アサインとはどんな言葉?
アサインの意味は、「任命する」「割り当てる」です。
類語は、「ジョイン」「任命する」「割り当てる」。対義語は「リリース」です。
英語で表すときは、「assign」を使います。
アサインとはどんな意味?
アサインは次の意味をもつカタカナ語です。
・割り当てる
アサインそのものの意味のほかに、アサインメントの短縮形として使われることも多いです。
アサインとアサインメントの関係
アサインメントの意味は、「割り当て」「割り当てられた仕事」「課題」「任命」です。
アサインとアサインメントの意味は非常に似ていますね。その理由はアサインは動詞で、アサインメントはアサインを名詞形にしたものだから。
ビジネスでは「アサインする」という言い回しがよく使われますが、「アサインする」だと「任命するする」などの意味になってしまうため、文法的におかしいです。
正しい言葉の使い方をするならば、「アサインメントする」といわなければなりません。しかし、こちらは長くていいにくいため、短縮して「アサインする」というようになったと考えられています。
ビジネスでのアサインの意味
ビジネスで「アサイン」といった場合、一般的には次のような意味になります。
・別の部署などへ配属する
・役職などを任命する
「任命する」や「割り当てる」の意味からは外れていますが、業務委託するときなどには「申し入れを承諾する」「了承する」の意味で「アサイン」が使われることもあります。
また、業界によってはこれらとは異なるニュアンスでも「アサイン」が使用されています。
ホテル業界でのアサインの意味
ホテル業界でのアサインの意味は「部屋割り」。空室にお客様を「割り当てる」のニュアンスです。
お客様を「割り当てる」の意味合いでアサインを使う業界は、ほかにも飲食業界や旅行業界があります。飲食業界では「店の空席にお客様を割り当てる」、旅行業界では「交通機関の空席にお客様を割り当てる」の意味でアサインを用います。
でも、アサインだけでは何を「割り当てる」のかがわかりにくいですよね。勘違いすると大きなミスにつながってしまうため、「ルームアサイン」や「シートアサイン」のように何を「割り当てる」のかがわかりやすい表現も覚えておきましょう。
IT業界でのアサインの意味
IT業界でのアサインの意味は「キーボードの特定のキー、または特定の複数キーの組み合わせに何かの機能を割り当てること」です。
例えば、Windowsでは「Ctrl+C」で選択しているデータをコピー、「Ctrl+V」で編集している位置にコピーしたデータを挿入するアサインが設定されています。
IT業界でのアサインは、キーアサインとも呼ばれます。
転職業界でのアサインの意味
転職業界でのアサインの意味は、人材の「選出」や「採用」。
アサインを「選出」の意味で使うのは次のようなときです。
・人材紹介会社に求人を出す企業が、「新しい人材を選出して欲しい」と依頼するとき。「アサインして欲しい」のように使う。
「採用」の意味で用いるのは次のようなときです。
・人材紹介会社に登録している転職希望者が、「新しい職場に採用された」とき。「アサインされた」という受け身の形で使う。
アサインは拒否できる?
上司から新しい仕事や今とは別のポジションをアサインされたとき、それは社員の能力やもろもろの事情を鑑みたうえで会社として決定した事柄である場合が大半。そのため、基本的には拒否できないと考えるほうが無難です。
ただし、介護や育児、健康上の問題など、アサインを受けるのがどうしてもできない正当な理由があるケースでは、アサインを調整してもらえるかもしれません。上司に事情を理解してもらえるように、よく相談してください。
アサインの使い方を例文で学ぼう
アサインの意味がわかったら、次はカタカナ語としての使い方を例文でイメージしてみましょう。
・家を買ってしまったので、転勤のアサインがあったら単身赴任するしかない。
・専門知識を持つ社員をプロジェクトにアサインする。
・テレワークではメンバー一人ひとりの進捗状況の把握がしにくいため、業務のアサインが難しい。
・プロジェクトにアサインされたが、経験がないため自信がない。
アサインは英語だと?
アサインは英語だと、「assign」という単語を使います。
・あてがう、与える、譲渡する
・~のせいにする、帰する
「assign」の代わりに「appoint(指名する、任命する)」や「nominate(推薦する、指名する)」が用いられることもあります。
アサインの類語・言い換え表現
アサインの類語は、「ジョイン」「任命する」「割り当てる」です。しかし、ニュアンスに多少の違いがあるものもあります。
アサインとジョインの違い
アサインのカタカナ語の類語は「ジョイン」ですが、完全に同じ意味ではなく違いもあります。
アサインの類語として使うときのジョインの意味は、「合流すること」「参加すること」です。
ジョインは、会社やチームなどに自ら志願して「参加する」ときや「入社する」ときに使います。「参加してくれませんか」と勧誘するケースで「ぜひジョインしてください」のように使用することもあります。
アサインも「参加する」のニュアンスで使えますが、アサインの場合は自分の意思ではなく上司など上から命令されたときに用います。
「任命する」「割り当てる」の使い方
アサインやジョインはメジャーなカタカナ語ではないため、意味が通じなかったり、相手に無理してカタカナ語を使っていると思われたりする可能性があります。カタカナ語が使用しにくいときは、日本語の意味をそのまま使ってアサインを言い換えましょう。
ある官職や役目に就くよう命じる
【例文】
・経理部部長に任命する。
全体をいくつかに分けて、それぞれにあてがう。配分する。わりふる
【例文】
・一定数の役職を女性に割り当てる。
・予約客の要望に配慮して座席の割り当てを決める。
アサインの対義語
アサインの対義語は「リリース」。
「リリース」には複数の意味がありますが、アサインの対義語として使うときの意味は、「束縛を解いて放つこと。解放すること」です。
・今月末で担当しているプロジェクトからリリースしてもらって、新たなプロジェクトに加わることになった。
「リリース」は、上からいわれてやむなくポジションを外れる場合と、自分の希望で外れる場合のどちらにも使用できます。
【おまけ】映画の「アサインメント」
「アサインメント」は、1997年に公開されたスパイ映画。監督はクリスチャン・デュゲイ氏です。
CIAはアニバルにカルロスの替え玉を演じさせ、カルロスがKGBを裏切ったように信じ込ませて、KGBにカルロスを殺させようという計画を立てます。アニバルは優しい夫でしたが、替え玉を演じるための過酷な訓練によってカルロスの狂気が乗り移ってしまい、別人のように変わってしまいます。
アニバルは本来の自分を取り戻すため、カルロスを抹殺することを決意しますが・・・。
続きが気になる人は、「アサインメント」を観てみてください。
アサインの意味を読み取ろう
アサインの意味は「任命する」「割り当てる」。ビジネスでは、この意味から派生したさまざまな意味合いでアサインが使われています。
ビジネスでの一般的な意味や分野ごとの意味をしっかり理解し、どのニュアンスで用いられているのか、正しく読み取れるようになりましょう。