サテライトオフィスとは?意味、支店との違い、英語、メリット・デメリットも紹介

「サテライトオフィス」とは「本社から離れた場所のオフィス」のこと

サテライトオフィスとは、本社から離れた場所に設置された、支店よりも簡易的な機能のオフィスのことをいいます。地方住まいで本社への出勤に時間がかかる人や通勤時間を削りたい主婦の人にとってはとても助かる存在です。

しかし、支店や支社とはどのように違うのでしょうか。本記事では、サテライトオフィスの意味やオフィスの種類、類語、英語などについてもわかりやすく紹介します。

「サテライトオフィス」の英語は「satellite office」

「サテライト」は英語で「satellite」と表記し、次の意味をもつ単語として使われています。

・衛星
・人工衛星
・衛星テレビ
・衛星都市
・従者
・お供
・衛星の
・衛星中継する

「衛星」に関連する言葉に使われることが多い「satellite」は、熟語としてはこのようなものがあります。

・satellite antenna
(衛星アンテナ)
・satellite camera
(衛星カメラ)
・artificial satellite
(人工衛星)
・GPS satellite
(GPS衛星)
・satellite around the earth
(地球を周回する衛星)

英語を見ると「サテライト+オフィス」で「衛星+事務所」となり、日本語で使われている意味とは異なります

なお、働き方の種類のひとつに「テレワーク」があり、コロナ渦の中でよく耳にするようになりました。しかし、この「テレワーク」も、日本では「在宅勤務」を指しているものの、英語圏での意味は異なります。

英語圏のワークスタイル

【Telework(テレワーク)】
午前中はオフィス、午後は自宅で仕事をするなど、オフィスワークがメインだが、オフィス以外でも働くことがある。
【Remotework(リモートワーク)】
完全にオフィス以外、もしくは、オフィスで働くこともあるが、オフィス以外がメインという働き方。
【Mobile work(モバイルワーク)】
自宅以外の場所でも働くことがある場合に使う言葉。
【Telecommute(テレコミュート)】
完全に通勤時間を無くして働ける場合の呼び方。

しかし、会話の中では「~で働きます」という表現をするのが一般的です。

例文
I will work from home today.
(今日は自宅で働きます)

日本語においての「サテライトオフィス」とは

日本においては、「本社から離れたところにあるオフィス」の意味で使われますが、本社を惑星に見立てた場合、その周りに衛星のように存在するオフィスということで「サテライトオフィス」と呼ばれるようになったとされています。

また、「サテライトオフィス」は、設置場所やオフィススペースによって、「都市型」「郊外型」「地方型」に分類されます

都市型

外回りが中心の営業職でも事務作業は必須業務です。そのような人のために、会社に戻らなくても事務作業ができるよう、都市部に設置されたオフィスを指します。

郊外型

大都市の郊外にある、ベッドタウンと呼ばれる地域に設置されているオフィスを指します。ベッドタウンには、時間をかけて都市に通勤している人が多く居住しています。しかし、育児や介護で通勤が困難になる場合があるため、このような形態のオフィスを設置する企業もあります。

地方型

都市に本社を構える企業が、人口が少なめの地方に設置する形態です。地方の活性化や雇用の促進にも貢献できるとされるため、地方自治体が誘致を行っているケースもあります。

「サテライトオフィス」と「支店」の違い

「支店」は、本社からは離れていますが、運営のための予算は本社とは別で組まれており、独立した事務所としての機能をもっています。一方、「サテライトオフィス」は、電話、インターネット回線など、仕事をする上で最低限必要な設備のみを有しており、独立した事務所としての規模ではないのが一般的です。

また、現在の日本では、本社や支店のほかで働く方法として、「サテライトオフィス」以外に「モバイルワーク」や「在宅勤務」があります。

【サテライトオフィス】
本社や支店以外の小規模オフィスで働くこと。
【モバイルワーク】
ノートパソコンやタブレットを使用し、移動中、商談の合間に仕事をすること。
【在宅勤務】
オフィスに出勤せず、自宅でノートパソコンやタブレットを使用して仕事をすること。

「サテライトオフィス」のメリット・デメリット

「サテライトオフィス」の存在が理解できると、いいことばかりのような気がしますが、実はデメリットもあるんです。ここでは、代表的なメリットとデメリットを少しまとめてみました。

メリット

・通勤時間を考慮することなく、地方の人材を採用できる。
・育児や介護が必要な従業員も働ける。
・独立した支店を設置するよりもコストを安くできる。
・通勤時間や帰社時間にかけていた時間を有効に使える。
・時々働く場所を変えることで気分転換ができる。

デメリット

・本社の従業員と直接会わないため、コミュニケーションが取りづらい。
・オフィスの管理者がいないため、セキュリティがおろそかになりがち。

「サテライトオフィス」の使い方・例文

「サテライトオフィス」はオフィスの形態なので複雑な使い方はありませんが、イメージしやすい会話例を紹介しておきます。

例文

サテライトオフィスを設置してくれたおかげで通勤時間が30分も短くなった。
・営業スタッフの残業がかなり目立つため、事務作業がしやすいようサテライトオフィスを設置することにした。

総務省の事業「おためしサテライトオフィス」

総務省では、サテライトオフィスオフィスを検討している企業や団体のために、「おためしサテライトオフィス」というプロジェクトを実施しています。ホームページでは、キーワードや地図から場所を検索することができます。
(参照元:総務省 おためしサテライトオフィス

おためしサテライトオフィス事業事例

【株式会社えんがわ】
デジタルコンテンツサービス企画、映像メタデータ運用を行う、株式会社プラットイーズが設立したサテライトオフィスです。東日本大震災をきっかけに、放送事業が東京一点集中にならないよう、リスク回避の一環として、東京から離れた場所へのサテライトオフィス設置を決めました。
(参照元:総務省おためしサテライトオフィス/株式会社えんがわin徳島県神山町

「サテライトオフィス」の類語・言い換え

「サテライトオフィス」の類語や言い換え表現は、特に決まったものはありませんが、日本においては「リモートワーク」や「テレワーク」が似た意味をもつ言葉として使われています。意味は前述しているので参考にしてください。

【番外編】そのほかの「サテライト〇〇」

日本には、サテライトオフィス以外にも「サテライト〇〇」という名称のものが存在します。「サテライト」の意味をより深く理解するためにもぜひ参考にしてください。

サテライトスピーカー

商業施設やお店の中なので、天井から吊るされたスピーカーがあります。このようなスピーカーを「サテライトスピーカー」といいます。

サテライトクリニック

交通の便の悪い大病院が、利便性の高い駅の近くなどに小さな診療所を設置しているところがあります。このような形態の診療所を「サテライトクリニック」といいます。

働き方改革をするなら「サテライトオフィス」導入も検討してみよう

通勤時間は長ければ長いほど生活に負担がかかります。そのために退職や休職をする従業員が増え、それが問題となっているならば、新しい人材確保も一つの方法ですが、「サテライトオフィス」の設置もぜひ検討してみてください。