キャッチアップとは?英語や言い換えは?ビジネス・経済・医療における意味を解説

キャッチアップとは「追いつく」のこと

キャッチアップの意味は、簡単にいうと「追いつく」や「追いかける」となります。何か先行しているものや、自分ができていない事柄があり、それに追いつくことを指します。

意味はそれほど難しくありませんが、キャッチアップという言葉を使う業界は多岐にわたります。業界によって使用シーンや意味合いが変わってくるため、イメージをつかんでおく必要があります。

【業界別】キャッチアップの意味

まずは業界別にキャッチアップの意味と使い方をお伝えします。基本的には「追いつく」「追いかける」のニュアンスがあります。「追い抜かす」という意味はありません。

ビジネスでは「遅れを取り戻す」

ビジネスでは、周囲と比べて仕事が遅れている場合に、その遅れを取り戻すことを指します。例えば、仕事を休んだり、会議に参加できなかったりしたときは、周囲に聞く、議事録を確認するなどして、キャッチアップする必要があります。

そのほか、誰かのレベルに追いつきたい、ブランクを埋めたい、経験が浅く早く仕事を覚えたい、最新情報が知りたいといった場面でもキャッチアップということができます。すでに何か遅れが生じていることが前提になります。

また、上司と部下で仕事の意見交換、進捗の確認などをする際に「キャッチアップミーティング」という場合があります。

IT用語では「記事を既読にする機能」

ニュースグループの記事を読む際に、未読の記事をすベて既読にすることを指します。古い未読の記事をとばして、新しい記事に「追いつく」という意味でキャッチアップといいます。

経済用語では「水準が追いつくこと」

経済の発展や技術水準が、他国に追いつくことをキャッチアップといいます。発展途上国が先進国の水準に追いつくことなどが挙げられます。

また、国際ある企業が先進的な企業の知識や技術を吸収し、追いつくことは「キャッチアップ型経済」や「キャッチアップ戦略」といいます。

放送用語では「再放送」

テレビやインターネットで放送、配信した番組を、再放送することをキャッチアップといいます。「キャッチアップ放送」や「キャッチアップ配信」といわれています。

ただ、近年はインターネットでの「オンデマンド放送」が増加し、キャッチアップという言葉や概念自体があまり使われなくなっています。

医療ではいくつかの専門用語がある

医療用語では「キャッチアップ現象」というものがあります。キャッチアップ現象とは、赤ちゃんや子どもの成長が遅い場合に、あとから成長が加速して身長や体重などが追いつくことです。

また、「キャッチアップ障害」とは、卵子を卵管に取り込む過程の障害で、卵管采が機能しないことです。卵子をうまくキャッチできない状態です。

予防接種に関して、接種忘れや接種漏れなどがあった場合に、追加接種を行うことは「キャッチアップ接種」といいます。

水泳では「クロールの泳ぎ方」

水泳では「キャッチアップクロール」という泳ぎ方があります。初心者向けの泳ぎ方で、前の方で両手を短い時間だけそろえます。右腕が先に伸びているところに、左腕が追いつき、また右腕のストロークが始まるため、キャッチアップといいます。

例文
・今日はミーティングに参加できなかったので、議事録を読んでまずはキャッチアップが必要だ。
・まだ同期入社の田中さんにキャッチアップできていない。
・私の年齢で異業種に挑戦してキャッチアップするのは難しいかもしれない。
・変化するトレンドをキャッチアップできるから、この雑誌を気に入っている。

キャッチアップの英語

キャッチアップの英語は「catch up」です。日本語と同じように「追いつく」「遅れを取り戻す」といった意味があります。

よく使用するのは、しばらく会っていなかった友達にお互いの近況を話すときです。積もる話もあるし、友達と会って「近々、キャッチアップしなきゃ!」というときには「We have to catch up soon!」と表現できます。

ちなみに、「keep up」という表現になると、すでに遅れが生じている事柄に対して追いつくのではなく、「遅れないようについていく」というニュアンスになります。

キャッチアップの類語・言い換え表現

キャッチアップと同じ意味をもつカタカナ語はありませんが、次の日本語に言い換えることはできます。

類語・言い換え表現
・追走
・追尾
・猛追

「追走」は走って追いかける。「追尾」はあとを追いかける。「猛追」は激しく追いかける。それぞれニュアンスが異なるので、場面に合った言葉を選ぶ必要があります

【おまけ】楽曲「Catch up, latency」の意味

2018年にリリースされたUNION SQUARE GARDENの楽曲に「Catch up, latency(キャッチアップレイテンシー)」があります。レイテンシーにはデジタル機器などの「遅れ」のような意味があります。つまり、直訳すると「遅れに追いつけ」となります。

キャッチーな曲なので、ご興味があればどんなメッセージが込められた楽曲なのかチェックしてみてください。

キャッチアップは幅広い場面で使える言葉

ビジネスや経済に関する話題だけでなく、ITや医療など幅広い分野でキャッチアップという言葉が使われています。また、日常的にも「流行のキャッチアップ」のように使用することができるので、意外と使用できるチャンスは多いです。ぜひキャッチアップという言葉を活用してみてください。