「リソース」とは「資源」「財源」のこと
「リソース」とは、「資源」や「財源」を意味する言葉ですが、分野によって資源となるものは異なります。そのため、各分野で何を指して「リソース」と呼んでいるのかを把握しなければなりません。
本記事では「リソース」の意味や使い方のほか、関連語、類語、言い換え表現、英語表現についてもわかりやすく紹介します。
「リソース」の英語は「resource」
「リソース」は英語で「resource」と表記し、日本でカタカナ用語で使われている「リソース」とほぼ同じです。
・資源
・財源
・財産
・供給源
・資金
・要員
・(万一の場合の)頼み など
しかし、日本語とは違い、「リソース」が指すものが「資金」なのか「要員(人員)」なのか「供給源」なのかは会話の内容や状況から判断しなければなりません。
・We have limited resources.
(リソースが限られている)
このような言葉を聞いたとき、予算の話をしているときは、限られているのは「リソース=資金」であり、人員の話をしているときは「リソース=要員」になります。
ほかの使い方(熟語)も少し紹介しておきます。
・resource an organization
(組織に資金を調達する)
・resource avaiable from~
(~から得られる資源)
日本語においての「リソース」とは
日本語の中で使われる「リソース」は、一般的なビジネスシーンとIT分野では意味や使い方が異なるので、それぞれを正しく把握しておかなければなりません。
意味その①:ビジネスシーン
ビジネスシーンにおいての「リソース」とは、パソコン、事務用品、従業員、資金など、いわゆる「人・物・金」といった経営に必要不可欠は資源全般を指しています。会話の中では「リソース不足」「リソースを割く」「リソース確保」といった使い方をよくしますが、意味は次のとおりです。
【リソース不足】
資源・資金などが不足していること。
【リソースを割く】
リソースが資金を指しているのであれば、資金全体の中の一部を割り当てること、リソースが人員を指している場合は、全スタッフの中の一部のスタッフを指しています。
【リソース確保】
材料、資金、人員などを確保することを指しています。
・リソース確保をお願いしていましたが、基本的なパソコン操作ができる人を割り当ててもらいたかったです。
・リソース不足で、新工場の建設は再来年以降になりそうだ。
・少し高額になるのですが、開発に必要な機器を購入したいのでリソースを割いてもらえませんか?
意味その②:IT分野
IT分野においてのリソースは、主にコンピューターのハードウェアに対して使われることが多く、「作業をするために必要とする能力や容量」を指しています。そして、IT分野の中でも「outlook」と「ゲーム」では、また違った意味合いで使われています。
「ゲーム」においてのリソース
RPG、パズルゲームなど、現代ではさまざまなゲームが配信されていますが、それらゲームの中で使う、アイテム、ポイントといった資源を「リソース」と呼んでいます。
「outlook」においてのリソース
Microsoftのメールソフトである「outlook」には、「リソース機能」というものがあります。これは、テレビ会議システムや会議室など、会社の中で共有利用するものを一括管理できるようにしたシステムで、業務効率をアップさせるためにも使いこなせるととても便利です。
(参考:Microsoft リソース)
「リソース」の関連語
日本で使われているカタカナ用語の中には、「〇〇リソース」「リソース〇〇」といった関連語が存在します。ここでは、比較的よく使われるものをピックアップして紹介しておきます。
経営リソース
会社を運営していくうえで必要な、情報、お金、知的財産、人などをひっくるめて「経営リソース」と呼んでいます。わかりやすくいうと、経営に必要な「人・物・金」ということです。
外部リソース
すべての業務を社内で行う企業もありますが、人員を補充に人材派遣を使ったり、ホームページやオンラインショップの運営をITの専門会社に委託するところもあります。このような外部の人材やサービスのことを「外部リソース」といいます。
ヒューマンリソース
「ヒューマンリソース」とは、「人的資源」のことで、わかりやすくいうと、企業ではたらく従業員を指します。会社は業務をこなしてくれる「人」がいなければ事業が成り立ちません。また、ヒューマンリソースの不足は、現時点で業務を遂行している従業員の作業負担が大きくなるため、現状に不満をもった人は退職するといった状況にもおちいるため、離職率のアップにもつながるといわれています。
リソースモニター
コンピューターは、ハードウェアもソフトウェアも容量には上限があり、使えなくなる前に対処するためには、現時点でどのくらい使用しているかを把握する必要があります。この、ハードウェアやソフトウェアの使用状況をリアルタイムでチェックできるシステムのことを「リソースモニター」といいます。
リソースマネジメント
「リソースマネジメント」とは、リソースを管理することを指しますが、この場合のリソースは主に「人材」についてのマネジメントを意味します。そのため、人事に関わる人はよく耳にする言葉です。
リソース管理
リソースである「人、物、金」は、足りているかの確認をしなければならず、不足すれば補充が必要です。こういった管理をすることを「リソース管理」といいます。
「リソース」の類語・言い換え
「リソース」にはさまざまな種類があるため、日本語で言い換える場合はこのような言葉があります。
・通信資源
・物的資源
・輸出資源
・情報資源
・人的供給源
・再生可能資源
・生産資源
・エネルギー資源 など
「リソース」と「アセット」の違い
「アセット」には、「利点」「長所」「資産」「財産」など、複数の意味がありますが、ビジネスシーンにおいては、「資産」「財産」の意味で使うことが多いです。特に、現金に加え、株式債券など、換金性の高いものを指します。
「リソース」にも「資産」や「財産」の意味はありますが、現時点や近い将来に消費するもの対象としている一方、「アセット」は、現時点での価値だけでなく、先々大きな価値を生む可能性のあるものも含みます。
リソース不足に気づいたら早めに対処しよう
どんなに小さな組織でも、事業を進めるのに最低限必要なリソースがあり、そして、事業規模が大きくなればなるほど、その管理はとても重要なものになります。もし、リソース不足に気づいた場合は、業務に支障をきたす前に、早めに対処するようにしましょう。