「運びとなりました」の意味は?多用は悪い印象を与える?例文、類義語、英語も紹介

「運びとなりました」とは「~することになりました」ということ

ビジネスシーンでも、特にかしこまった場面で耳にすることが多い「運びとなりました」は、「~することになりました」「~することが決定しました」を意味する言葉です。

「黒と白どっちにする?」「多数決で決める」といった決定時ではなく、「当初の予定とは違うけど、こういう結論に達しました」のニュアンスで使われます。

また、「運びとなりました」と混同しがちな「運びになります」もあるため、どのように使えばいいのか迷う人もいるでしょう。ここでは、「運びとなりました」が正しく理解できるよう、わかりやすく解説するとともに、使い方、類義語、英語表現についても紹介します。

「運びとなりました」の読み方・意味・語源

「運びとなりました」は、正しい読み方は、「はこびとなりました」です。「物事が進み、ある一定段階に至ること」を意味する「運び」と、「となりました」で成り立っており、文章の中では次のように使われます。

・~することになりました
・~することが決定しました

最初に決まったことがそのまま順調に進んで、ある結果に至ったというよりも、「最初に決まったこととは少し違いますが、〇〇に決定しました」の意味をもって使われます。

多用しないよう注意が必要!

「運びとなりました」は、途中でなんらかの変化が加わった場合に使うのが適しています。そのため、ビジネスシーンで多用すると「何回変更があったんだ!」と悪い印象を与える場合があります

「運びとなりました」の使い方・例文

ここでは、「運びとなりました」は、さまざまな場面で使われます。どのような会話に登場するのか、例文でチェックしてみましょう。

【例文1】結婚・退職・転職などの挨拶

・結婚が決まり、3月末で退職させていただく運びとなりました
・来年度より本社部長に就任させていただく運びとなりました
・急ですが、来週から関西支社へ転勤する運びとなりました

【例文2】サービス終了などの案内

・今年いっぱいでセキュリティサービスの無料提供を終了させていただく運びとなりました

【例文3】事業所や工場の新規設立や移転などの案内

・このたび、青森に新工場を設立する運びとなりました
・業務縮小のため、来年4月にB工場を閉鎖する運びとなりました

例文を見るとわかるように、ビジネスシーンにおいて、個人や会社としての大きな決定事項を報告する場合に「運びとなりました」を使います。

日常的な報告には使わない

「運びとなりました」は、一般的には大きな決定事項の際に使う言葉です。次のような個人のちょっとした報告には使わないので覚えておきましょう。

NGな使い方

・来週1週間、新婚旅行のため有給を使わせていただく運びとなりました
・今週末に引っ越しをする運びとなりました

「つきましては」とセットで使うことも多い

「運びとなりました」は、「~することになりました」と過去形の表現ですが、その結果、どのように進むのかや何を行うのかを説明することが多いです。その場合、「運びとなりました」のあとに「つきましては」を続けて話を進めます。

例文

来年3月をもって通販サービスを終了させていただく運びとなりましたつきましては、現在お持ちのポイントをサービス終了までにご利用いただけますようよろしくお願い申し上げます。

「運びとなりました」の類義語・言い換え表現

「運びとなりました」の類語や言い換え表現としては、次の言葉が使えます。状況に応じて使い分けをしてください。

決定されました

「決定」という言葉を使うとより断定的なニュアンスになります。しっかり「決まった」と伝えたい場合は、「運びとなりました」よりも適しているといえます。

変更/変更されました

何か変化が加わる場合には「変更されました」が使えます。たとえば、発送元が変更になる場合は次のようになります。

・現状A工場から発送の商品は、今後B工場からの発送にさせていただく運びとなりました
・商品の発送をA工場からB工場に変更させていただきました。

次第です(しだいです)

「次第」は、「状況」や「成り行き」の意味をもつ言葉です。そのため、「このような状況になっています」と伝えたいときや、理由などの説明をする場合に使えます。

先週の水害により、A工場が稼働を停止しております。現在他工場への生産切り替えを検討している次第です。生産再開までは約2週間を予定しております。

「運びとなりました」と「運びになりました」の違い

「~となりました」と「~になりました」は、同じ意味です。しかし、「~となりました」のほうがよりフォーマルな表現で、文書に書く場合は特に「~となります」が適しています。

「運びとなりました」の英語表現

「運びとなりました」を英語で表現する場合、「decided(=決定しました)」「come to a conclusion that~(=~という結論に至る)」が使えます。

・We have decided to move into the new office.
(私たちは新オフィスへ移転する運びとなりました。)
・I come to a conclusion that I retired.
(私は退職する運びとなりました。)

「運びとなりました」の意味を理解し正しく使おう!

「運びとなりました」は堅苦しい言葉のようなイメージはありますが、ビジネスシーンではよく使われる言葉のひとつです。

ただ「決まりました」というのではなく、「当初の予定からは少し変わったが、このたび決定に至った」状況を表わすのに適しているので、必要に応じて使ってみてください。