不条理とはわかりやすくいうとどんな意味？例文や理不尽などの類語、対義語も解説

「不条理」とはどんな言葉？

「不条理」の意味は、「筋道が通らないこと」「良識や常識に反していること」です。

類語は、「理不尽」「非合理」「不合理」。対義語は「条理」です。

英語で表すときは、「absurd」を使います。

「不条理」とはどんな意味？読み方は？

「不条理」の読み方は「ふじょうり」で、次の意味で使われます。

「不条理」といわれる事柄では、物事の関係にものの道理や必然的な根拠がありません。仮にその物事の関係に何かしらの意味があったとしても、人間にその意味を理解することは不可能であり、すべての状況が偶然によってたまたまそうなっているようにしかみえません。

不条理なことの例

「運命の悪戯だから仕方がない」と無理矢理納得するしかない、どうしようもない事柄が「不条理」です。

例えば、今現在多くの人が実感している新型コロナウイルスの感染拡大によって巻き起こるさまざまな悪影響などが、不条理なことの例といえます。

また、戦争や災害に巻き込まれて大きな被害を受けてしまうことや、生まれる国によって生き方がほぼ決まってしまう現実は不条理。

歩道を歩いていただけなのに、突然の交通事故で命を奪われてしまう人がいることなども不条理です。

哲学での「不条理」の意味

哲学では、「人生に何の意義も見いだせない人間存在の絶望的状況」を意味する言葉として「不条理」が使われます。

フランスの小説家 アルベール=カミュ氏が、自身の作品のなかで「不条理」を独自の哲学的な解釈で使用したことで、この意味が広まったといわれています。

「不条理」の使い方を例文で学ぼう

「不条理」の意味がわかったら、次は言葉の使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文に出てくる不条理劇とは、「世界における人間の不条理さ」をテーマにした演劇です。

「不条理」の類語・言い換え表現

「不条理」の類語は、「理不尽」「非合理」「不合理」です。

しかし、これらの言葉は「不条理」と完全に同じ意味合いではないため、使い分けしなければなりません。それぞれの意味や使い方を頭に入れておきましょう。

「不条理」と「理不尽」の違い

「理不尽」は次の意味をもつ言葉です。

「不条理」と「理不尽」の意味はほぼ同じですね。しかし、両者のニュアンスには違いがあります。

「不条理」は、戦争や天災など個人の力ではどうしようもないほど、絶望的な状況で使われることが多いです。

「理不尽」は他者に筋道の通らない要求をされるなど、日常的に起こりがちな問題に対して使用します。「不条理」ほど悲惨な状況ではなく、自分の力で多少なりとも改善させられる余地があります。

「不条理」と「非合理」の違い

「非合理」は次の意味をもっています。

「非合理」は、仕事や工程など実地の行動をともなう方面で、論理や道理に合わないことがあるときに使われるケースが多いです。

どうしようもない絶望的な事柄ではなく、人間の手で改善可能な事柄に対して用いられるところも「不条理」と違います。

「不条理」と「不合理」の違い

「不合理」は次の意味で使います。

「不合理」は思考、制度など現場の行動をともなわない方面で、論理や道理に合わないことがあるときに用いるのが一般的です。

「不合理」は、人間の手で対処できる絶望的というほどではないものについて使用される言葉で、「不条理」とは使い方に違いがあります。

「不条理」の対義語

「不条理」の対義語は「条理」です。「不条理」から、否定のニュアンスを表す「不」を取っただけの言葉なので覚えやすいですね。

「不条理」は英語だと？

「不条理」は、「absurd」という英単語の日本語訳です。「absurd」は次の意味をもちます。

そのほかにも次のような英単語を使って、「不条理」のニュアンスを表せます。

伝えたいニュアンスに近い単語を選んで使用してください。

「不条理」のニュアンスを正しく理解しよう

「不条理」は、「筋道が通らないこと」「良識や常識に反していること」を意味する言葉です。

日常的な事柄には使用せず、戦争や災害のような大事件や人の死に関わる事柄のような、人の力ではどうしようもない絶望的なことに対して用います。

記事で紹介した類語もあわせて理解し、うまく使い分けできるようになりましょう。