「益々」とはどんな言葉?
「益々」の意味は、「程度が一層はなはだしくなるさま。いよいよ。なおいっそう」です。
類語は、「更なる」「以前にも増して」「尚更」「輪をかけて」。
英語で表すときは、「more and more」などの表現を使います。
「益々」とはどんな意味?読み方は?
「益々」の読み方は「ますます」で、次の意味を表す言葉です。
・いよいよ
・なおいっそう
「益々」は、「数量や程度などが多くなる」や「数量や程度などを多くする」という意味をもつ、「益す」を2つ重ね意味を強めています。
後ろに続く言葉の意味を強調し、今後の状態が今よりも一層はなはだしくなるさまを表します。
また、「益」は次の意味をもつ漢字です。
②ためになる。役にたつ
③もうけ。とく
「益」はポジティブなニュアンスをもつ漢字のため、「益々」も状況が今よりもよくなるプラスの意味合いの文で使うのが一般的です。
しかし、マイナスの意味合いで使用されることがまったくないわけではありません。
「益々」と「ますます」の使い分け
「益々」は、見た目の印象が硬い言葉ため、日常のシーンではあまり使われません。
ビジネス文書や丁寧な手紙、年賀状などでの挨拶文で、「益々のご活躍をお祈り申し上げます」のような、相手のいい変化を祈るポジティブなニュアンスの表現で使用されるケースがほとんどです。
ただし、丁寧な手紙や年賀状であっても、友達などプライベートでお付き合いしている相手へ送る場合などは、優しい印象を与える「ますます」が用いられることも多いです。
意味は「今後、さらなるめざましい活動をされることを祈っております」です。
「ますます」は日常生活で使うことが多い
堅苦しい文章が好まれない日常生活では、「ますます」の表記を使用するほうがおすすめです。
例えば、「今後の展開が益々楽しみになってきた」や「話を聞いて益々好きになった」と書いても間違いではありません。しかし、より優しい言い回しに見える「今後の展開がますます楽しみになってきた」や、「話を聞いてますます好きになった」のように表記されることが多いです。
また、わかりやすさが重視される公用文でも、「益々」ではなく「ますます」が用いられています。
「益々」と「増々」の違い
「増々」は、「益々」の意味がわかりやすいように漢字が言い換えられた俗語です。
意味は「益々」と同じですが、「増々」は一般的には使われていません。「ますます」を漢字で書くときは、「益々」を使用することをおすすめします。
「益々」の使い方を例文で学ぼう
「益々」は敬語ではないですが、後ろにつながる言葉を相手に敬意を払う言い方にすることで、目上の相手に使える敬語表現にできます。「益々」の使い方を例文でイメージしてみましょう。
・皆様の益々のご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。(人に対して使う表現)
・皆様方の益々のご繁栄をお祈り申し上げます。(企業と人、両方に使える表現)
・益々もっておかしなことになってきた。
このうちの「益々もって」は、「益々」をさらに強めた表現。
『「益々」と「ますます」の使い分け』の見出しでも紹介しましたが、日常シーンでの「益々」はひらがなで「ますます」と書くことが多いです。
しかし、「ますますもっておかしなことになってきた。」のように後ろにひらがなの言葉が続く場合は、子どもっぽい文章に見えてしまったり、読みにくくなったりすることがあるため、漢字表記の「益々」を使用するのもおすすめです。
「益々」の類語・言い換え表現
「益々」の類語は、「更なる」「以前にも増して」「尚更」「輪をかけて」です。それぞれの意味と使い方もおさえておきましょう。
一層の。ますますの
【例文】
更なるご躍進をお祈り申し上げます。
すでにそうであるのに、よりその傾向が強まるさま
【例文】
以前にも増して注目度が上がっている。
物事の程度が前よりいっそう進むさま。ますます。一段と
【例文】
人手確保は、尚更困難な状況になっている。
一層はなはだしくする。さらに大袈裟にする
【例文】
例年に輪をかけて仕事が立て込んでいる。
「益々」は英語だと?
「益々」を英語で表すときは、次のような表現が使えます。
progressively:徐々に、だんだん、着実に進んで、進歩的に、革新的に
increasingly:ますます、いよいよ、だんだん
「益々のご活躍をお祈り申し上げます」や「益々のご発展をお祈り申し上げます」を英訳するときは、上で紹介した英語を使用して次のように表せます。
I wish your company many more and more successful years.(貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます)
「益々」をうまく使えるようになろう
「益々」は、ビジネスでもプライベートでも用いる機会の多い言葉です。ビジネス文書などの挨拶文で使うときは「益々」、そのほかのシーンでは「ますます」と書くのが一般的。
シチュエーションや相手に合わせてどちらの表記を使用するのか、うまく使い分けできるようになりましょう。