ノスタルジーとはどんな意味?使い方の例文やノスタルジー効果についても解説

ノスタルジーとはどんな言葉?

ノスタルジーの意味は、「疾うに過ぎ去った時間や時代を懐かしむ気持ち」「異郷にいて故郷を懐かしく思う気持ち」です。

類語は、「ノスタルジア」「ホームシック」。対義語は、「勇往邁進」「ノストフォビア」です。

英語で表すときは、「nostalgia」を使います。

ノスタルジーとはどんな意味?

ノスタルジーは、次の意味をもつカタカナ語です。

ノスタルジー
①疾うに過ぎ去った時間や時代を懐かしむ気持ち
②異郷にいて故郷を懐かしく思う気持ち

①の意味のノスタルジーは、遠い過去を指して使います。②は、すぐに行けるような場所には使用しません。

ノスタルジーは、自分が実際に経験したわけでない時間や、自分が住んでいたわけではない場所に対して使うこともできます。例えば、旅行先で昔ながらの暮らしが残る田園風景を目にしたときや、生まれる前の時代を舞台にした映画を観たときに懐かしさを感じた経験はありませんか?そのような気持ちもノスタルジーで言い表せます。

ノスタルジーは日本語だと?

ノスタルジーは、日本語だと「懐古」「回顧」「追憶」「郷愁」「望郷」などに言い換えられます。それぞれの意味をおさえて、伝えたいニュアンスに近い言葉を選べるようになりましょう。

懐古
昔のことを懐かしく思うこと
回顧
・過ぎ去ったことを思い起こすこと
・後ろを振り返ること
追憶
過ぎ去ったことに思いをはせること。過去をしのぶこと
郷愁
・異郷にいて、故郷を懐かしく思う気持ち。懐郷の想い
・昔のことを懐かしく思ったり、ひかれたりする気持ち
望郷
故郷を慕い、遠く思いをはせること。故郷を懐かしく思うこと

ノスタルジーの語源

ノスタルジーは、スイスの医学生 ヨハネス・ホーファー氏が、ギリシャ語の「nostos(帰郷)」と「algos(心の痛み)」を組み合わせて1688年に考えた言葉です。

「故郷を懐かしみ帰りたいと願うけれど、二度と戻ることはできないかもしれないと恐れる心の痛み」を表す言葉として定義されています。

戦場で戦う兵士達がこのような気持ちに陥るケースが多く、戦意喪失や抑うつ、食欲不振といった症状を起こすこともあったため、ノスタルジーはうつ病に似た心の病気とみなされていました。

ノスタルジーは英語だと?

ノスタルジーは、フランス語の「nostalgie」からカタカナ語になった言葉です。

英語でノスタルジーを表したいときは、「nostalgia」を使います。

nostalgia
・過去を懐かしむ心
・懐旧の念
・望郷の念
・故郷を思う心
・郷愁
・ホームシック

ノスタルジーとノスタルジックの違い

ノスタルジックの意味は、「郷愁を感じるさま。また、感じさせるさま」です。ノスタルジーとノスタルジックは、どちらもヨハネス・ホーファー氏が考えた、「nostos(帰郷)」と「algos(心の痛み)」の複合語が語源になった言葉のため意味が似ています。

違いは、ノスタルジーはフランス語の名詞「nostalgie」に由来しており、ノスタルジックは英語の形容詞「nostalgic(郷愁に満ちた)」からカタカナ語になった言葉であること。「nostalgic」の名詞形が、先ほど紹介した英語の「nostalgia」です。

ノスタルジー効果とは?

ノスタルジーを感じると、過去から現在のつながりを意識するため、過去の自分と今の自分のつながりを実感でき、自分を肯定する気持ちを抱くことができます。

ノスタルジーを感じると脳は、ドーパミンを分泌させます。ドーパミンは快感や多幸感を生じさせ、やる気を生み出し、運動機能も向上させる働きをもつので、ノスタルジーは心身をいい状態に導くと考えられています。

また、ノスタルジーを感じると、お金を使うことに対する抵抗感が薄れ、社会的なつながりを欲しやすくなります。このことから、商品を売り出すときや、チャリティやボランティアへの参加を呼びかけるときに、ノスタルジーを感じさせるような広告戦略がとられる場合があります。

ノスタルジーの使い方を例文で学ぼう

ノスタルジーの意味や効果がわかったら、次はカタカナ語としての使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文
・明治時代の擬洋風建築をイメージしたホテルで、宿泊客はノスタルジーに浸ることができる。
・過去と現在の落差に囚われてしまっている人には、ノスタルジーはつらいものになってしまう。
ノスタルジーな気持ちを味わえる昔懐かしいメニューを復活させる。
ノスタルジーにあふれた町を観光名所としてアピールする。

ノスタルジーの類語・言い換え表現

ノスタルジーの類語は、「ノスタルジア」や「ホームシック」です。それぞれの意味や使い方をみてみましょう。

ノスタルジア
【意味】
ノスタルジアは、英語の「nostalgia」をカタカナにした言葉。意味はノスタルジーと同じ。

【例文】
ノスタルジアを喚起させるCMを制作する。

ホームシック
【意味】
故郷や家庭を懐かしみ、異常に恋しがる気持ち。郷愁。懐郷病。

【例文】
上京早々にホームシックにかかってしまった。

ノスタルジーの対義語

ノスタルジーの対義語は、「勇往邁進(ゆうおうまいしん)」と「ノストフォビア」です。

勇往邁進
【意味】
目的や目標をめざして勇ましく、まっしぐらに突き進むこと。
※過去を懐かしみ気持ちを引き戻すノスタルジーとは真逆の気持ち。

【例文】
自分の店をもつという目標に向かって勇往邁進する。

ノストフォビア
【意味】
ふるさとに対して恐怖や嫌悪が生じること。帰郷恐怖症。

【例文】
故郷の話題を耳にして感じたものは、懐かしさではなくノストフォビアだった。

【おまけ】身の回りのノスタルジー

私たちの身の回りには、ノスタルジーという言葉が使われているものがあります。興味のあるノスタルジーがないか探してみましょう。

ノスタルジーの窓辺
顔を出さずに活動している日本の6人組エンターテイメントグループ「すとぷり」の楽曲。学生時代を懐かしむ気持ちが歌詞につづられている。
バラのノスタルジー
ハイブリットティー系統の品種。春から秋にかけて、白から赤に移り変わるグラデーションが美しく香りの強い花を咲かせる。病気に強く育てやすい。

ノスタルジーの意味や効果を理解しよう

ノスタルジーの意味は、「過ぎ去った時間や故郷を懐かしく思う気持ち」です。

ノスタルジーを感じることは人間にいい影響を与える場合が多く、ビジネスではノスタルジーの効果を利用した広告戦略がとられるケースもあります。

ノスタルジーについて理解し、今後に役立てていきましょう。