系的にまとめた実践者向けの内容です。

ユーザー視点に立って、ユーザーが満足する製品やサービスを開発するために必要な知識を、基礎からわかりやすく学べます。

ユーザビリティは英語だと?

ユーザビリティを英訳するときは「usability」を使います。

usability
・有用性
・便利なこと
・使い勝手
・使いやすさ

「usability」は、「use(使う)」と「ability(できること、能力)」を組み合わせて作られた造語です。

ユーザビリティの意味を正しく理解しよう

ユーザビリティは、ユーザーの立場でみたときの使いやすさを意味する言葉です。製品の性能がものすごくよかったり、デザインが斬新でおしゃれだったりしても、ユーザーに使いにくいと感じられてしまうと使用してはもらえません。

ユーザビリティの意味を正しく理解し、ユーザー目線を意識して製品やサービスの開発に取り組むようにしましょう。