「臥薪嘗胆」とはわかりやすく説明するとどんな意味?由来や使い方も解説

「臥薪嘗胆」とは簡単にいうとどんな言葉?

「臥薪嘗胆」の意味は、「復讐するためや目的を成し遂げるために、苦労を重ねること」です。

類語は、「辛酸をなめる」「堅忍不抜(けんにんふばつ)」「苦心惨憺(くしんさんたん)」「捲土重来(けんどちょうらい)」。

英語で表すときは、「perseverance」「endurance of hardships」などの表現を使います。

「臥薪嘗胆」とはどんな意味?読み方は?

「臥薪嘗胆」は、「がしんしょうたん」と読みます。次の意味をもつ四字熟語です。

臥薪嘗胆
復讐するためや目的を成し遂げるため、将来の成功を心に誓って苦労を重ねること

「臥薪嘗胆」は、目的を遂げるために大変な苦しみに耐え、並々ならぬ努力を重ねるというニュアンスをもっており、座右の銘にもよく使われます。

「臥薪嘗胆」の由来

「臥薪嘗胆」は紀元前5世紀、中国の春秋時代に起きた呉と越の戦争に関係する、中国の故事に由来する言葉です。あらすじを知ると、「臥薪嘗胆」の意味と由来のつながりがよくわかるのでみてみましょう。

「臥薪嘗胆」のあらすじ
呉の王の子 夫差(ふさ)は、越との戦いに敗れ殺された父王の仇を忘れないため、いつも堅いたきぎの上に臥し(ふし)、身体に感じる痛みや苦しみに父王の遺恨を重ね、耐え忍びながら寝ていました。その後夫差は、越との戦いに勝利し父王の仇を取ります。

一方、夫差に敗れた越の王 勾践(こうせん)は、夫差から受けた屈辱を忘れないように日々苦い熊の肝を嘗め、その苦さで闘志を掻き立てました。勾践は後に夫差を滅ぼし、過去にうけた恥を雪いだと伝えられています。

「臥薪」は夫差が堅いたきぎの上に臥して寝たこと、「嘗胆」は勾践が苦い熊の肝を嘗めたことから生まれた言葉です。

日本での「臥薪嘗胆」

日清戦争に勝利した日本は、清国から遼東半島を譲り受けることになります。しかし、ロシア、ドイツ、フランスが、日本に対して清国に遼東半島を返還することを要求してきます。この要求は、三国干渉と呼ばれています。

強国にあらがえなかった日本は三国干渉に従い、清国に遼東半島を返しましたが、他国の干渉に屈したことを日本の恥と考え、「臥薪嘗胆」が国民の流行語となりました

「臥薪嘗胆」の使い方を例文で学ぼう

「臥薪嘗胆」の意味がわかったら、次は言葉としての使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文
臥薪嘗胆を貫き、見事本懐を遂げた。
臥薪嘗胆の期間を経てトップに返り咲いた。
・今は臥薪嘗胆する時だ。
臥薪嘗胆の思いで不遇の日々を耐え忍んでいる。
・漢文の授業で臥薪嘗胆の意味を学んだ。

「臥薪嘗胆」の類語・言い換え表現

「臥薪嘗胆」の類語は、「辛酸をなめる」「堅忍不抜(けんにんふばつ)」「苦心惨憺(くしんさんたん)」「捲土重来(けんどちょうらい)」です。難しい四字熟語もありますが、知識としておさえておきましょう。

辛酸をなめる
【意味】
苦しく、つらい目にあう

【例文】
エリート街道を走っていたはずが、思わぬ挫折により辛酸をなめることとなった。

堅忍不抜
【意味】
どんなことがあっても心を動かさず、じっと我慢して堪え忍ぶこと

【例文】
堅忍不抜の精神で業務に取り組んでまいる所存です。

苦心惨憺
【意味】
非常に苦心していろいろやってみること

【例文】
苦心惨憺の末ようやく試作品が完成した。

捲土重来
【意味】
一度戦いに負けた者が、勢いを盛り返してふたたび攻めてくること。一度失敗した者が再挑戦すること

【例文】
新しい環境で捲土重来を期す。

「臥薪嘗胆」は英語だと?

「臥薪嘗胆」は英語だと次のような表現で表せます。

「臥薪嘗胆」の英語
perseverance:忍耐、忍耐力
endurance of hardships:困難に耐えること
endure a long and hard struggle:長くつらい苦悩に耐え忍ぶ
bite the bullet:じっと苦痛をこらえる、いやな事に敢然と立ち向かう

覚えやすそうなところから頭に入れて、機会があったら使ってみてください。

「臥薪嘗胆」を覚えておこう

「臥薪嘗胆」は、「目的を成し遂げるため、苦労を重ねること」という意味の四字熟語です。ビジネスマンに好まれやすいニュアンスのため、座右の銘にしている人も多くいます。

「臥薪嘗胆」の意味を理解し、正しく使えるようになることで、仕事相手の印象をよくできるかもしれませんよ。社会人の知識として「臥薪嘗胆」を頭に入れておきましょう。