従事とは?意味や使い方の例文、言い換えに使える類義語も解説

「従事」とはどんな言葉?

「従事」の意味は、「ある物事に取り組み、仕事として携わること」です。

類義語は、「従業」「服務」「執務」「携わる」。

英語で表すときは、「engagement」「occupation」「practice」を使います。

「従事」とはどんな意味?読み方は?

「従事」の読み方は「じゅうじ」。次の意味を表す言葉です。

従事
ある物事に取り組み、仕事として携わること

「従事」はほかの事柄によそ見することなく、その職種だけに一途に取り組んでいるというニュアンスをもっています。仕事をする場所ではなく具体的な職種を指して使う言葉で、その職種で仕事をすることを意味します。

「従事」の使い方

「従事」は「医師、教師、事務員」や「農業、医療、教育」など特定の職種や業種を指して使う言葉です。例えば、履歴書の職歴欄に次のように使います。

2005年4月  株式会社〇〇に入社
事務員として従事
2022年11月 一身上の都合により退社

「従事」が使えないとき

「従事」が使えないときもあるのですが、使用できるときと違いがわかりにくいため、間違いやすいです。「従事」を使えないときがどんなときか、頭に入れておきましょう。

「仕事をする場所」にはNG
勤める会社など、仕事をする場所を指しているときは使えない。仕事する場所についていう場合は「勤務」を用いる。
(例)希望がかない、東京本社で勤務できることになった。
「役職」にはNG
仕事の役職を指しているときは使えない。役職についていう場合は「勤める」を使用する。
ただし、例2のように職種や業種に絡めた言い方なら使用可能。
(例1)株式会社〇〇で、研究主任として勤めている。
(例2)主任として研究開発業に従事する。

覚えておきたい「従事」の関連語

「従事」には、おさえておきたい関連語がいくつかあります。どのような言葉があるのかみてみましょう。

従事者とは
行っている人、作業している人、職業にしている人、その仕事に携わっている人
従事年数とは
その職種で仕事をした年数のこと
※ひとつの職場での年数だけでなく、前職や前々職などでの年数も加算できる

「従事」の使い方を例文で学ぼう

「従事」の意味がわかったら、次は言葉の使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文
・法律事務所で弁護士として従事する。
・医療従事者向けのセミナーを開催する。
・危険物取扱者とは、危険物を製造、貯蔵、取り扱いする施設で危険物を取り扱う作業に従事するために必要な国家資格です。
・健康に悪影響があると労働安全衛生法で定められた、一定の業務に常時従事している労働者には、特殊健康診断を行う必要がある。
従事の意味を辞書で調べた。

「従事」の類義語・言い換え表現

「従事」の類義語は、「従業」「服務」「執務」「携わる」です。それぞれの意味や使い方をおさえておきましょう。

従業
【意味】
社員・店員として業務に従事すること。ある仕事に携わること

【例文】
・従業員の希望を採用し、食堂に自販機を設置することにした。
・他県で従業する県民が多い。

服務
【意味】
職場で職務・任務に従事すること。仕事に従事すること

【例文】
職員の服務に関するルールを見直す。

執務
【意味】
事務を取り扱うこと。業務についていること

【例文】
節電のため暖かい服装で執務に当たる。

携わる
【意味】
事業や事業計画に関与する。参画する。従事する

【例文】
新規プロジェクトに携わることになった。

このうちの「携わる」は、中心となって行うのではなく力を貸すというニュアンスがあります。「従事」と違い、その仕事ばかりをしているというわけではありません。

「従事」は英語だと?

「従事」は、英語だと「engagement」「occupation」「practice」を使って表します。

「従事」の英語
engagement:従事(没頭)していること、雇用、雇用契約
occupation:職業、業務、従業、(生計を立てる)仕事
practice:仕事、実務、従事する、開業する

「従事する」は、「engage in ~(~に従事する、~に携わる)」や「work in ~(業界で働いている 、ある種類の場所で働いている)」を用いて英訳できます。

「従事」は職業に対して使う言葉

「従事」は特定の職業についていることを意味する言葉です。その仕事に一途に取り組んでいるというニュアンスももっています。

「従事」は、働いている会社や役職についていうときには使用できません。紹介した使い方の例を参考に、正しく使えるようになりましょう。