「感無量」の意味や使い方は?「感慨無量」との違い、例文や類語も解説

「感無量」とはどんな言葉?

「感無量」の意味は、「何もいえないほど強く心に感じて、しみじみとした気持ちに深く浸るさま」です。

類語は、「感慨無量」「万感の思い」「感慨深い」。

英語で表すときは、「being filled with emotion」「be deeply moved」などの表現を使います。

「感無量」とはどんな意味?読み方は?

「感無量」の読み方は「かんむりょう」で、次の意味をもつ言葉です。

感無量
何もいえないほど強く心に感じて、しみじみとした気持ちに深く浸るさま

「感無量」は何か嬉しいことがあり、その喜びや感動で胸がいっぱいになっている様子を表す言葉です。悪い意味の文脈で使うことはありません。

「感無量」を使うときの注意点

「感無量」を「感謝」の表現と勘違いしている人も多いですが、「感無量」には「感謝」のニュアンスはないので、「感無量」単体では「感謝」の気持ちを伝えることはできません。

「感謝」を伝えたいときは、「心より感謝いたします」など感謝の言葉を付け加える必要があります。そのほかにも、いくつか注意点があるので確認しておきましょう。

二重表現に注意

「感無量」はわかりやすく言い換えると、「嬉しい気持ちで心がいっぱい」という意味です。

二重表現とは、意味が重複している表現のことで、違和感のある日本語になるため避けるべきとされています。

「感無量」の場合は、「感無量の気持ち」や「感無量の思い」「感無量でいっぱい」「感無量の気持ちでいっぱい」などが二重表現になります。

ただし、これらの表現で「感無量」を用いる人もいるので、その場合は指摘したりはせずに聞き流してください。自分が使用するときは、二重表現を避けた使い方をするように心がけましょう。

何度も使わない

「感無量」は目上の相手にも使える表現で、ビジネスでも使用できますが、頻繁に用いることはできません。

その理由は、「感無量」はものすごく嬉しいときに使う言葉だからです。繰り返し何度も使用していると、言葉の重みが薄まり、嬉しさの度合いが伝わらなくなってしまいます。

「感無量」の使い方を例文で学ぼう

「感無量」の意味や使うときの注意点がわかったら、次は言葉としての使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文
・無事にオープンの日を迎えることができて感無量です。
・まさに感無量の一言です。
・製品が完成したときは感無量でした。
・この結果にみな感無量の様子だった。
・長年の夢をかなえることができ、感無量の極みです。

例文に出てきた「感無量の極み」は、「感無量」の喜びで胸がいっぱいな感じをさらに強めた表現です。

「感慨無量」と「感無量」の違い

「感慨無量」は、「感無量」の語源になった四字熟語です。「感慨無量」を短縮した表現が「感無量」のため、形が違うだけで意味に違いはありません。

「感慨無量」は、「感無量」の言い換え語として使えるので覚えておきましょう。

例文
長年の苦労がようやく報われて感慨無量になった。

「感無量」のそのほかの類語・言い換え表現

「感無量」には、「感慨無量」のほかにも言い換えに使える類語があります。あわせておさえておきましょう。

万感の思い
【意味】
一瞬で心に浮かぶさまざまな感情や思い
※嬉しい気持ちや悲しい気持ち、大変だった気持ちなど、いろいろな気持ちが入り混じっているときに用いる

【例文】
長年勤めた会社を定年退職し、万感の思いに浸った。

感慨深い
【意味】
しみじみと心に感じる度合いが強い

【例文】
このお菓子ははじめて自分の企画が通って商品化されたものなので、個人的にもっとも感慨深い商品です。

「感無量」は英語だと?

「感無量」を英語で表すときは、次のような表現が使えます。

「感無量」の英語
being filled with emotion:感慨無量、感無量
be deeply moved:感慨無量になる
deeply satisfied:満悦至極、とても満足
an intense feeling of fulfillment:強烈な充実感、大きな達成感

覚えやすそうな表現から頭に入れていき、機会があったらぜひ使用してみてください。

「感無量」はここぞというときに使おう

「感無量」は、ものすごく喜んでいて胸がいっぱいになる様子を表現する言葉です。

ビジネスでも用いることができますが、頻繁に使用していると喜びの大きさが相手に伝わらなくなってしまいます。ここぞというときに使うとっておきの言葉にしましょう。