アンコンシャスバイアスとは?気づきを得られる具体例をご紹介

アンコンシャスバイアスとは「無意識の偏見」のこと

アンコンシャスバイアスとは、自分でも気づかないうちに生じている偏見のことです。無意識の中で生じるものであり、それが職場などでも個人や組織に悪影響を及ぼすことがあります。

今回は、アンコンシャスバイアスとは何か、具体例とともにわかりやすく解説。自分のアンコンシャスバイアスに対して「気づき」が得られるかもしれません。

アンコンシャスバイアスの意味

アンコンシャスバイアスについて、語源と意味を確認していきます。日本語でも訳し方がいくつかあります。

アンコンシャスバイアスの由来

アンコンシャスバイアスは英語の「unconscious bias」に由来します。「conscious」は「意識的」という意味を持ち、それを打ち消す言葉の「unconscious」は「無意識」になります。そして、「bias」には「偏り」や「偏見」の意味があります。

日本語のアンコンシャスバイアス

日本語では、次のような意味になります。

・無意識の偏見

・無意識の思い込み

・無意識バイアス

無意識のうちに「こうだ」と思い込んでしまうことを意味します。無意識であるため、完全にゼロにすることは難しいですが、自分の中にもアンコンシャスバイアスが存在するのだと自覚しておくことは必要です。

過去の経験、これまで見聞きしたことなどを受けて、物事に対して無意識のうちに偏った見方をしているかもしれません。

アンコンシャスバイアスの具体例

アンコンシャスバイアスは200種類以上もあるといわれています。次の代表例に目を通し、自分にも当てはまる項目がないか振り返ってみましょう。

ハロー効果

ある対象に好意を抱くと、目立つ特徴の影響を受けて、他の特徴についても良く思えること。後光効果。

例:「学歴が高いので優秀だろう」「英語力が高いので仕事もできるだろう」「同じ趣味があるから性格が合う」

ステレオタイプバイアス

性別、年齢、人種、職業などの属性に対して持つ先入観、固定概念のこと。

例:「若者はマナーが悪い」「外国人は時間にルーズ」「看護師は女性の仕事」

正常性バイアス

危機的な状況に直面しても、自分に都合の悪い情報を無視する、過小評価すること。

例:「観光客が減って倒産が相次いだがうちは大丈夫」「今回はたまたま起きただけ」

集団協調性バイアス

集団の中で同調圧力、同調傾向が強まるために周囲に合わせてしまうこと。

例:「会議では満場一致であるべきだ」「パワハラが横行しているが意見できない」

アインシュテルング効果

慣れ親しんだものの見方に固執し、他の視点に気づかないこと。

例:「過去の成功事例に沿って進めるのがいい」「前例がないとできない」

インポスター症候群

自分を過小評価し、可能性を閉ざしてしまう思い込みのこと。

例:「自分にはどうせうまくいかない」「私にはリーダーは無理」

アンコンシャスバイアスへの気づきが必要な理由

アンコンシャスバイアスへの気づきがなければ、無意識のうちに周囲に悪影響を及ぼすことがあります。

例えば、若い社員が勤務中に一言軽い雑談をしただけで、「やはり若者は勤務態度が悪い」という偏った見方をしてしまうかもしれません。その考えが態度に出たり、人材の評価に無意識のうちに反映されたりすると、個人にも組織にも悪影響が生じる可能性があるのです。

個人への影響

普段の発言や行動に表れ、人間関係を悪化させたり、相手のパフォーマンスを低下させたりする。

会社・組織への影響

採用、人材育成、人事、昇進などにおいて思い込みが可能性を狭めたり、リーダーの意思決定における偏りがビジネスの発展を阻害したりする。生産性の低下、離職なども生じる可能性がある。

上記のような影響が生じる可能性があるため、アンコンシャスバイアスに気づき、できるだけ減らしていくことが大切です。

アンコンシャスバイアスの使い方・例文

例文
アンコンシャスバイアスが表出した結果、職場の中で停滞感がある。
・「イクメン」という言葉にはアンコンシャスバイアスが反映されているのかもしれない。

アンコンシャスバイアスの研修の活用も視野に

アンコンシャスバイアスは、誰にでも生じるものです。小さなことのようで、個人や職場への影響も実は大きいのです。

アンコンシャスバイアスに関する研修も存在するため、個々人が現状をチェックして改善するきっかけとして活用できるでしょう。