マストとはどんな言葉?ビジネスでの意味や使い方の例文、英語も解説

マストとはどんな言葉?

マストの意味は、「~しなければならない」「必須である」「欠かせない」です。

類語は、「外せない」「必要不可欠な」「必要欠くべからざる」。対義語は、「なくていい」「必要ではない」「必須ではない」です。

マストを英語を表すときは、「must」「necessary」「have to」「essential」「indispensable」を使ってください。

マストとはどういう意味?

マストは次の意味をもつカタカナ語です。

マスト
・~しなければならない
・必須である
・欠かせない

マストは、ビジネスでは「絶対に必要なこと」「絶対に外せない用件」「絶対に譲れない条件」など、強制的であり義務的なニュアンスで使われることが大半です。

ただし、人に何かをすすめる文脈で「マスト」が用いられる場合は強制や義務のニュアンスが弱まり、「これがおすすめですよ」というような柔らかい意味合いになります。

若者言葉では、「マスト」は「欠かせない」の意味で使用されるケースが多いです。

マストは英語だと?意味は同じ?

「マスト」は、英語の「must」からカタカナ語になった言葉です。

must
・(義務によって)~しなければならない、~する必要がある
・~せざるを得ない、~しないと気がすまない
・~に違いない、~のはずだ
・(丁寧な勧誘)是非~してください
・不可欠なもの、必需品、必須のもの
・絶対必要な、なくてはならない、必需の

カタカナ語のマストは、「~せざるを得ない」や「~に違いない」の意味で使うことはないため、英語の「must」と違いもあります。

また、「must」のほかにも次のような表現が、マストの言い換えに使用できます。

英語のマストの言い換え
necessary:必要な、なくてはならない(「must」よりは強制や義務のニュアンスが弱い)
have to:~しなければならないと感じる、~する必要がある(「must」よりは強制や義務のニュアンスが弱い、necessaryよりも口語的)
essential:本質的に必要不可欠な(欠けてしまうと本来の状態ではなくなってしまう、何より重要というニュアンス)
indispensable:必要不可欠な(それがないと何かを達成したり存在するのが困難になるという強いニュアンス)

伝えたいニュアンスに近い用語を選んでください。

マストの使い方を例文で学ぼう

マストの意味がわかったら、次はカタカナ語としての使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文
・駅から多少離れていてもいいので、日当たりの良さはマストでお願いします。
・今年マストなレディースアウターを紹介する。
・この業種の採用に英語能力はマストではないが、あったほうが良い。
・赤ワインのおつまみにサラミはマストだ。

例文で登場した「マストではない」は、「絶対に必要な条件というわけではない」という意味です。

覚えておきたいマストの関連語

マストとほかの言葉を組み合わせた関連語もよく使われています。どのような言葉があるかおさえておきましょう。

マストハブの意味

マストハブの意味は、「欠かせないもの」「持つべきもの」

英語でも通じる表現です。英語の「must-have」の意味は、「必需品」「どうしても欲しい」「必要な」。

ただし、マストハブは日本で広く一般的に使われているといえるほどメジャーな表現ではありません。相手に通じない可能性もあるので、そのときは、日本語の意味に言い換えることをおすすめします。

マストアイテムの意味

マストアイテムの意味は、「欠かせないもの」「絶対に必要なもの」「必需品」。マストアイテムは和製英語です。

英語の「must」は助動詞として使うことが多く、助動詞の後ろは「動詞の原形」がくるため、「must」に「item(アイテム:名詞)」をつなげると文法的におかしな表現になります。

英語圏の人に「must item」というと、アイテムを買うのか売るのか、はたまた持っていくのか、何をしたらいいのかわからなくて困るという事態になるので注意してください。

マストバイの意味

マストバイの一般的な意味は、「必ず買うべき」です。

テレビ局の話の場合は、「マストバイ局」を意味します。「マストバイ局」は、全国ネットに指定された番組をすべてネットしなければならない放送局のこと。

「必ず買うべき」は英語だと「must-buy」と書き、これは英語でも通じます。「must-buy」は、「買わなきゃ損をする商品」「買わなきゃ損な」という意味です。

マストダイの意味

マストダイの意味は、「まじ死ぬ」「死すべし」です。

カタカナ語としてはあまりメジャーではないので、相手に通じない可能性もあります。

マストダイは英語だと「must die」で、これは英語でも使われている表現です。「must die」は、「必ず死ぬ」「死を免れない」「死ななければならぬ」という意味。

マストの類語・言い換え表現

マストの類語は、「外せない」「必要不可欠な」「必要欠くべからざる」です。それぞれの意味と使い方を頭に入れておきましょう。

外せない
【意味】
必要不可欠であるさま

【例文】
外国人観光客向けに、絶対外せない日本の観光スポットを紹介する。

必要不可欠な
【意味】
とても必要で欠かすことができない

【例文】
社会人に必要不可欠なマナーを身につける。

必要欠くべからざる
【意味】
ぜひとも必要である。なくてはならない

【例文】
金融リテラシーは、これからの時代を生き抜くために必要欠くべからざるスキルだ。

マストの対義語

マストの対義語は、「なくていい」「必要ではない」「必須ではない」です。次のように使います。

例文
・会社の大掃除の日は、汚れるからスーツを着てこなくていい。
・この施設は、介護が必要ではない人の利用を想定している。
・チップが必須の国とチップが必須ではない国がある。

船の話でのマストの意味

船の話でマストが使われた場合、マストは「船の帆柱」という意味になります。

帆走機能をもたない船の信号旗や航海灯、レーダー、通信アンテナなどを取り付ける柱状の構造物や、荷役デリック(荷役作業用クレーンの一種)の直立した主柱もマストと呼ばれます。

「船の帆柱」は、英語だと「mast」と書きます。

マストや関連語の意味を理解しておこう

マストはビジネス、プライベートどちらでも接する機会が多い言葉です。マストとほかの言葉を組み合わせた関連語もよく使われます。

頻繁に耳にする言葉なので、しっかり意味や使い方を理解しておきましょう。