コモディティとは?「コモディティ化」の意味は?使い方、類語、関連語、英語も紹介

「コモディティ」とは「差別化が困難な商品」のこと

「コモディティ」で検索すると、投資関連のサイトがたくさん表示されるため、金融や投資用語だと思っている人がいるかもしれませんが、実は「差別化が困難な商品」という意味でビジネスシーンでも使われるカタカナ用語なんです。

また、対義語は「差別化」の意味をもつ「ブランディング」です。つまり、差別化が困難な商品である「コモディティ」から一歩抜け出し、ほかの商品と区別できるような要素を組み込むことが「ブランディング」になるわけです。

本記事では、会話での使い方、類語、言い換え表現などもわかりやすく紹介するので、対義語も含めてしっかり覚えていってください。

「コモディティ」の英語は「commodity」

「コモディティ」は英語で「commodity」と表記し、次の意味をもつ単語として使われています。

・商品
・非売品
・(大規模な取引が行われる)一次産品、農産物
・生活必需品
・日用品
・役に立つもの

英熟語や英文での使い方も参考のためにいくつか紹介しておきます。

・commodity prices
(物価)
・commodity economy
(商品経済)
・commodity demanded
(需要品)
・commodity control list
(商品管理リスト)
・of the price of acommodity, to go up
(原価が上昇する)
・commodity prices were rising
(物価は上昇していた)

日本語においての「コモディティ」とは

店頭や通販サイトでは、同じ種類の商品が多数販売されており、特にメーカーなどのこだわりがない限りは「量が多い」「安い」「パッケージが好き」などの理由で決めてしまう人もいるでしょう。

このように、差別化が困難な商品を「コモディティ」といい、市販されている商品の多くがこの「コモディティ」にあたります。

コモディティ商品の例

・食料品(農産物・米・レトルト食品・飲料水・卵など)
・スキンケア商品(化粧水・クリーム・リップなど)
・パソコン関連商品(ディスク、USBメモリ、マウスなど)
・エネルギー関連(灯油・ガソリン・原油・天然ガスなど)
・貴金属(金・プラチナなど)

「コモディティ」の使い方・例文

「コモディティ」は、会話の中ではこのように使われます。

例文

コモディティ商品なのに、A社の売上が群を抜いてるのはなぜだ?
・画期的なサービスだと思ったのに、あっという間にコモディティ化してしまったな。

なお、「コモディティ商品」「コモディティ化」については後述しているので、ぜひ参考にしてください。

投資分野においての「コモディティ」

投資分野での「コモディティ」は、「コモディティ投資」と呼ばれており、商品先物市場で、金、銀、農産物などの商品(コモディティ商品)に投資することをいいます。

コモディティ商品の主な種類

【ハードコモディティ】
・エネルギー(原油、天然ガスなど)
・貴金属(金、ブラチナなど)
・産業用金属(亜鉛、アルミニウムなど)
【ソフトコモディティ】
・農産物(小麦、コーヒー、砂糖など)
・畜産物(飼育牛、赤身豚肉など)

コモディティ投資の取引価格(=コモディティ価格)は、その商品の市場全体の作用によって決められています。以前は、単価が比較的高いため、投資可能な人に限りがありましたが、ETF(=上場投資信託)や投資信託など、投資の方法が増えたため、近年はコモディティ取引をする人も増えています。

しかし、投資は成功ばかりではなく、失敗もつきもの。メリットやデメリットはしっかりと理解したうえで行いましょう。

メリット

コモディティ投資は、通常の株式市場とは異なる市場で行われるため、株式投資を行う人にとっては分散投資をする形になります。たとえば、株式市場が下落傾向にある際に、値上がりする性質の商品があり、それに投資をしていればリスクヘッジが可能になるわけです。

また、物価上昇にともない、市場価格が上昇傾向にあるコモディティ投資は、インフレに強いともいえます。

デメリット

投資をするうえで、メリットよりも深く理解しておきたいのがデメリットです。コモディティ投資には、主に次の3つのデメリットがあるとされています。

・農産物は、天候により生産量が異なってくる、原油は中東の混乱で価格が不安定になるなど、予測困難な価格の変動がよく起こる。
・外貨建ての決済であるため、為替の変動による資産価値が変わってくる可能性が高い。そのため、為替と商品そのものの価格変動に注意しなければならない。
・実物による資産運用のため、配当金といったインカムゲイン(株式・債権などの資産保有中に得られる利益)が発生しない。

「コモディティ」の類語・言い換え

「コモディティ」は、「差別化が困難な商品」なので、言い換え表現としては、多くの物を一括りにした以下のような言葉があてはまります。

コモディティの言い換え表現

・生活必需品
・普及品
・日用品
・生活用品 など

「コモディティ」の関連語

日本語の中には、「コモディティ〇〇」といった関連語がいくつか存在します。ここでは3つの言葉をピックアップして紹介します。

コモディティ商品

差別化(ブランディング)されていない、一般的な商品を「コモディティ商品」といいます。「どれでもいい」と消費者が悩んでしまう商品群が対象となり、店頭に並んでいる商品の多くが、この「コモディティ商品」となります。

コモディティ化

コモディティ化とは、ほかの商品との違いとなっていた特徴が、唯一無二のものではなくなり、均等化してしまう現象のことをいいます。商品の機能がほかのものと区別できなくなると、価格を下げることでしか差別化を図るしか方法がなく、売上低下につながってしまいます。

コモディティグッズ

コモディティグッズとは、ひとことで言ってしまうと「必需品」です。一般的に、食料品、家庭用品など、一般的な信用度の品質があり、価格も大差なく、実物を見なくても購入しても構わないと思えるものを指します

差別化を図りコモディティ商品の売上をアップ!

差別化ができない商品で一定に売上を保ったり、さらに伸ばしたりするのは企業にとってとても大変なことです。悪くすると、あっという間に他社に市場を奪われてしまう可能性もあります。

消費者が選択に迷った場合、「パッケージが好き」といった、小さな理由が決め手になる場合も少なくありません。売上が低迷したと感じたときは、なんとか差別化が図れるよう考えてみましょう。