寸志とはどんな意味?使い方や熨斗の書き方、金額の相場、寸志に代わる言葉も解説

「寸志」とはどんな言葉?

「寸志」の意味は、「相手に対する少しの気持ち」「心ばかりの贈り物」です。

類語は、「心ばかり」「松の葉」「花一重」「御礼」。

英語で表すときは、「Please accept this as a token of my gratitude.」を使います。

「寸志」とはどんな意味?読み方は?

「寸志」の読み方は「すんし」。次の意味をもっています。

寸志
・相手に対する少しの気持ち
・心ばかりの贈り物

「寸志」は、目上の人から目下の人に贈り物をするときに、のし袋(熨斗)などに書く表書きとして使う言葉です。目下の人が目上の人に贈り物をする場合には使用できないので、気をつけてください。

「寸志」の語源

「寸志」の意味合いは、言葉を作っている漢字の意味を考えるとよりイメージしやすくなるので、くわしくみてみましょう。「寸」と「志」は、それぞれ次の意味をもつ漢字です。

①尺貫法の長さの単位。尺の10分の1。約 30.303 mm
②長さ
③わずか。ほんのすこし。ちょっと
④き。馬のたけを測る単位
①こころざす。こころざし。心のめざすところ
②相手のことを思いやる気持ち
③書きしるす。書いたもの

「寸志」は、「寸」の「ほんのすこし」という意味と、「志」の「相手のことを思いやる気持ち」の意味を組み合わせた言葉。自分の贈り物を「ほんのすこし」とへりくだって表現しています。

「寸志」が使われるシーンと相場の金額

「寸志」はビジネス、プライベートどちらでも使われることがある表書きです。どのようなシーンで用いられるかや、相場の金額をみてみましょう。

会社の会合で使う

「寸志」は、会社の飲み会のような会合で、上司など目上の人が「会費の足しにつかってください」と幹事に渡すことが多いです。

「寸志」を渡すときには、「気持ちばかりですが」や「少ないですが」などの表現もよく使われます。

歓迎会や送迎会の主賓が、会を開いてもらったお礼として幹事に「寸志」を渡すのが慣例になっている会社も少なくありません。

相場の金額は5,000円~10,000円です。会費と同額か少し多い程度が目安になります。

これらの場合の「寸志」は、幹事がお金の管理をしやすいように会が始まる前に渡すのがマナーです。なるべく目立たないようにそっと渡してください。

注意
幹事役の人が目下の相手であった場合に「寸志」の表書きが使えます。目上の人が幹事をしているときは、別の表書きを使用してください。

ボーナス代わりに渡す

ボーナス査定期間にまだ入社していなかった新入社員は、最初のボーナス月に会社から「ささやかなボーナス」として「寸志」が支給される場合も多いです。

ボーナスが支給されないパートやアルバイトに、ボーナスの代わりに「寸志」を支給する企業もあります。

また、ボーナスほどの金額ではないけれど、臨時に賞与が出されるときなどにも「寸志」として支給されます。

これらの「寸志」の相場は、50,000円~100,000円です。

結婚式でお手伝いの人に渡す

結婚式では新郎新婦が、当日に結婚式や披露宴を手伝ってくれた参列者やスタッフに、お礼の気持ちを込めて「寸志」を渡すことがあります。3,000円~10,000円が相場です。

MEMO
目上の人から目下の人に使う「寸志」は上から目線の印象になってしまうため、結婚式では「寸志」に代わる言葉として、「お礼」や「心づけ」「御車代」が表書きに使用される場合も多いです。

仏事でお手伝いの人に渡す

お葬式や法要では、喪主がお手伝いをしてくれたお世話係の人や、火葬場の係員、運転手さん、受付の人などに感謝の気持ちとして「寸志」を渡すことがあります。1,000円~5,000円程度が一般的です。

「寸志」での「のし袋」の選び方

仕事関係の「寸志」は、「花結びののし袋」や「水引のないのし袋」を使うのが一般的ですが、「白封筒」を使用することもできます。

結婚式の「寸志」は、金額がいくらかによって袋を変えます。金額が10,000円程度のときはのしと水引が印刷された「略式のご祝儀袋」、3,000円~5,000円程度のときは「ポチ袋」を用います。水引の種類は、「紅白」「金銀」「赤金」いずれかの色の10本で、あわじ結びか結び切りのものを選んでください。

仏事での「寸志」は、「不祝儀ののし袋」か「白封筒」を使用します。

表書きでの「寸志」の書き方

表書きは、水引の上(もしくは封筒の上の方)に「濃墨」の筆か筆ペンで「寸志」と書きます。お葬式の場合も、「寸志」は悲しみではなく感謝を表すもののため濃い墨を使用します。筆や筆ペンがないときは、太字のフェルトペンでも大丈夫です。

水引の下には自分の名前を書いてください。

「寸志」の類語・言い換え表現

「寸志」は、目上の人から目下の人に対して使う表書きのため、相手によっては使用できないこともあります。

言い換えできる類語も覚えておきましょう。

心ばかり
【意味】
「ほんの気持ちを示すだけのしるし」という意味で「寸志」と同じニュアンス

【対象】
目上の人に使う

松の葉
【意味】
「松の葉で包めるほどわずかばかり」という意味で「寸志」と同じニュアンス

【対象】
目上、同格、目下、どの相手にも使える

花一重
【意味】
「花びら1枚ほどのわずかな気持ち」という意味で「寸志」と同じニュアンス

【対象】
同格、目下に使える

御礼
【意味】
お礼

【対象】
目上、同格、目下、どの相手にも使える

「寸志」を頂いたときのお礼の言葉の例文

「寸志」を頂いたときは、お礼の言葉を直接述べたり、お礼状を送ったりして相手に感謝の気持ちを伝えます。

このときのポイントは、「寸志」を「ご厚志」「お心遣い」「ご芳志」などに言い換えること。「寸志を頂きありがとうございます」など、「寸志」を使ってお礼の言葉を述べるのは失礼にあたるので注意してください。

例文
・ご厚志を賜り誠にありがとうございました。
・お心遣いをいただきまして、誠にありがとうございます。
・過分なるご芳志を頂戴し、厚くお礼申し上げます。

また、会社の会合などで「寸志」を頂いたときは、「社長からご芳志を頂戴しました」や「〇〇専務からお心遣いをいただきました」のように、参加者に「寸志」を頂いた事実を報告するのがマナーです。このとき、金額は報告しないように気をつけてください。

「寸志」は英語だと?

「寸志」を英語で表すときは、次の表現を使います。

Please accept this as a token of my gratitude.

英文に用いられている単語の意味を確認しましょう。

意味
please:お願いします
accept:受け入れる
this:これ
as a token of:~のしるしに
my:私の
gratitude:感謝の気持ち

「Please accept this as a token of my gratitude.」で「私の感謝の気持ちのしるしにこれを受け取ってください」という意味になります。

「寸志」は相手を選んで使おう

「寸志」は、目上の人から目下の人へ「心ばかりの贈り物」をするときに、のしの表書きとして使う言葉です。

「寸志」を渡すときのマナーや、「寸志」を受け取ったときのお礼の述べ方を頭に入れておきましょう。