「言い得て妙」の読み方や意味は?由来、類語、対義語、例文、英語表現も紹介

「言い得て妙」とは「上手に言い表している」という意味

「言い得て妙」は、わかりやすく言うと「上手いこと言うね」といったニュアンスで、「言葉を使って物事や現象を上手に言い表しているさま」を意味しています。「妙」を使われていると「変な」「おかしい」「変わっている」といったイメージをもちやすいので、「上手な表現」という意味は頭に浮かびにくいかもしれませんね。

そこで、本記事では、「言い得て妙」の言葉の由来、意味、会話での使い方のほか、類語や英語表現などもわかりやすく解説します。

なお、対義語としては、「筆舌に尽くしがたい」「隔靴搔痒(かっかそうよう)」「舌足らず」がありますが、詳しい内容は後述します。

「言い得て妙」の読み方・由来:意味

「言い得て妙」は「いいえてみょう」と読みます。

「言い得て」は、「言い当てる」という意味ですが、この「当てる」は的に命中させることではなく、「物事の核心を捉える」といったニュアンスをもっています。そして、「妙」は、「不思議」のほかに「言いようもなく優れている」との意味もあり、「言い得て妙」の場合は後者の意味で使われています。

つまり、「言い得て妙」は、「核心を捉える優れた言い方」となり、上手に言い表している際に用いられるようになりました。

「言い得て妙」は目上の人には使わない!

「言い得て妙」をカジュアルな表現にすると「上手いね!」「上手いこと言ったね!」となります。誉め言葉ではありますが、目下の人が褒めた場合は皮肉と捉えられる場合があります。

そのため、目上の人に対しては「おっしゃる通りです」「まさにおっしゃる通りです」と伝えるのが賢明です。

「言い得て妙」の使い方・例文

「言い得て妙」は、「そのとおりだね」「ほんとだ!」の気持ちをさらに強調したい場合に使うと効果的だとされています。また、頭に「確かに」や「まさに」をつけるとより一層強い表現になるので、状況に応じて使ってみてください。

例文

・昨日の会議で指摘されたことを部長に報告したら、「まさに言い得て妙だ」と感心された。
・「言い得て妙とは、まさにこういうことを言うだと思うよ。
・まさに言い得て妙だわ。サラッと聞き流したけど、言われてみると確かにその通りだね。

「言い得て妙」の類語・言い換え表現

「言い得て妙」をわかりやすいほかの言葉で言い換えたい場合は次の表現ができます。

「言い得て妙」の言い換え表現

・上手い言い回し
・絶妙な言い回し
・ぴったりの表現
・たくみな言い回し
・的確な表現 など

「言い得て妙」の対義語

冒頭で紹介したように、「言い得て妙」の対義語には「筆舌に尽くしがたい」「隔靴搔痒(かっかそうよう)」「舌足らず」があります。それぞれの意味を紹介するので、「言い得て妙」とどのような違いがあるのかをチェックしてみてください。

筆舌に尽くしがたい

「文章や言葉ではとても表現ができない。」「なんとも表現のしようがない。」という意味で、どんなことをしても表現しきれない事柄やありさまを表現する場合に使う言葉です。大切な人が亡くなったというような深い悲しみなど、悪い状況下で使われることが多いですが、良い場面でも用いられます。
【例文】
・事故で突然奥さんを亡くした兄が泣き崩れている姿は筆舌に尽くしがたいものでした。

隔靴搔痒(かっかそうよう)

「靴を隔てて痒いところを掻く」という意味で、「思い通りにいかなく、はがゆいこと」を表現する言葉です。
【例文】
資格試験の勉強を続けているが、同じところがまったく覚えられず、隔靴搔痒の思いだ。

舌足らず

「舌足らず」には、「舌の動きが十分ではなく、物言いがはっきりしていないさま」「言葉が足らず、十分に言い尽くせていないさま」の2つの意味があります。

【例文】

・彼は舌足らずなうえに早口なので、言っていることが聞き取れないことが多々ある。
・スタッフの説明が舌足らずだったようで、ご面倒をおかけしました。

「言い得て妙」の英語表現

「言い得て妙」を英語で表現したい場合は、「perfectly fitting phrase~=~とはまさにぴったりの表現だ」や「well put~=~とは上手い言い方だね」を使います。

【彼は歩く辞書とは言い得て妙だ。】
①It’s perfectly fitting phrase that he is a walking dictionary.
②It’s well put that he is a walking dictionary.

「言い得て妙」の意味を理解し正しく使おう!

「言い得て妙」は、「うまいこと言ったね」というニュアンスで、日常でも使うのは難しくありません。目上の人に使うのは適していませんが、ことわざなどの慣用句をよく使う人には通じるはずなので、機会があればぜひ使ってみてください。