「随時」とはどんな意味?使い方や適宜、逐次、都度などとの違い、類語も解説

「随時」とはどんな言葉?

「随時」の意味は、「その時々」「好きなときにいつでも」です。

類語は「時折」「時機に応じて」。反対語は「定例」「定時」です。

英語で表すときは、「as needed」「as necessary」「at any time」などの表現を使います。

「随時」とはどんな意味?読み方は?

「随時」の読み方は「ずいじ」。次の意味をもつ言葉です。

随時
・ほどよいときに行うさま。その時々
・日時に制限のないさま。好きなときにいつでも

ビジネスでは、「状況に合わせて」や「いつでも必要に応じて臨機応変に」のような意味合いで使われることが多いです。

「随時」の語源

「随時」のニュアンスは、言葉を作っている漢字の意味を考えるとより理解しやすくなります。

①他人の後にそのままついていく。したがう。ともにする
②思いのまま。言いなりになる。成り行きにまかせる
①とき。月日のうつりかわり。季節のうつろい。一日の区分
②そのとき。そのころ。おり
③時間の単位

「随」と「時」を組み合わせた「随時」は、「成り行きを見ながら、自分の思い通りのタイミングに」というニュアンスを表します。規則性や順序性をもたず、型にとらわれることもなく不定期なのが「随時」です。

「随時」と間違いやすい言葉

「随時」には、意味を間違いやすい言葉がいくつもあります。それぞれの言葉のニュアンスの違いをおさえておきましょう。

「適宜」と「随時」の違い

「適宜(てきぎ)」は次の意味をもつ言葉です。

適宜
・状況によく合っていること。そのさま。適当
・便宜に従うこと。その時々に応じて、各自の判断で行動するさま

「適宜」は適切なタイミングを見極めて、対処することを意味する言葉。「随時」は、自分の都合のいいタイミングで対応することを表す言葉です。

「随時」と「適宜」は、何かをするタイミングを臨機応変に決めるというところは共通しています。

しかし、2つの言葉には違いもあり、「適宜」といった場合はそのときに「何をどのように行うか」までも臨機応変に変更されます。

「都度」と「随時」の違い

「都度」は次の意味をもつ言葉です。

都度
そのたびごと。毎回

「都度」は、何かがあるたびごとに毎回特定のことを行うときに使う言葉です。

「随時」には「毎回」のニュアンスはなく、やるときもあればやらないときもあります。

例えば「メニューを試作し、その都度試食会を開く」なら毎回試食会を開いているという意味ですが、「随時試食会を開く」だと毎回ではなくその時々でやったりやらなかったりするというニュアンスになります。

「常時」と「随時」の違い

「常時」は次の意味をもっています。

常時
・特別なことがなく過ごしている普通のとき。平常のとき
・日常ごく普通であるさま。また、習慣化して、そうなりがちであるさま。いつも。しょっちゅう

「常時」は、「いつも」それをしていて、していることが普段の状態になっているときに使う言葉です。

「随時」は、状況に合わせて好きなタイミングでそれを行いますが、「いつも」しているわけではありません。

「逐次」と「随時」の違い

「逐次(ちくじ)」は、次の意味をもつ言葉です。

逐次
一つひとつ順を追って次々に対応していくさま

「逐次」は物事が進むときの順序があり規則的に行われるときに使うのに対し、「随時」には順序性がなく、好きなタイミングで行われます。

「逐一」と「随時」の違い

「逐一(ちくいち)」は、次の意味をもっています。

逐一
順を追って、ひとつ残らず取り上げていくこと。何から何まで全部。いちいち

「逐一」は、順番にすべてのものに対してひとつ残らずそれをするときに使う言葉です。

「随時」といった場合は、順番にやるわけではなく、すべてのものに対してそれを行うわけでもありません。

「随時」の使い方を例文で学ぼう

「随時」の意味がわかったら、次は言葉の使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文
・教室の見学や入会は随時受付しております。
・予約の空き状況は随時確認してください。

相手の行動を促す文脈で「随時」を使うときは、「あなたの好きなタイミングでいつでも」というニュアンスになります。

例文
・先方と随時連絡を取り情報共有している。
・ガイドラインは必要に応じて随時改定されます。
・在庫数は随時更新します。

自分側の行動に対して「随時」を用いるときは、「日時に制限を設けずその時々に」という意味になります。

例えば、「随時連絡」とは「日時に制限を設けずその時々に連絡する」という意味です。

「随時」の類語・言い換え表現

「随時」の類語は、「時折」「時機に応じて」です。それぞれの意味や使い方をみてみましょう。

時折
【意味】
ときどき。折々。ときたま。ときより

【例文】
公式サイトでは、お得な掘り出し物が時折アップされることも。ぜひチェックしてみてください。

時機に応じて
【意味】
物事が定期的でなく、その場の状況などによって行われるさま

【例文】
ランチのメニューは、時機に応じて変更されます。

「随時」の反対語

「随時」の反対語は「定例」「定時」です

定例
【意味】
・定まったならわし。前々からきまっているしきたり
・定期的に行なわれること。継続的に行なわれる事柄で、あらかじめ、その日時などに規定のあるもの
・決まっていて、まちがいのないこと。必ず

【例文】
明日は定例の会議が予定されている。

定時
【意味】
・一定の時刻。定刻
・一定の時期。定期

【例文】
会社に定時連絡を入れる。

「随時」は英語だと?

「随時」を英語で表すときは、「as needed」「as necessary」「at any time」などの表現を使います。

「随時」の英語
as needed:必要に応じて。随時
as necessary:必要に応じて。必要次第
at any time:いつでも。どんなときでも

「随時更新します」を英訳するときは、これらを用いて次のように表現できます。

随時更新します
We will update the information as needed.:必要に応じて情報を更新します。
We will update the information as necessary.:必要に応じて情報を更新します。

「随時更新します」は、ほかに「We will keep you updated.(随時連絡します)」と表すこともできます。

随時血糖値とは

随時血糖値は、食事の時間と採血の時間の関係を考えずに測定する血糖値のことです。

随時血糖値に対して、朝食をとる前に測定された血糖値は、空腹時血糖と呼ばれます。

空腹時血糖で、約70~100mg/dlが血糖の正常値といわれています。空腹時血糖が126mg/dL以上、随時血糖が200mg/dL以上の場合は基準値を超えているとみなされ、「糖尿病型」と診断されます。

「随時」をうまく使おう

「随時」は、「その時々」「好きなときにいつでも」の意味をもつ言葉です。

ビジネスでよく用いられる言葉で、文脈によってどちらのニュアンスになるかが変わってきます。

「随時」の意味や使い方を頭に入れておき、うまく使いこなせるようになりましょう。