タイアップとはどんな言葉?
タイアップの意味は、「協力・提携して行うこと」です。
類語は「コラボ」。
英語で表すときは、「tie-up」「tie-in」「team up with」「tie together」を使います。
タイアップとはどんな意味?
タイアップは次の意味をもつ言葉。
タイアップは、さまざまな業界でのビジネスでよく使われるカタカナ語です。
複数の企業が、それぞれの会社の知名度を上げることや、売上や利益をアップすることを目的に提携することを意味します。提携した企業が協力することで、単独での商業活動では得られない相乗効果を期待できます。
タイアップといった場合、提携している企業は対等ではありません。メインになって主導する企業に、そのほかの企業が協力する形をとります。
タイアップの種類
タイアップにはいくつもの種類があります。よくあるタイアップの形態をおさえておきましょう。
タイアップ広告とは
タイアップ広告とは、企業がメディアと提携し、メディアが扱う番組や記事のなかで自社の商品やサービスの紹介をしてもらう宣伝手法です。
提携相手は、雑誌やラジオ、テレビといった従来型のメディアだけではありません。Youtube、Instagram、ニュースサイトや情報サイトなどのWebメディアとのタイアップも増えています。
また、テレビをあまり観なくなった若い世代の目に留まりやすいツールには、スマホゲームもあります。ゲームのなかに商品やサービスを登場させ、ゲームを通じて商品やサービスを知ってもらうなどの手法も取られており、これもタイアップ広告の一種です。
タイアップ記事とは
タイアップ記事はタイアップ広告の手法のひとつで、記事スタイルでまとめた商品やサービスの広告のこと。
タイアップ記事の作成は、商品やサービスを取り扱う企業が行うのではなく、雑誌やニュースサイト、情報サイトなど、タイアップ相手に選んだメディアに依頼します。メディアに所属するライターに、第三者目線で商品やサービスを紹介する記事やその商材に関するインタビュー記事を書いてもらい、完成した記事はそのメディアを通じて公開されます。
タイアップ記事は、タイアップ相手のメディアで取り扱われている、ほかの記事と同じ形式で作成される場合が多いです。そうすることで広告っぽさが和らぎ、読者に好意的に受け入れてもらいやすくなります。
タイアップキャンペーン(タイアップ企画)
タイアップキャンペーンまたはタイアップ企画は、複数の企業が自社の商品やサービスの宣伝や販売促進のために、提携して行うプロモーション活動のこと。期間限定の宣伝活動の場合が多いです。
タイアップキャンペーン(タイアップ企画)は、タイアップする相手が持っている人気や信頼度、影響力などを利用した宣伝や販促ができます。そのため、自社単独でのプロモーション活動よりも大きな成果を上げやすいです。
企業のほかに、人気のアニメやドラマ、インフルエンサーと呼ばれるような有名人などとタイアップすることもよくあります。
タイアップ商品
タイアップ商品はライバル企業の商品と差別化し、自社商品をより魅力的に見せるために、他社とタイアップし企画した特別な商品のこと。
例えば、人気のアニメやタレントのイラストや写真がパッケージに印刷された、期間限定商品などがタイアップ商品です。
タイアップソング(タイアップ曲)
タイアップソングまたはタイアップ曲は、CMやテレビ番組、映画などに使われる曲のこと。
楽曲の知名度を上げアーティストの売上をアップするため、レコード会社が売り出したい楽曲をCMソングやテレビ番組、映画の主題歌などとして提供することがよく行われています。
例えば2022年6月には、ジャニーズ事務所所属の6人組男性アイドルグループ「SixTONES」の楽曲「オンガク」が、ソニーのヘッドホン「LinkBuds S」のCMにタイアップソングとして提供されました。
楽曲のタイアップは、曲を提供される側にもメリットがあります。
音楽と映像はセットで人の記憶に残りやすく、音楽または映像のどちらかに接したとき、その刺激でもう一方も記憶によみがえってくることが多いです。そのため、タイアップ曲の知名度が上がり聴く人が増えると、商品や作品を思い出し手に取ってくれる人もそれだけ増えやすくなります。
YoutubeのYoutuberタイアップとは
Youtuberタイアップは、Youtubeで企業がYoutuberとタイアップして、自社の商品やサービスをPRする手法のこと。Youtuberに動画のなかで、商品やサービスを紹介してもらいます。
Youtuberタイアップのメリット
Youtubeは動画の尺が長いため、商品やサービスの特徴や魅力、使い方などをくわしく紹介してもらえます。動画を通して商品の使用感などのイメージをつかめるので、購入を迷っている人が購入を決めるひと押しになりやすいです。
人気Youtuberには多数のファンや動画視聴者がついているので、Youtuberに商品をPRしてもらえれば、多くの人の目に留まることが期待できます。Youtuberに親近感や信頼を覚えているファンは、そのYoutuberが勧めるものならば試してみたいと購買意欲がわきやすいです。
また、Youtuberタイアップの動画はテレビCMなどと違い、そのYoutuberが動画を削除したりYoutubeチャンネルを閉鎖したりしない限り、何年たっても公開され続けます。そのため数年後、新たな視聴者が広告を目にし、商品を購入してくれることも期待できます。
Youtuberタイアップのポイント
Youtuberタイアップのポイントは、狙った層に効率よく商品やサービスをPRできるように、商品やサービスのターゲット層に人気のあるYoutuberをうまく見極めること。商品やサービスのイメージとかけ離れたYoutuberを選んでしまうと、いくら見る人が多くても視聴者に刺さらずタイアップの効果が出ません。
ステルスマーケティングにならないように、PRであることをはっきり明記することも重要です。
Instagramのタイアップ投稿とは
Instagramのタイアップ投稿は、企業から商品やサービスのPRを依頼されたインスタグラマーが、自分のアカウントでその商品やサービスに関する情報を投稿をすることです。
タイアップ投稿には「タイアップ投稿タグ」が必要
タイアップ投稿をするときは、ステマを防止するため「タイアップ投稿タグ」をつける必要があります。
従来のやり方では、タイアップ投稿をするときは、「#PR」や「#タイアップ」などのハッシュタグをつけてユーザーにタイアップ投稿であることを示していました。
しかし、現在は「#PR」「#タイアップ」でのタイアップ投稿表示は、表記がわかりにくいことがあるため推奨されていません。「タイアップ投稿タグ」を使い、より明確にタイアップ投稿であるとわかるようにすることが求められています。
「タイアップ投稿タグ」のメリット
「タイアップ投稿タグ」は、企業のアカウントにリンクしています。投稿で商品やサービスに興味を持ったら簡単に企業のアカウントに移動してよりくわしい情報を確認できるため、広告を集客や購入につなげやすいです。
また、「タイアップ投稿タグ」がつけられたインフルエンサーの投稿は、企業の広告として企業のアカウントでも活用できるようになります。
さらに、タイアップを依頼した企業が投稿の分析をできるようになり、後から広告の効果が出ているかを確かめられるようになるメリットもあります。
タイアップのデメリット
タイアップはいいことばかりではなく、時間と費用が余計にかかるデメリットもあるので覚えておきましょう。
単独での商業活動ではないため、タイアップ先との契約交渉や打ち合わせに時間と労力がかかり、実際にタイアップが実施されるまでにかなりの時間を必要とします。また、キャラクターを使用する場合のライセンス料や、広告制作を依頼する費用などが発生するため、費用が高額になりやすいです。
タイアップの使い方を例文で学ぼう
タイアップの意味がわかったら、次はカタカナ語としての使い方を例文でイメージしてみましょう。
・人気アニメとタイアップすることが決まった。
・映画とタイアップしたイベントを開催する。
・質の高いタイアップ投稿を心がけることは、インスタグラマーとして安定した収入を得られるようになるための重要なポイントだ。
タイアップの類語・言い換え表現
タイアップの類語は「コラボ」。コラボは「コラボレーション」を略した言葉です。
タイアップとコラボは、ニュアンスに若干の違いもあるので意味を確認しておきましょう。
タイアップは売上を上げることに重点を置いていますが、コラボはより価値の高い商品を作ることに重点を置いています。また、タイアップは提携する企業が対等ではなくメイン・サブがあるのに対し、コラボは対等な立場で協力し合うときに使う言葉です。
対等な立場であり、商品の価値を高めるというコラボのニュアンスは好まれやすいため、タイアップのかわりにコラボを使用することも増えています。
タイアップは英語だと?
タイアップは、英語では「tie-up」と表記されます。
・(会社の)提携、協力、合併、タイアップ
・(交通や仕事の)遅滞、停滞
・(船の)係留所
・(事故やストなどによる交通、仕事などの)不通、休業、停止
ただ、カタカナ語のタイアップのニュアンスを表現するときに、「tie-up」はあまり使われていません。タイアップを英訳するときは、次の表現が用いられることが多いです。
team up with:組んでする、共同する、組む、組を作る
tie together:結びつける、つじつまを合わせる
なかでも「tie-in」は、主導する企業、サブになる企業がある対等ではない関係というニュアンスがあるため、タイアップと同じ感覚で使用できます。
効果的なタイアップを考えよう
タイアップは、ほかの企業と提携して行うことを意味するカタカナ語です。いろいろな業界で使われている身近な手法のため、どのような形態があるかおさえておいて損はありません。
身の回りのタイアップに意識を向け、自分が取り扱う商品やサービスならどのようなタイアップが有効か考える練習をしてみましょう。