「慢心」の意味や使い方は?慢心する人って?類語、言い換え、対義語、英語も紹介

「慢心」とは「おごり高ぶる」という意味

「慢心」とは「おごり高ぶる」という意味をもつ言葉で、簡単に表現すると、「うぬぼれの心」「自慢する気持ちをもった心」となります。この言葉を聞くと、ネガティブなイメージをもってはいたものの、明確な意味はわかっていなかった人も多いのではないでしょうか。

本記事では、「慢心」の正しい意味や使い方のほか、類語、英語での表現方法などについてもわかりやすく解説します。

なお、対義語は、先入観をもっていない素直な心という意味の「虚心(きょしん)」、自分は劣っていると、低い位置に引き下げへりくだることを指す「卑下(ひげ)」があげられます。

「慢心」の読み方・意味

「慢心」は「まんしん」と読み、「おごり高ぶる」ことを指す言葉ですが、もう少し詳しく説明すると、次のようになります。

・うぬぼれた心をもつ。
・なんでもできると思いあがること。
・過剰なほどの自信をもち、なんでもこなせると思ってしまう状態。
・得意げな気持ちになり、相手を見下す。

「慢心」の使い方・例文

「慢心」は、おごり高ぶる相手に対してだけでなく、自分自身に対して「うぬぼれないように」など、戒めのためにも使う言葉で、会話の中では「~する/しない」「~せず」「~を」を続けて使うことが多いです。

例文

・初めて出した企画がスムーズに通ったせいか、彼は慢心して探求心がなくなってしまった。
慢心しているB君が同じ失敗を繰り返しているため注意をしたが、なかなか聞き入れようとしない。
・先輩の一言で彼の慢心を戒めることができたと思う。
・今回の結果に慢心せず、これからも研究を重ねていきます。
・証拠不十分で無罪となった容疑者は裁判が終わると慢心の笑みを浮かべて席を立った。

「慢心」の類語・同義語・言い換え表現

「慢心」の類語には、「過信」「傲慢」「自尊」「自負」があり、それぞれの意味は次のとおりです。

「慢心」の類語

【過信(かしん)】
自信を持ちすぎること。信頼しすぎること。
【傲慢(ごうまん)】
おごり高ぶり、人を見下すこと。もしくは、そのさま。
【自尊(じそん)】
自分自身を偉いと思い込むこと。自身の人格を尊重し、品位を傷つけないようにすること。
【自負(じふ)】
自分の所業や才能などに自信を持ち、誇らしく思うこと。

また、「慢心」をもっと簡単な言葉で言い換えたい場合は、このような表現方法があります。

「慢心」の言い換え表現

・上から目線
・自信過剰
・のぼせあがる
・うぬぼれる
・思いあがる など

「慢心」と「自信」の違い

「自信」には、「自分の能力や価値を信じる」「自分自身を信頼する心」という意味があります。「慢心」は、ちょっとした成功経験から、「なんでもできる」と錯覚をおこしてしまうという、行き過ぎた自信です。一方、「自信」は明確な成功体験を元に「自分はできる」というい気持ちが現れる様子を指します。

「慢心」の英語表現

「慢心」を英語で表現する場合は、「smug=独りよがりの、うぬぼれた」「ego=うぬぼれ、自尊心」が使えます。

【彼は慢心して練習をしなくなった。】
・He became smug and stopped practicing.
・He became ego and stopped practicing.

なお、日本語の中で使われている「エゴ」は、この英語の「ego」が語源となっているので、豆知識として覚えておくと便利です。

「慢心」は状況を正しく見極めて使うようにしよう

常に自信満々な言動をしている人を目にすると、嫌な感じがしたり、鼻についたりすることがあるかもしれません。しかし、「慢心」に見えても、その人にとってはしっかりとした根拠をもった言動のことがあります。ですので、自分の判断で決めつけてかからず、冷静に見極めるようにしましょう。