「アテンション」の意味と使い方は?アテンションプリーズとは?英語表現、類語も解説

「アテンション」とは「注意」「留意」のこと

空港などのアナウンスで耳にする「アテンションプリーズ」ですが、なんとなく「案内します」ということかな、と解釈している人は多いでしょう。しかし、実はこの「アテンション」という言葉には、「注意」「留意」の意味があり、一般的なビジネスシーンでも使われているんです

本記事では、「アテンション」の正しい意味や使い方、「アテンションプリーズ」の本来の意味、言い換え表現、英語についてもわかりやすく解説します。

「アテンション」の英語は「attention」

「アテンション」の英語のスペルは「attention」で、次のような意味をもつ単語で使われています。

・(重要な事などに対する)注意、留意
・配慮、世話
・(ビジネスレターなどの)~宛

「attention」を使った熟語も参考までにいくつか紹介しておきます。

・Attention needs to be paid to~
(~に注意を払う必要がある)
・attention of millions of viewers
(数百万の視聴者の注目)
・attention point
(注意点)
・attention problem
(注意力不足)
・attention to the environment
(環境への配慮)
・attract attention
(注目を集める)
・attract attention around the world
(世界中の注目を集める)

日本語においての「アテンション」の意味

日本語の中で使われるカタカナ用語の「アテンション」は、主に「注意」「留意」「注目」の意味で使われています

【注意】
相手に気を付けてもらいたい場合、自分が気をつけなければならない場合に使います。
【留意(りゅうい)】
「心にとどめること」を指します。何か気に留めておいてほしい場合に使います。
【注目】
「注目」は、「注意して目をそちらの方向に向けること」をいいます。

ファッション分野使われる「アテンション」

販売されている衣類や鞄などには、素材のタグや値札がついています。それらとともに、「ATTENTION」と書かれたタグがついているのを見かけますよね。このタグには、「色落ちする可能性があります」「濡れたまま放置しないでください」など、商品を取り扱ううえでの注意点が書かれています

「アテンションプリーズ」の意味は?

航空業界でのアナウンスでよく聞かれるアテンションプリーズとは、「注目してください(Attention please)」の意味になります。より丁寧な言葉にすると、「May I have your attention please.(こちらに注目してください)」ですが、アナウンスをする際は、簡潔に「Attention please」のみにすることが多いです。

「アテンション」の使い方・例文

ビジネスシーンで「アテンション」が使われる場合、いくつかの定型フレーズがあります。会話の内容としては、ポジティブとネガティブ、両方のパターンで使われるので、どのような使われ方をするのか、例文でチェックしてみましょう。

アテンションを引く/得る

「アテンションを引く」「アテンションを得る」は、「人々から注目される」「注目を集めた」といった意味あいで使われます。

例文

・もっとアテンションを引くデザインにしないと見てくれないよ。
・視聴人口が増えているYouTubeに広告を出せば、今よりももっと多くのアテンションを得るができるのではないか?

アテンションを集める

「アテンションを集める」は、「~を引く」「~を得る」と同じく、「人々から注目される」の意味で使われます

例文

・今回の新作発表の反応を見ると、アテンションを集めることが予想される。

アテンションを高める

「アテンションを高める」は、「注意力を高める」「もっと注意する」といった意味あいで使われます。

例文

・〇〇君、このミス何回目だ?もっとアテンションを高める努力をしないといけないね。

アテンションミス

「注意力を欠いたことによるミス」という意味で、ちょっとしたうっかりミスのことを、「アテンションミス」といいます。

例文

・しっかり確認することでアテンションミスは防ぐことができると思う。

「アテンション」の類語・言い換え

「アテンション」は、「注意」「留意」「注目」の意味をもちますが、ほかにも次の日本語への言い換えが可能です。

アテンションの言い換え表現

・注意集中
・用心
・傾注*(けいちゅう)
・興味
・関心
・警戒
・戒心**(かいしん)

(傾注*:ある事に心を集中すること。)(戒心**:油断しないこと。)

例文1

・ミスが増えているのでもっとアテンションを高める努力をするように。
・ミスが増えているのでもっと用心して作業をするように。

例文2

・この商品は多くの消費者からのアテンションを得られたようだ。
・この商品は多くの消費者が関心をもってくれたようだ。

また、カタカナ用語の類語としては、「コンセントレーション」や「ケア」があげられます。

コンセントレーション

ビジネスシーンにおいて、「コンセントレーション」は「集中・集中力」の意味で使われており、主に「精神の集中」を指しています。「注意」を意味する場合の「アテンション」との置き換えが可能です。

例文

・これ以上のミスが起こらないようコンセントレーションを高めて作業に取り組んでください。

ケア

「ケア」と聞くと「手入れ」や「管理」頭に浮かぶ人が多いと思いますが、「注意」「用心」「配慮」の意味もあるんです。自分自身の注意力というよりも、「人や物の様子を注意深く見る」といったニュアンスで使います

例文

・Aさん、さっき受けたクレームの電話でかなりパニックになってるからケアよろしくね。

「アテンション」の関連語

「アテンション」には、「アテンション〇〇」といった関連語が存在します。本来の「アテンション」の意味も頭に浮かべながらチェックしてみましょう。

アテンションシール

店頭に並んでいる商品に「人気No1」「売上No1」「化粧品部門第一位」といったシールが貼られていることがありますよね?このように店頭で消費者の興味を引く目的で貼られるシールを「アテンションシール」や「アイキャチシール」と呼んでいます。
同じ種類の商品が多数ある場合、消費者に注目されるかどうかが売上につながるため、目にとまりやすいデザインにするのがポイントです。

アテンション・ゲッター

広告の中で、見ている人の注目を集める要素のことを「アテンション・ゲッター」といいます。

その中でも、目にとまりやすいデザインにしたり、有名なタレントを起用したりして、視覚的な注目を集めることを「アイ・キャッチャー」といい、音を使って注目を集める要素を「イヤ・キャッチャー」といいます。

「アテンション」の意味を理解し正しく使おう

「アテンション」は、アナウンスの「アテンションプリーズ」だけでなく、ビジネスシーンにおいても「注目」「留意」「注意」など、さまざまな意味があります。それぞれのニュアンスを理解し、状況に応じてただしく解釈できるようにしておきましょう