「顕在化」の意味とは?「潜在化」や「表面化」との違い、使い方や類語も紹介

「顕在化」とはどんな言葉?

「顕在化」の意味は、「隠れていた物事が明らかになること、はっきりすること」です。

類語は、「表面化」「露見する」「明るみに出る」。対義語は「潜在化」です。

英語で表すときは、「expose」「actualize」「manifestation」などの表現を使います。

「顕在化」とはどんな意味?読み方は?

「顕在化」の読み方は「けんざいか」で、次の意味で使われます。

顕在化
隠れていた物事が明らかになること、はっきりすること

「顕在化」は、問題やリスク、対立、損失、矛盾など、悪いものが明らかになったときに用いられることが多いですが、「顕在化」という言葉はネガティブな言葉ではありません。

中立な意味合いなので、才能や能力、メリットといったいい物が明確になったときにも使用できます

「顕在化」は見え方が変化するときに使う

「顕在化」は、「物事がはっきりと現われて存在していること」を意味する「顕在」に、「そういうもの、こと、状態に変える、または、変わる」という意味を表わす「化」をくっつけた言葉です。

それまで見えなかった物事が、はっきりと現われてそこに存在していることがわかる状態に、変化することを表しています。

「顕在化」は見え方が明確なときに使う

「顕在化」は、自分だけがそれに気づいているような状態では使いません。

意識して見なくても、誰がそれを見たのだとしても、絶対に存在に気がつくほどはっきり見えているときに使用します。

「顕在化」の使い方を例文で学ぼう

「顕在化」の意味がわかったら、次は言葉の使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文
・新型コロナにより、看護現場が抱える問題が顕在化した。
・労使間の対立は、顕在化する前に予防することが重要だ。
・データを解析し、消費者の隠れたニーズを顕在化させる。

「顕在化」と「表面化」の違い

「顕在化」の言い換え語としてよく使われる類語に、「表面化」があります。

表面化
【意味】
隠れていた物事が、おもてに現れること

【例文】
産地偽装問題が報道により表面化した。

「顕在化」と「表面化」はほぼ同じ意味ですが、若干の違いもあるので覚えておきましょう。

「表面化」は、何かのきっかけで見えるようになるまで、それが隠れていたことに誰も気づいていなかった場合に使われることが多いです。隠れていたものの上辺が見えるようになって、人々に認識されるようになったときに用います。

「顕在化」は、誰の目にもはっきりと明らかな状態になる前から、なんとなくそれがあることに気づいていた人々がいるようなケースで使われることが多いです。

「顕在化」のそのほかの類語・言い換え表現

「顕在化」には、「表面化」のほかにも言い換え語として使える類語があります。あわせて頭に入れておきましょう。

露見する
【意味】
悪事、秘密、陰謀などが他人に知られる

【例文】
仲間に秘密が露見するのを恐れながら、日々を過ごしている。

明るみに出る
【意味】
知られていなかったことや隠されていた事実が、世間に広まる。公になる

【例文】
問題が次々と明るみに出る現状に頭を抱える。

「顕在化」の対義語

「顕在化」の対義語は、「潜在化」です。

潜在化
【意味】
表面上はわからないような状態になる

【例文】
部下の悩みの潜在化や深刻化を見過ごすことがないように、メンタルヘルスに気を配る必要がある。

「潜在化」の「潜」は、潜水艦の「潜」と同じ漢字です。見えていたものが潜って見えなくなるとイメージすれば、「顕在化」の意味との違いがわかりやすくなりますよ。

「顕在化」は英語だと?

「顕在化」を英語で表すときは、次のような表現を使います。

顕在化
expose:あらわになった
actualize:実現する、現実にする
manifestation:明らかにすること、現れ、顕現
manifest:明らかな、明らかにする、はっきり表われた
becoming apparent:顕在化
became evident:明白になる、顕著となる、顕在化する
become obvious:明らかになる、顕在化する

伝えたいニュアンスに近い単語や表現を選んで使ってください。

「顕在化」の意味を正しく理解しよう

「顕在化」は、「隠れていた物事が明らかになること、はっきりすること」を意味する言葉です。あいまいな見え方ではなく、誰が見ても明らかな場合に使用します。

似たニュアンスをもつ「表面化」や、真逆の意味をもつ「潜在化」とあわせて理解し、適切に使い分けできるようになりましょう。