ミレニアル世代とは?Z世代やゆとり世代との違いは?語源、言い換え、特徴なども紹介

「ミレニアル世代」とは「1980年代から1990年代なかばごろまでに生まれた人」のこと

「ミレニアル世代」とは、アメリカで生まれた概念で、2000年代の初頭に青年期を迎える世代を指しています。しかし、日本では考え方が少し異なるため、本記事では語源や日本でのミレニアル世代についてを詳しく解説するとともに、ほかの世代との違いなども紹介していきます。

「ミレニアル世代」の英語は「Millennials」

「ミレニアル世代」を英語で表すと「Millennials(ミレニアルズ)」といいます。千年紀ごとに区切った時代の区分を表す「millennium(ミレニアム)」という名詞の単語がありますが、これの形容詞系が「millennial(ミレニアル)」で、「世代」を表す「generation」を後ろにつけ、「Millennial Generation」という場合もあります。しかし、一般的に英語圏でミレニアル世代は「Millennials」と表現されるので覚えておきましょう。

別名「Generation Y」のミレニアル世代

ミレニアル世代は、「Generation Y=Y世代」とも呼ばれています。これは、前の世代(1965~1980年生まれ)が「Generation X=X世代」といわれており、アルファベットではXの次がYなので、「Generation Y=Y世代」となりました。では、なぜ「Generation X=X世代」だったのでしょうか?

「Generation X」を最初に使ったのは、ハンガリーの写真家「ロバート・キャパ」さんです。1950年代に第二次世界大戦後に成長し、活躍していく世代をテーマにしたフォトエッセイを制作することになりました。そのころ、未知のもの、何か新しいものを「X」で表現することが多かったことで、タイトルに「未知の新しい世代」という意味で「Generation X」と付けたのが由来だとされています。

「ミレニアル世代」の語源・意味

冒頭でも伝えたように、「ミレニアル世代」は、2000年代の初頭に成年期を迎える世代を表す言葉で、アメリカの概念です。しかし、日本においては、1980年代から1990年代なかば頃までに生まれた人たちで、主に、インターネットが飛躍期に進化してきた時代に育った世代を指しています。2022年時点では年齢が20代後半から40代前半があてはまります。

前述したように、ミレニアル世代の前の世代を「ジェネレーションX」と呼ぶこともあり、ミレニアル世代は「ジェネレーションY」「Y世代」と呼ぶことも多く、英語の読み方そのままに「ミレニアルズ」と表現する場合もあるので、関連付けて覚えておくと便利です。

「ミレニアル世代」の特徴

各世代ごとに特徴があるものですが、ミレニアル世代にはこのような特徴があると見られています。

ミレニアル世代の大きな特徴

・デジタルネイティブである
・価値観が前世代とは異なる
・人とのつながりを大切にする
・物欲が弱く経験良くが強い
・ワークライフバランスを重要視する
・複数の仕事をもっている

デジタルネイティブである

物ごころがつくころには、パソコンや携帯電話が身近にあり、触れ合う機会も多かったことで、IT製品が普及していた世代ということで、ミレニアル世代はデジタルネイティブであるといわれています。そのため、調べものは書籍よりもインターネットで検索することがほとんどで、SNSを利用している人も多いです。

しかし、ミレニアル世代でも40代は、幼少期にはまだIT製品にたくさん触れていない人も比較的目についていたため、ミレニアル世代はデジタルネイティブではなく、「先駆者」の意味を込め「デジタルパイオニア」であると考えられてもいます。

ワークライフバランスを重要視する

ワークライフバランスを日本語でいうと、「仕事と生活の調和」で、わかりやすく説明すると、仕事をそれ以外の時間のバランスをどのようにとるかという考え方を指します。昔の日本のサラリーマンのように、何を犠牲にしても仕事が優先、との考え方は持ち合わせておらず、プライベートの時間も大切にするといった特徴がみられます。そのため、自分自身で起業したり、フリーランスでできる仕事を目指したりする人も多いです。

複数の仕事をもっている

ミレニアル世代は、ひとつの会社で定年まで勤めあげるといった考えはもたない傾向にあり、自由な時間がもっとほしいと思ったときは、時間の融通がきく仕事へ、「こんなことがやりたい」と思ったときは、それが実現できる仕事へと迷わず転職することができます。今の仕事をやりながら、副業で手に職をつけるといった人も多いのがミレニアル世代といえます。

価値観が前世代とは異なる

X世代までは、ほかの人と違う行動をしたり、違った考え方をもっているのは恥ずかしいと思う世代でした。しかし、ミレニアル世代では「人は人、自分は自分」という考え方をもつ傾向にあり、人と違っても恥ずかしいとは思わない人が多いです。

人とのつながりを大切にする

ミレニアル世代はSNSを利用するようになっている世代なので、同じ趣味の人や、同じ考えをもつ人と直接会わなくてもつながりを持てるようになっています。そのため、「自分は自分」という考えをもってはいても、人とのつながりを大切にしたいとの思いを強くもつ傾向にあります。

物欲が弱く経験良くが強い

X世代はバブル期を味わっている人も多いため、ブランド嗜好であったり、高級車を所有していたりと、物欲も強い傾向にありました。しかし、ミレニアル世代では、必要最小限のものがあればいいと、消費行動を抑える人が多いです。その反面、「新しいことを始める」「行ったことのない場所に行く」など、経験欲は強くなっています。

「ミレニアル世代」の使い方・例文

「ミレニアル世代」は意味がわかれば使い方は難しくありません。ここでは会話の中でどのように用いられるのかを例文として紹介しておきます。

例文

・私は、年齢的にはZ世代だけど、考え方や行動パターンはミレニアル世代だと思う。
ミレニアル世代だけど、物欲は強い。例外はいるということをわかってほしいね。
ミレニアル世代でもSNSをまったくやっていない人はいるものです。

「ミレニアル世代」の類語・言い換え

「ミレニアル世代」をほかの言葉で言い換える場合は次のようなものがあります。

「ミレニアル世代」の言い換え表現

・Y世代
・ジェネレーションY
・2000年世代
・ミレニアルズ

「ミレニアル世代」と「Z世代」の違い

ミレニアル世代が「Y世代」なので、「Z世代」は次の世代、つまり、1995~2015年頃に生まれた世代を指します。

ミレニアル世代よりもさらに進化した時代に生まれているため、赤ちゃんの頃からデジタルデバイスが生活の中にありました。赤ちゃんをあやすために、スマホやタブレットで動画を見せているご両親もいますよね?そのほか、物心がついて通信系のゲームをするようにもなります。小学生の頃からSNSを利用している子も多く、IT分野についてはミレニアル世代よりも進化しているといえます。

しかし、自分らしさを追求したり、物欲よりも経験に価値を求める点においてはミレニアル世代と似ています。

「ミレニアル世代」と「ゆとり世代」の違い

「あの子はゆとり世代だから…」「まさにゆとり世代だね」という言われ方をすることが多い「ゆとり世代」とは、ゆとり教育が実施されていた1987~2004年に生まれた世代を指し、次のような特徴があるとされています。

ゆとり世代の大きな特徴

・ストレス耐性が低い。
・教育現場での競争を体験していないため、会社でのノルマ達成の必要性を感じにくい。
・責任を負うことを嫌うため、昇級を望まない。
・仕事よりもプライベートを重視する傾向にある。
・会社の飲み会などは、自分が行きたいと思うときだけ参加する。
・SNSが普及している時代に育ったため、対面のコミュニケーション力が低い。

【番外編】ほかにもいろいろある〇〇世代を紹介

X世代、Y世代、Z世代、ゆとり世代など、さまざまな世代の名称が付けられいるので、ここで比較的広く知られているものを一部を紹介しておきます。

団塊の世代

第一次ベビーブームと呼ばれた、1947~1949年代に生まれた世代を指します。必然的に就労人数も多く、一斉に退職となる年代には社会問題として取り上げられたこともあります。

バブル世代

1965~1970年生まれで、1987~1991年に就職した世代を指します。一人当たりの求人率が2倍近くあり、ボーナスも高く、バブル景気を経験している世代です。

氷河期世代

1970~1983年生まれで、バブル崩壊で景気が悪くなったときに就職を迎えた世代です。バブル世代とは異なり、二人に一人しか就職できないほどの求人率で、3月に卒業しても4月に新入社員になれなかった学生も多かったといわれています。

「ミレニアル世代」とほかの世代の違いを明確に理解しよう

ミレニアル世代を理解するためには、その前の世代であるX世代、後の世代のZ世代も把握しておかなくてはなりません。一つの世代が15~20年あるため、すべての人にその世代の特徴があてはまるわけではありませんが、比較の基準として覚えておきましょう。