「ブッキング」の意味や使い方は?間違いやすいバッティングとの違い、言い換えも紹介

「ブッキング」とは「予約」「契約」「記帳」のこと

カタカナ用語が飛び交っている現代において、ブッキングは「予約する」「契約する」ことを指して使われることが多いですが、実は「記帳する」という意味もあるんです。また、ブッキングと他の言葉と間違えて使ってしまう人も多く、意味をあいまいに覚えている例も少なくありません。本記事では、ブッキングの正しい意味や使い方のほか、英語表現、言い換え表現、類語、関連語などもわかりやすく紹介します。

なお、ブッキングは「予約」「契約」の意味で広く使われているので、反対語は「キャンセル」が適しているといえます。併せて覚えておきましょう。

「ブッキング」の英語は「booking」

「booking」は、私たち日本人が、主に「本」の意味で使っている「book」の派生形で、「帳簿への記入」「簿記」「ホテルや乗り物などの予約」「出演契約」のほか、「容疑者逮捕の手続き」という意味ももっている単語です。

・I completed that booking.
(その予約を完了させた。)
・online booking system(オンライン予約システム)
・secure a booking.(出演契約を取り付ける)

日本語においての「ブッキング」とは

英語の「booking」がもとになっており、本来の意味は「帳簿に記帳する」「簿記」「予算計上する」で、昔は旅館などで予約を受ける際、帳簿に宿泊者の名前を記載していたことから、「予約」や「契約」の意味で使われるようになったといわれています。しかし現代では「予約」「契約」の意味で使われることが多いです。

「ブッキング」の使い方・例文

「ブッキング」は、カナカナ用語の中でも比較的よく使われる言葉なので、どのように会話に取り入れるのか迷うことはあまりないでしょう。しかし、間違った使い方をすることも多いので、念のために確認しておきましょう。

例文

・取引先を接待するため、料亭をブッキングする。
・社内の英語研修の講師をブッキングする。
・帰りの飛行機のブッキングを忘れていたため、帰国が一日遅れてしまいそうだ。

「ブッキング」の類語・言い換え

「ブッキング」を日本語で言い換えたいときは、多くの場合「予約する」や「契約する」になりますが、状況に応じて次の言葉に言い換えることも可能です。

「ブッキング」の言い換え表現

・先行予約
・直接予約
・取り決める
・申し合わせる
・専属契約
・新規契約
・独占契約 など

そのほか、カタカナ用語の中には、似た意味をもつ、「アポイント」や「リザーブ」があります。

リザーブ

リザーブは英語で「reserve」と表記し、「座席の予約をする」「ホテルの予約をする」という意味のほかに、「蓄え」「予備金」を指すことがあります。「予約する」という意味合いではブッキングと同じですが、リザーブは、どちらかといえば「キープする」のニュアンスが強いです。

アポイント

アポイントは「アポイントメント」を省略した形で、「診療予約」「会議室の予約」など、ある一定の場所や時間の取り決めをする際に主に使います。しかし、現代の日本のビジネスシーンにおいては、「ブッキング」も「アポイント」も同じ使われ方をしていることも多いです。

「ブッキング」関連語

「ブッキング」を単体で使ったり耳にしたりするのと同じくらいによく使われているのが「ダブルブッキング」や「オーバーブッキング」ではないでしょうか。これらも正しく意味を理解しておかないと、間違った使い方をする可能性があるので、これを機にきちんと覚えておきましょう。

ダブルブッキングとは?

ダブルブッキングとは、「交通機関の指定席」「ホテルの客室」「劇場などの座席」などで、同じ日時に2つの予約を受付てしまうことを指す言葉です。そのほか、同じ日時で2つの予定を入れてしまう場合もダブルブッキングといいます。

例文

・ホテルの手違いでダブルブッキングとなっていたが、ツインルームの空きがなかったため、スイートルームに泊まることができた。
・ミュージカルの座席がダブルブッキングしていたので、午後の部への変更をお願いされたが、都合が悪かったため返金してもらった。
・取引先との打ち合わせをダブルブッキングしてしまったため、急遽先輩に対応してもらい、事なきを得た。

オーバーブッキングとは?

ホテルや飛行機は、できるだけ空きを減らしたいため、ある程度のキャンセルを見越して、実際の客室数や座席数よりも多めに予約を受ける場合があり、これをオーバーブッキングといい、日本語では「過剰予約」表現します。

ホテルの場合、キャンセルが出ないときは、同等ランクかそれ以上のホテルを手配し、オーバーブッキングをしたホテルの責任において移動してもらい、支払いもホテルがもつのが通常です。飛行機の場合は、乗れないとお客様の移動に大きな影響を与えてしまうため、比較的便数の多く、振り替えがしやすい路線で使われている手法です。なお、ホテルの場合は、業界用語として「オーバーブック」という表現をすることもあります。

例文

・予約していた飛行機のエコノミー席がオーバーブッキングされていたため、空きのあったビジネスクラスに座ることができた。
・ホテル側のオーバーブッキングで、高くて予約しなかったほうのホテルに案内された。

混同しやすい「ブッキング」と「バッティング」の違い

「バッティング」とは、2件の予約日時が重なってしまうことを指しますが、「ブッキング」と異なり、予約はまだ確定しておらず、変更が可能な状態です。

「予定をそこに当てる」と認識して、ブッキングのつもりで「バッティング」を使ってしまうと、第三者からすると、予定が重なっていると勘違いされるので、間違わないように正しく使い分けてください。

【番外編】ブッキングドットコムって?

ブッキングドットコム(Booking.com)とは、オランダに拠点を置く、オンラインの宿泊予約を事業とする旅行会社です。そのほか、旅行に不随する旅券、レンタカー、アクティビティなどの予約も手軽にできるため、日本でも人気です。
(情報参照元:Booking.com

「ブッキング」の意味を理解し正しく使おう

カタカナ用語を使い慣れている中堅の会社員でも、「ブッキング」「バッティング」「ダブルブッキング」を混同して使っていることが多々あります。認識が異なると、予約がなかなかできないという事態におちいる可能性もあるため、それぞれの意味を正しく理解し、使えるようにしておきましょう。