「ご指導ご鞭撻」とはどんな意味?上司に使える?言い換え語や英語も解説

「ご指導ご鞭撻」とはどんな言葉?

「ご指導ご鞭撻」の意味は、「教え導き、努力するように強く励ますこと」です。

類語は、「お導き」「ご教授」「ご指南」「ご教示」。

英語で表すときは、「Thank you for your continued support.」「I look forward to working with you.」を使ってください。

「ご指導ご鞭撻」の意味は?読み方は?

「ご指導ご鞭撻」は「ごしどうごべんたつ」と読み、次の意味を表します。

ご指導ご鞭撻
教え導き、努力するように強く励ますこと

「指導」は「ある目的・方向に向かって教え導くこと」という意味。「鞭撻」は、「むちで打ってこらしめること」と「努力するように励ますこと」の2つの意味をもっており、「間違った道に進もうとしたら厳しく戒め、強く励ますこと」のようなニュアンスで使われます。

この「指導」と「鞭撻」をくっつけた「ご指導ご鞭撻」は、未熟な自分を「正しい方向に教え導き、間違った道に進もうとしたら厳しく戒め、強く励ますこと」を相手にお願いする表現です。

「ご指導ご鞭撻」は上司や取引先の相手、先生に使える?

結論から先にいうと、「ご指導ご鞭撻」は正しい敬語なので、上司や取引先の相手、先生に使えます。

「ご指導ご鞭撻」は、「指導」と「鞭撻」に丁寧なニュアンスを付け加える接頭語の「ご」をつけた言葉です。

接頭語の「ご」は、相手に関する言葉につくときは尊敬語、自分に関する言葉につくときは謙譲語になります。

「ご指導ご鞭撻」は、相手に自分を指導し励ましてくれるようにお願いするときに使う言葉でしたね。指導したり励ましたりするのは相手なので、「ご指導ご鞭撻」は尊敬語になります。

「ご指導」と「ご鞭撻」に2つ「ご」がついていることが気になるかもしれませんが、これは別々の言葉に「ご」がつけられているので間違いではありません。どちらかの「ご」を省略して使用することもないので、このままの表現で覚えておきましょう。

「ご指導ご鞭撻」はどんなときに使う?

「ご指導ご鞭撻」は、次のようなシチュエーションでよく使われます。対面での挨拶のほかにメールの文面で用いることも可能です。

初対面の挨拶として
・新しい職場での自己紹介
・新しい取引先や顧客への挨拶
「今後ともよろしくお願いします」というニュアンスで
・プロジェクトがひと段落したときの打ち上げの挨拶
・クレームへの謝罪
・目上の相手に贈る年賀状の挨拶文

「ご指導ご鞭撻」の注意点

「ご指導ご鞭撻」は、中長期的なスパンで、とくにこれという内容を指定することなしに、何かあったら自分を導いてほしいというニュアンスがあります。

そのため、今すぐ指導してもらいたい場合や、教えてもらいたい具体的な内容が決まっているときには向きません。

また、今後も相手との関係が続くだろうという前提のもとで使う表現のため、会社を辞めるときの挨拶など、相手ともう二度と会うことがないと予想されるシチュエーションでは使用できません。

「ご指導ご鞭撻」の使い方を例文で学ぼう

「ご指導ご鞭撻」の意味や注意点がわかったら、ビジネスシーンでの使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文1
より一層仕事に精励いたす所存ですので、今後とも変わらぬご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
例文2
この度は貴重なご指摘をいただき、誠にありがとうございます。〇〇様のご期待に沿えるよう努力して参りますので、今後とも変わらぬお引き立てとご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
例文3
社員一同気持ちを新たにより質の高いサービスの提供に努めて参りますので、今後ともご指導ご鞭撻いただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
例文4
不肖の身ではございますが今まで以上に職務に邁進して参りますので、皆さまの更なるご指導ご鞭撻を賜れますと幸いです。
例文5
若輩者ではありますが皆様にご迷惑をかけないよう精一杯尽力しますので、ご指導ご鞭撻をいただきますよう、謹んでお願いいたします。

「ご指導ご鞭撻」の類語・言い換え表現

「ご指導ご鞭撻」の類語は、「お導き」「ご教授」「ご指南」「ご教示」です。それぞれの意味や使い方もおさえておきましょう。

お導き
【意味】
・案内すること
・指導を与えること

【例文】
皆様からの暖かいお導きのほど、よろしくお願い申し上げます。

ご教授
【意味】
高度な学問や技能を教えて伝える

【例文】
新規ビジネスへ参入する方法や注意点について、ご教授いただければ幸いです。

ご指南
【意味】
・武術や芸能などを教え示すこと
・専門的な技術やノウハウなど指導すること

【例文】
接待の席での作法をご指南ください。

ご教示
【意味】
比較的軽い内容の情報を教え示す

【例文】
改善点などお気づきの点がございましたら、ご教示いただきたく思います。

「ご指導ご鞭撻」は英語だと?

「ご指導ご鞭撻」はそのまま英語に訳すと、「your guidance and support(あなたの指導とサポート)」や「your guidance and encouragement(あなたの指導と励まし)」となります。しかし、「ご指導ご鞭撻」はとても日本的な表現のため、英語圏の人にはそのまま訳してもニュアンスが伝わりません。

そのため、「ご指導ご鞭撻」に似た意味合いを英語で表すときは、次のような表現を使います。

「ご指導ご鞭撻」の英語表現
Thank you for your continued support.:引き続きよろしくお願いいたします
I look forward to working with you.:今後ともよろしくお願いします

「ご指導ご鞭撻」をうまく使おう

「ご指導ご鞭撻」は、自己紹介の挨拶からクレーム対応の謝罪まで、幅広いシチュエーションで使用できる便利な敬語です。

しかし、「ご指導ご鞭撻」が向かないシチュエーションもあるため、似たニュアンスをもつ類語と使い分けする必要もあります。

「ご指導ご鞭撻」と類語をあわせて頭に入れておき、うまく使えるようになりましょう。