「斜に構える」の正しい意味と読み方は?使い方や言い換え表現も紹介

「斜に構える」とは「物事を斜めから見る」という意味

「斜に構える」には、「物事を斜めから見る」「しっかりと身構える」の意味があり、剣術の構え方がもとになった言葉です。しかし、「物事を斜めから見る」と言われると、「ひねくれている」と解釈されることがあるため、正しい意味や使い方をしっかりと理解しておかなくてはなりません。本記事では、語源や例文も含め、わかりやすく解説します。

「斜に構える」の読み方

「斜に構える」の読み方は、「しゃにかまえる」ですが、「はすにかまえる」と言う人もいます。「どっちが正しいの?」と迷う人も多いでしょうが、どちらでも間違いではありません。しかし、一般的には「しゃにかまえる」が使われるので、覚えておいてください。

「斜に構える」の語源・意味

「斜に構える」は、剣術において、両手で刀の柄をもち、剣先を相手のほうに向けず、斜めに向けて構えることを指す言葉です。

これが転じて、「斜めに身構える」を表すようになり、派生してこれらの意味でも使われるようになりました。

「斜に構える」の意味

・物事を斜めから見る。
・物事に正対せず、皮肉めいた態度をとる。
・しっかりと身構える。
・妙にあらたまった態度をとる。

「斜に構える」の使い方・例文

「斜に構える」を「ひねくれた態度」と認識していた人にとって、正しい使い方には違和感があるかもしれません。しかし、今後正しく使いこなすためにも、ここで紹介する例文をぜひ参考にしてみてください。

例文

・今日の打ち合わせには専務も同席するとのことなので斜に構えて挑むとしよう。
・入社してからすっと斜に構えた態度をとっていたせいか、近寄りがたい人間だと思われているようだ。

これら2つの例文は、「改まった態度で」「身構える」の意味で使われています。
例文
・あの人はいつ声をかけても斜に構えるから話がぜんぜん進まない。
妙に疑い深い性格の人は、物事を斜めから見ることが多いですが、これも「斜に構える」ということになります。

例文

・そんな斜に構えた態度ばかりとらず、たまには素直に聞いたらどうだ?

また、なんでも素直な見方ができない人は、ひねくれた態度になってしまうため、「物事に正対せず、皮肉めいた態度をとる。」の意味で、「斜に構える」が使われます。

「斜に構える」の類語・言い換え表現

「斜に構える」をほかの言葉に言い換えたい場合は、次のようなものがあります。「斜に構える」をどの意味あいで使うかによって異なるため、状況に応じてうまく使い分けてください。

「斜に構える」の言い換え表現

・斜めからみる
・皮肉的な態度である
・横目でものを見る
・シニカル*な態度をとる
・しらけた目でみる
・冷笑的である
・偏屈な など

(シニカル*:皮肉屋。ひねくれた人。相手を小ばかにした。)

「斜に構える」の英語表現

「斜に構える」を英語で表現したい場合、日本でカタカナ用語としても使われている「シニカル(cynical)」が使えます。

・He is cynical about everything.
(彼はすべてにおいて斜に構えている。)
・You are cynical.
(あなたは斜に構えています。)

「斜に構える」の意味を理解し正しく使おう!

「斜に構える」は、冒頭でも伝えたように「ひねくれた態度」と認識している人も少なくありません。例えば、あなたが理解している「身構える」の意味で「斜に構える」を使っても、相手が「ひねくれた態度」の意味しか知らない場合は、言われた本人は気を悪くしてしまう可能性があります。

もし、その場の空気が悪くなったと感じた場合は、解釈違いを予測し、相手に説明したり、言い換え表現を使ったりして関係性の悪化を防ぐようにしましょう。