「ご連絡差し上げる」の意味は?敬語として正しい表現?使い方、英語についても解説

「ご連絡差し上げる」とは「連絡してあげる」ということ

「ご連絡差し上げる」は、「連絡してあげる」の敬語表現です。「ご」+「差し上げる」は、一見すると二重敬語に感じますが、実は謙譲語として正しい表現なんです。本記事では、正しい意味や使い方だけでなく、注意点や英語表現についてもわかりやすく解説します。

「ご連絡差し上げる」の意味

「ご連絡差し上げる」は「ご連絡」と「差し上げる」という2つの言葉から成り立っています

「ご連絡」は、「連絡」に敬語の接頭語の「ご」をつけた言葉で、自分が連絡する際に使う場合は謙譲語に、相手からの連絡を指す場合は尊敬語になります。

「差し上げる」は、「あげる」「与える」「やる」の謙譲語なので、「ご連絡差し上げる」は「連絡してあげる」という意味になるわけです。

「ご連絡差し上げる」の使い方・例文

「ご連絡差し上げる」は、口語だけでなくメールでもよく使う言葉です。しかし、「連絡してあげる」の意味のため、謙譲語であっても「上から目線」と不快に感じる人もいるので注意が必要です。

相手にメリットがある場合に使う

例文
契約書ができ次第、こちらからご連絡差し上げます
この例文の場合、相手は依頼していた契約書が入手できるというメリットがあるため、不快な気分になることはまずありません。

ただし、提出期限が遅れていたり、不備で作成に時間がかかっていたりし、相手に迷惑をかけている場合は、「遅れており申し訳ございません。」など、お詫びの言葉を忘れないようにしましょう

物を「差し上げる」場合も相手にメリットがある場合に使う

イベントの案内状などで「参加していただいた方全員にノベルティを差し上げます。」という言葉を目にすることがありますよね?このように、あげるのが「物」であっても、相手にメリットがある場合は、「差し上げる」を使っても上から目線と感じにくいです。

ご連絡差し上げるべきところ

例文

・先週末までにご連絡差し上げるべきところ、週明けになってしまい申し訳ございませんでした。
・本日中にご連絡差し上げるべきところですが、調査に時間がかかっており、明後日の回答になりそうです。

「ご連絡差し上げるべきところ」は、なんらかの事情で連絡できなかった場合や、連絡をすることができなさそうな場合に使うことが多いです。

ご連絡差し上げた次第です

例文
明日の資料を準備中で、御社の出席人数を確認したく、ご連絡差し上げた次第です
「ご連絡差し上げる」と「次第です」をあわせた言葉です。「次第です」は、「~というわけです」のニュアンスなので、この例文は「資料を作るために人数を知りたくて、連絡したというわけです」という意味になります。

ご連絡差し上げることも

例文
不明点が出た場合は、ご連絡差し上げることもあるかもしれません。
相手に確認の連絡をする可能性がある場合、事前にそのことを伝え、了解をとっておきたい場合によく使われる言葉です。

ご連絡差し上げるのが遅くなり

例文
ご連絡差し上げるのが遅くなり申し訳ございませんでした。
本来はもっと早く連絡をするべきなのに、連絡することができなかった場合によく使われる言葉です。

「ご連絡差し上げるようにいたします」の使い方はNG?!

回りくどく聞こえるだけでなく、「差し上げる」と「いたします」の2つの謙譲語が含まれる二重敬語になります。そのため、、表現としては「ご連絡差し上げます」が正しいです。

「ご連絡差し上げる」の言い換え表現

「ご連絡差し上げる」は「ご連絡いたします」への言い換えが可能です。「差し上げる」のほうがより丁寧な言葉だと感じる人も多いでしょう。

前述したように、「ご連絡差し上げる」は「連絡してあげる」の意味なので、上から目線に捉えられる場合もあります。一方、「ご連絡いたします」は、上からではない丁寧な表現なので、不快感を与える心配はないです。

しかし、目上の人や取引先の人に対して「いたします」より丁寧な表現にしたい場合は、「ご連絡申し上げます」が使えます

「ご連絡差し上げる」の英語表現

「ご連絡差し上げる」を英語で表現する場合は、「I will get back to you」「I will contact you later」が使えます。

・I will get back to you today.
(本日中にご連絡差し上げます。)
・I will contact you later as soon as possible.
(後日ご連絡差し上げます。)

「ご連絡差し上げる」の意味を理解し正しく使おう!

「ご連絡差し上げる」は、ビジネスシーンではよく使われるフレーズです。しかし、状況によっては「ご連絡いたします」や「ご連絡申し上げます」のほうが適している場合もあるので、意味を正しく理解し、上手に使い分けてください。