アイデンティティとは?「アイデンティティを持つ」ってどんな意味?使い方や英語も紹介

アイデンティティとは「自分は自分である」という認識のこと

アイデンティティは、心理学分野においては「自己同一性」といわれている言葉で、簡単にいうと「私はこんな人間だ」「自分にはこんな個性がある」と認識することをいいます。

「自己紹介をしてください」といわれたときに、自分のことをしっかりと述べられる人は、アイデンティティを持っている人といえます。

いろいろなカタカナ用語が使われる現代では、「自己同一性」よりも「アイデンティティ」と表現されることが多いので、正確な意味や使い方は覚えておきたいものです。

本記事では英語や関連語についてもわかりやすく紹介しているので、正しく使いこなすためにもしっかり学んでいってください。

アイデンティティの英語は「identitiy」

日本語としてアイデンティティは、もとは英語の「identity」で、次の意味をもつ単語として使われています。

indentityの意味

・同一であること
・一致
・本人であること
・身元
・正体
・独自性
・固有性 など

「identity」を使った熟語も少し紹介しておきます。

・identity check(身元確認)
・identity confirmation(本人確認)
・identity card(身分証明書)
・conceal one’s identity(身分を隠す)
・a case of mistaken identity(人違い) など

アイデンティティの日本語の意味

アイデンティティは、日本語では「自己同一性」や「自我同一性」と表現されることが多いですが、なんとなくイメージしにくいですよね。そのため、もう少しわかりやすくいうと、次のようになります。

アイデンティティとは?

「自分らしさ」「自分の個性」「自分は自分である」ということを認識していること。

たとえば、「私は主婦でこの家を守っている」「私は昔から人の役に立つ仕事をするのが夢だったため、現在は医者として従事している」と言い切れる人がいたとします。

この人たちのように、「自分はこんな人間だ!」と明確に認識できていれば、アイデンティティが確立できている状態といえるわけです。

反対に、「自分は何者?」「何をして生きているんだろう…」と疑問をもっている人は、アイデンティティは確立されていません。

アイデンティティは物や組織にも使われる

「当社はこんな特徴をもった企業です」といえるものがあれば、企業としてのアイデンティティが確立されており、「この商品は他社商品にはない、こんな特徴があります」といえれば、その商品のアイデンティティが確立されています。

アイデンティティの使い方・例文

「アイデンティティ」は「自分らしさ」や「自分は自分である」との考えや意識なので、「アイデンティティを持つ」「アイデンティティを確立する」といった言い方をすることが多いです。ほかにもいろいろ使い方があるので、会話や文章の中ではどのように登場するのか、例文でチェックしておきましょう。

アイデンティティを持つ

例文

・この先の目標を決定するためにも、自分自身のアイデンティティをしっかり持つことが大切だ。

目標を定めるためには、「自分は自分である」という意思をしっかり持つことが大切だ、という意味の文章です。

アイデンティティの確立

『遵守する』の例文

・ブランドとしてのアイデンティティが確立さたことにより、顧客が去年の倍になった。

ブランドの「個性」や「特徴」を確立したため、商品のターゲット層に浸透し、顧客が増えたとう意味の文章です。

アイデンティティを認識する

例文

・自分はアイデンティティが認識できていると思っていたが、最近迷いがでてきた。

「自分はこんな人間だ」と認識しているつもりだったが、自分らしさが何かがわからなくなってきた、という意味の文章です。

その他の使い方

次のような使い方もできるので、場面を想像しながら読んでみてください。

例文
・医者を目指し頑張ってきたつもりだが、医学部に入れなかったことでアイデンティティを喪失してしまった。
アイデンティティをアピールした宣伝をしなければ消費者の興味を引くことはできない。

アイデンティティの関連語

「アイデンティティ」とあわせて覚えておきたい関連語がいくつかあります。セットで登場する場合もあるのでここでチェックしておきましょう。

コーポレートアイデンティティ

「コーポレートアイデンティティ」とは、「この企業はこのような考えをもって事業を行っています」と、経営理念や特徴を世の中の人に浸透させる戦略をいいます。

たとえば、マクドナルドのMのマーク、イエローハットの帽子のマークです。店舗の入り口などに掲げていることが多いですが、これらのマークを見ただけで店舗名が頭に浮かぶはずです。

言い換えれば、Mのマークや帽子のマークが世の中の人に浸透しているということであり、「コーポレートアイデンティティ」になるわけです。

また、プロ野球の球団マスコットも、そのマスコットを見ただけでどこの球団かがわかります。これも一つの戦略となっています。

アイデンティティクライシス

クライシス(=crisis)とは、危機が訪れている状態です。つまり、アイデンティティクライシスは、アイデンティティの危機、いいかえれば、自分の存在意識や役割が失われたことをいいます。

アイデンティティセフト

セフト(=theft)とは、「盗難」の意味です。個人や身元の盗難、つまり「個人情報の盗難」で、SNSのアカウント乗っ取りや、クレジットカード情報の抜き取りなど、個人情報を盗み出す犯罪を「アイデンティティセフト」といいます。

アイデンティファイ

アイデンティファイ(=identify)は、アイデンティティ(=identity)の動詞形で、「本物や本人であることを確認する」「身元などを明らかにする」の意味があります。

自分自身や自社のアイデンティティを確立させよう

自分がどんな人間であるか、人に伝えられるくらいアイデンティティが確立されていると、自信にもつながります。いつも他人から「そんな人ではないはずなのに…」ということを言われる人は、明確なアイデンティティを持つことをおすすめします。

また、企業において、競争社会で勝ちにくためには他社と差別化を図ることが大切です。消費者に「当社はこんな企業です!」とアピールするためにも、アイデンティティの確立を目指してみましょう。