「同上」とはどんな言葉?
「同上」の意味は、「前に述べたことと同じである」「上に記した内容と同じである」です。
類語は、「同左」「同右」。
英語で表すときは、「same as above」を使います。
「同上」とはどんな意味?読み方は?
「同上」の読み方は「どうじょう」です。次の意味をもつ言葉です。
・上に記した内容と同じである
「同上」は書き言葉のため、会話のなかで使われることはありません。
「同上」は履歴書で使う
「同上」は履歴書やエントリーシートで使うことが多い言葉です。
ただし、履歴書やエントリーシートは、同じ内容を何度も繰り返し記入しなければなりませんが、繰り返しのすべてに「同上」を使用できるわけではありません。
履歴書やエントリーシートで「同上」を用いることが許されるのは、住所や電話番号を繰り返し記入しなければならないときです。
例えば、家に固定電話を設置していない場合に、固定電話の電話番号を書く欄に、先に記入した携帯電話の番号と同じという意味で「同上」と記入します。
また、実家暮らしの人が、「緊急連絡先の住所と電話番号」や「帰省先の住所と電話番号」を書くときにも、「同上」を使用できます。
注意点①:ひとり暮らしの緊急連絡先には使わない
ひとり暮らしの人の場合、「緊急連絡先の住所と電話番号」や「帰省先の住所と電話番号」に「同上」を使うのはNGです。
ひとり暮らしなのにこれらの項目で「同上」を使用してしまうと、会社が緊急の連絡を取ろうとしたときに連絡がつかず、問題が大きくなってしまいます。トラブルを避けるため、しっかりと自分以外に連絡のつく連絡先を記入するようにしましょう。
注意点②:保護者欄には使わない
未成年者が履歴書を提出するときに使う保護者欄は、世帯主が正確な情報を記入する必要があります。
世帯主と同居している場合も、「保護者欄の住所と電話番号」に「同上」を使うことはできません。世帯主に正式な住所や電話番号を記入してもらってください。
注意点③:メールアドレスにはなるべく使わない
履歴書によっては、メールアドレスを2つ記入する必要があるものもあります。メールアドレスをひとつしかもっていない場合は、2つ目の欄に「同上」を使うこともできますが、なるべく2つ目のメールアドレスを用意して記入することをおすすめします。
それは、メールアドレスを登録する会社の担当者が、間違って登録してしまうケースもあり得るからです。万が一に備えて2つ目のアドレスを用意しておくと、会社からのメールが届かなくなるトラブルを避けられます。
注意点④:学歴や職歴には基本使わない
学歴や職歴も、履歴書やエントリーシートで、何度も繰り返し同じことを書かなければならなくなる項目です。手書きするのは大変なため「同上」を使いたくなりますが、学歴や職歴に「同上」を使うのはおすすめしません。
学歴や職歴に記入するのは、自分がお世話になった学校や会社の名前です。お世話になっている相手の名前を「同上」で済ませてしまうと、見る人はあなたに失礼な人だという印象を抱いてしまいます。
また、履歴書やエントリーシートで「同上」を多用しすぎることは、手抜きの印象を与えてしまうので、学歴や職歴にまで「同上」を用いるのはやめたほうがいいのです。
注意点⑤:記号は使わない
「同上」と同じ意味をもつ記号に、「〃」があります。
「〃」は見る人にカジュアルな印象を与えてしまうため、履歴書で「〃」のマークを使うことはできません。
「同上」はビジネス文書でも使える?
「同上」をビジネス文書で使えるかどうかは、その時々で違ってきます。
例えば、部署のメンバーだけに配布するような、それほど重要ではない連絡文書などには、「同上」を使っても大丈夫です。
しかし、署名捺印が必要なものや、文言の加筆削除が簡単にはできない重要な書類など、正式な文書には「同上」は使えません。また、契約書も重要なものは「同上」を使用できません。
「同上」が使えるかわからないときは担当者に確認するか、「同上」を使用せずに正式な内容を記入することをおすすめします。
「同上」の使い方を例文で学ぼう
「同上」の意味や使うときの注意点がわかったら、次は言葉としての使い方を例文でイメージしてみましょう。
電話受付時間も同上です。
「同上」の類語・言い換え表現
「同上」の類語は、「同左」「同右」です。それぞれの意味と使い方もおさえておきましょう。
左に書いたことと同じであること
【例文】
同左に対する対応は次の通りです。
「同左」は、横書きの文書で、すぐ左に記入した内容と同じものを繰り返し記入するときに使います。
右に書いたことと同じであること
【例文】
同右〇〇学科卒業
「同右」は、縦書きの文書で、すぐ右に記入した内容と同じものを繰り返し記入するときに用います。
「同上」は英語だと?
「同上」を英語で表すときは、「same as above」を使います。
話し言葉やカジュアルな文書のときは、「ditto」も使用できます。
「同上」は状況を選んでうまく使おう
「同上」は、「前に述べたことと同じである」や「上に記した内容と同じである」の意味で使われる言葉です。
履歴書やエントリーシートで用いる場合が多いですが、使用するときにはいくつかの注意点があります。
「同上」を使える状況か、よく考えてから使用するようにしましょう。