ホスピタリティとはどんな言葉?意味や使い方、ホスピタリティが高くなる方法も解説

ホスピタリティとはどんな言葉?

ホスピタリティの意味は「心のこもったもてなし」です。

ホスピタリティを言い換えられるカタカナ語はありません。マナーやサービスがホスピタリティと混同されることがありますが、この2つは本質的にはホスピタリティの対義語に近く、異なる意味をもつ言葉になります。

ホスピタリティを英語でいう場合のスペルは「hospitality」です。

この記事では、ホスピタリティや区別が難しい関連語についてわかりやすく解説していきます。

ホスピタリティの意味は「心のこもったもてなし」

ホスピタリティは次のような意味で使います。

ホスピタリティ
・心のこもったもてなし
・手厚いもてなし
・喜んで手厚くもてなすこと
・上記のようなもてなしをする精神

ホスピタリティのおもてなしは一方通行ではありません。もてなされた人が喜んだり、感謝の気持ちを伝えたりすると、もてなした人も嬉しくなりますよね。

もてなす側ともてなされる側の双方で喜びを共有できるのがホスピタリティです。

ホスピタリティーと表記する場合もあるので覚えておきましょう。

ホスピタリティの英語は「hospitality」

ホスピタリティを英訳するときは「hospitality」を使えばOK。次のような意味になります。

hospitality
・親切にもてなすこと
・手厚いもてなし
・もてなしの心
・歓待
・厚遇
・接待

「hospitality」の語源は、ラテン語の「hospes(客をもてなす主人)」または「hospics(客人などの保護)」といわれています。

主人は客人に無償で食事や寝る場所を提供し、対価を求めることなく客人を喜ばせようとしました。客の喜びを自分の喜びとして感じる、そんな自発的な行いが「hospitality」の本質です。

ホスピタリティとマナー、サービスの違い

ホスピタリティとマナー、サービスは似ているけれど意味が異なるため、言い換えには使えません。それぞれの正しいニュアンスと違いを把握しておきましょう。

ホスピタリティとマナーの違い

マナーは、礼儀作法や暗黙のルールのこと。

国や文化、民族などによってマナーとされる形式は変わってきます。しかし、相手に不愉快な思いをさせないための最低限のルールであるという点は、どこの国のどんなマナーでも共通しています。

マナーはTPOに応じてこのときはこうすべきという、ある程度決まった形があります。

対して、ホスピタリティにはそのような模範解答がなく、その時々で最善だろうという方法を模索しなければなりません。

ホスピタリティとサービスの違い

サービスは、それを提供する側と受ける側の立場が対等ではなく、上下関係がはっきりしているという特徴があります。

また、サービスには対価が発生します。サービスする側は対価と引き換えにされる側が求めている事柄をしてあげます。期待されていることをするため、そこに意外性はありません

一方、ホスピタリティは、提供する側とされる側に明確な上下関係はなく対等な立場です。ホスピタリティを提供する側は対価を求めず、思いがけないおもてなしで相手を喜ばせます。

サービスの先にホスピタリティがある

サービスは「こんなときには、こういうことをしましょう」というように、マニュアルが用意されている場合が珍しくありません。すべてのお客様に対して平等に、同じおもてなしで対応するのがサービスです。

対するホスピタリティは、お客様一人ひとりに向き合う行為。個々の異なる事情や要望をくみ取って、マニュアル化されたサービスでは対応できないおもてなしをします。

お客様がそこまでしてもらえるとは思っていない、サービスを超えた特別な対応をするのがホスピタリティです。

とはいえ、ホスピタリティをする側が苦しくなるような度を越したおもてなしをする必要はありません。おもてなしする側も幸せになることがホスピタリティでは重要です。無理なくできる範囲での最善のおもてなしを考えましょう。

ホスピタリティを高くするには?

現代のビジネス社会では企業にも、そこで働く従業員にも、ホスピタリティの高さが求められています。

ホスピタリティを高くする方法を学びましょう。

ホスピタリティが高い会社ってどんな会社?

人間は、自分が幸せでないと相手の気持ちを思いやることができないため、幸せを感じていない人はおのずとホスピタリティが低くなってしまいます。

実際、お客様からホスピタリティの高さを評価されている企業は職場環境がよく、社員が働くことに幸せを感じているところがほとんどです。

社員のホスピタリティ精神を育てたいなら、社長自らが社員をおもいやり、ホスピタリティ精神を発揮するのが一番の近道。

社長が率先して社員が気持ちよく働ける環境を作り、これぞホスピタリティだという見本をみせてあげましょう。

ホスピタリティが高い人になるには?

ホスピタリティが高い人になりたいと思ったら、次のような方法を試してみてください。

ホスピタリティを高める方法
・ここのホスピタリティはすごいと評判になっている企業のお客になってみて、優れたホスピタリティを肌で感じる
・ホスピタリティをテーマにしたビジネス書で勉強する
・知らない人や苦手な人と接する機会を避けず、相手が何を考えているかを察する練習をする

自分ならどんなおもてなしをするかイメージしたり、相手の気持ちを読み取る練習を繰り返したりすることで、ホスピタリティを向上させられます。

しかし、自分に余裕がないと相手の気持ちを思いやることができません。仕事に追われているなど切羽詰まった状態にいるならば、それをまず改善するところから始めましょう。

ホスピタリティの使い方を例文で学ぼう!

ホスピタリティのビジネス会話での使い方をイメージしてみましょう。

例文
ホスピタリティによる顧客満足度アップをはかろう。
・優秀な人材を集めるためには、ホスピタリティあふれる労働環境を作る必要がある。
ホスピタリティ向上は、我が社が早急に対策しなければならない重要な課題だ。
ホスピタリティに感動したお客様がリピーターになってくれる。
・あの飲食店は、ホスピタリティを感じるおもてなしで人気になっている。

ホスピタリティの類語・対義語

ホスピタリティには、カタカナの類語・対義語はありません。しかし、カタカナ語にこだわらなければ次のような言葉を類語・対義語として使うことができます。

ホスピタリティの類語
おもてなし:心のこもった最上級のもてなし
心遣い(こころづかい):その人のことを思ってあれこれ気を配ること。配慮。祝儀
気配り:相手を思いやって気をつけること。手落ちや失敗が起きないように、あれこれ気をつけること
歓待(かんたい):喜んで手厚くもてなすこと
厚遇(こうぐう):手厚くもてなすこと
優遇(ゆうぐう):手厚くもてなすこと。優先的に扱うこと
ホスピタリティの対義語
冷遇(れいぐう):冷淡な扱いをすること。不当に低い待遇
ぞんざい:いいかげんに物事をするさま。言動が乱暴で礼儀を欠いているさま
おざなり:物事をいいかげんにすませること。その場だけの間に合わせ
薄遇(はくぐう):人を冷淡な扱いでもてなすこと。親切心が欠けたもてなし。冷遇

ホスピタリティとあわせて関連のある言葉も覚え、社会人としての語彙を増やしましょう。

ホスピタリティを高めたいならこんな方法も

専門学校や検定試験を利用して、ホスピタリティを学ぶこともできます。興味のある人はチェックしてみてください。

ホスピタリティツーリズム専門学校

ホスピタリティツーリズム専門学校は、観光・サービス業界など特にホスピタリティが求められる業界で、即戦力として働ける人材を育成する専門学校です。

就職サポートにも力を入れており、高い就職内定率を誇っています。

ホスピタリティ検定

ホスピタリティ検定は、自分にどの程度ホスピタリティ精神があるかを確かめたい人におすすめの検定試験です。

3級と2級にわかれており、ホスピタリティを実践するために必要な基礎的な能力と、応用的な能力の有無を確認することができます。

ホスピタリティはすべての社会人に必要

ホスピタリティというと接客サービスや介護、医療の業界をイメージする人が多いかもしれませんが、ホスピタリティはそのほかの業界でも必要とされています。

例えば、職場でホスピタリティを意識して仕事上のやり取りをしていると、上司や部下、同僚との人間関係がよくなります。社外の人と合うことがない内勤の人だったとしても、ホスピタリティを心がけることは無駄にはなりません。

ホスピタリティの高い社会人を目指してみましょう!