揶揄とはどんな意味？侮蔑や比喩との違いは？使い方の例文や類語、対義語も解説

「揶揄」とはどんな言葉？

「揶揄」の意味は、「からかうこと」「なぶること」「嘲弄」です。

類語は、「揶揄う」「おちゃらかす」「おちょくる」「冷かす」「嘲り」。

英語で表すときは、「make fun of」「poke fun at」「razz」「banter」「mock」「ridicule」を使ってください。

「揶揄」とはどんな意味？読み方は？

「揶揄」の読み方は「やゆ」。「揶揄う」と書いた場合は「からかう」、「揶揄い」は「からかい」と読みます。

「揶揄」は次の意味をもつ言葉です。

「なぶる」とは「弱い立場の者などをおもしろ半分に苦しめたり、もてあそんだりする」「からかってばかにする」などの意味をもつ言葉。

「嘲弄」は「あざけってからかい、ばかにすること」を表します。

これらのニュアンスをもつ「揶揄」は、社会や人物などの対象をからかって面白おかしく扱うことを意味しています。そのからかいは、相手に対する悪意や皮肉を含んでいる場合が多く、「揶揄」という言葉にはマイナスのイメージがあります。

「揶揄」の語源

「揶揄」の語源ははっきりとはわかっていませんが、中国からきた言葉ではないかと考えられています。

その理由は、中国語には「からかう、あざける」を表す「揶揄：Yéyú（イェーユゥー）」という言葉があり、日本語の「揶揄」と意味も発音も似ているため、語源ではないかといわれているのです。

また、鎌倉時代に書かれたとされる軍記物語「平家物語」のなかでは、「抵抗する、争う」の意味で「揶揄う」が使われています。この「揶揄う」が「揶揄」の由来ではないかという説もあります。

「揶揄」と「侮蔑」の違い

「侮蔑（ぶべつ）」は、他者を見くだしさげすむことや、侮って馬鹿にし軽蔑することの総称です。

「侮蔑」のなかで、あからさまに馬鹿にするのではなく、皮肉を込めて遠回しに批評することを「揶揄」といいます。

「揶揄」と「比喩」の違い

「比喩」は、ある物事を説明するときに類似しているもの、または関係しているほかの物事を借りてたとえること。

「からかうこと」を意味する「揶揄」とはまったくニュアンスが異なります。

「揶揄」と「比喩」は、どちらも書き方が難しい言葉です。とくに「揶揄」の「揄」と「比喩」の「喩」は、漢字の形が似ているので、書き間違えないように気をつけてください。

「揶揄」の使い方を例文で学ぼう

「揶揄」の意味がわかったら、次は言葉の使い方を例文でイメージしてみましょう。

「揶揄」の類語・言い換え表現

「揶揄」の類語は、「揶揄う」「おちゃらかす」「おちょくる」「冷かす」「嘲り（あざけり）」です。それぞれの意味や使い方をおさえておきましょう。

「揶揄」の対義語

「揶揄」の対義語はありませんが、反対語に近いニュアンスで使われる言葉には、「感嘆（かんたん）」や「称賛（しょうさん）」があります。

「揶揄」は英語だと？

「揶揄」は英語では、「make fun of」「poke fun at」「razz」「banter」「mock」「ridicule」を使って表します。

表現や単語によって少し意味合いが異なるので、伝えたいニュアンスに近いものを選んで使用してください。

「揶揄」をしっかり理解しておこう

「揶揄」は「からかうこと」を意味する言葉です。相手を馬鹿にするニュアンスを含んだ、ネガティブなイメージがある言葉でもあります。

マイナスの意味合いで使うことが多いため、ビジネスやプライベートの会話ではあまり使用する機会はないかもしれません。しかし、新聞やニュース、本などではよく用いられています。

「揶揄」をしっかり理解し、正しいニュアンスを読み取れるようになりましょう。