「結構です」の意味とは?目上の相手には失礼?言い換え語や英語も解説

「結構です」とはどんな言葉?

「結構です」の意味は、「(それで)いいです、申し分ないです、問題ありません」と「(十分だから)これ以上は必要ありません」です。

類語は、「差し支えございません」「遠慮いたします」など。

英語で表すときは、「Yes, that’s fine.」「No, I’m fine.」などの表現を使います。

「結構です」とはどんな意味?読み方は?

「結構です」の読み方は「けっこうです」です。次の意味で使われます。

結構です
①(それで)いいです、申し分ないです、問題ありません
②(十分だから)これ以上は必要ありません、要りません

「結構です」は、許可や肯定のニュアンスの①の意味と、否定や断りの意味合いの②の意味の、真逆の2つの意味をもつ言葉です。

「結構です」は、「結構」に丁寧語の「です」をつけた正しい敬語のため、ビジネスで使えます。

「結構です」を使うときの注意点

「結構です」を使うときには、いくつか注意しなければならない事柄があります。間違った使い方をしないようにここでしっかり押さえておきましょう。

あやふやな言い方はしない

「結構です」は、許可・肯定と否定・断りの真逆の意味を表す言葉です。そのため、使用するときはどちらの意味で使っているのか、はっきり相手に伝わる言い方を心がけなければなりません。否定と肯定どちらともとれるあやふやな言い方をすると、自分の意思に反した解釈で話を進められてしまう場合があります。

例文
・はい、結構です。それでお願いします。
・すみませんが、今回は結構です。

逆に、相手がどちらともとれるあやふやな言い方で「結構です」を使用してくるケースもあります。そのようなときは、相手の意図がどちらなのかを確認するようにしましょう。

「大丈夫です」も要注意

砕けた印象に聞こえるためビジネスには向きませんが、私生活で使いがちな「大丈夫です」も肯定・否定どちらでもとれるあやふやな言葉です。

「結構です」と同様に、使用するときは意図が伝わる言い方を心掛けましょう。

目上の相手には向かない

目上の相手に何かを尋ねられたときに、肯定・否定どちらの意味であったとしても「結構です」と返事をするのはNGです。

その理由は、「結構です」に何らかの判断を下す意味合いがあるため。また、「結構」は昔から身分が上の人が下のものに対して「それで問題ない」「よろしい」と許可を出すときに使われていた言葉です。このことから、「結構です」も目上の相手に使用すると失礼になるといわれています。

上から目線で生意気だと思われてしまいかねないので、目上の相手からの質問に「結構です」と答えるのはやめましょう。

問いに対する返答でなければ目上の相手に使ってもOK

目上の相手に対しても、問いに対する返答でなければ「結構です」を使える場合があります。

例文
・お手すきのときで結構ですので、こちらの資料の確認をお願いします。
・最初の何分間かだけで結構ですので、新人研修に顔を出していただけないでしょうか?
・バーベキュー用の食材はこちらでご用意しておりますので、お持ちいただかなくても結構です。

これらは、相手を評定するような文言ではないため、「結構です」を使っても失礼な物言いにはなりません。

冷たい言い方に聞こえないように注意

「結構です」を否定の意味合いで使うとき、「結構です」のみで返事をしてしまうとぶっきらぼうで冷たい印象の物言いに聞こえてしまいます。

相手が同等の立場の人や目下の相手であったとしても、心証がよくないのでやめましょう。

次のように理由や感謝の言葉などを添えて使うと、「結構です」をやわらかい言い方に変えられます。

例文
・いいえ結構です。お気遣いありがとうございます。
・たくさんいただいたのでもう結構です。ごちそうさまでした。
・あいにく予定が入っておりまして、今回は結構です。また別の機会にお願いします。

疑問の形では使わない

「結構です」は、自分がそれで満足していることを表す言葉です。そのため、相手が満足しているかを尋ねる文面で使うと失礼な物言いになってしまいます。

「こちらのお品物で結構でしょうか?」や「こちらのプランで結構ですか?」などの言い方をする人もいますが、これは間違い。

この場合は、「こちらのお品物でよろしいでしょうか?」や「こちらのプランでいいですか?」のように、「良い」に言い換えてください。

「結構です」の類語・言い換え表現

「結構です」は、目上の相手に使えないことがあったり、きつい印象に聞こえてしまったりします。「結構です」が使いにくいときは、柔らかく聞こえる別の言葉に言い換えましょう。

肯定の「結構です」の類語・言い換え表現

許可や肯定のニュアンスの「結構です」の類語は、「差し支えございません」「構いません」「問題ございません」「そちらでお願いします」です。次のように使います。

例文
・途中参加や途中退席をしていただいても差し支えございません。
・飲食物をお持ち込みいただいても構いません。
・当日飛び入りでご参加いただいても問題ございません。
・はい、そちらでお願いします。

否定の「結構です」の類語・言い換え表現

否定や断りの意味合いの「結構です」の類語は、「遠慮いたします」「もう十分です」「お断りします」「どうかお気遣いなく」「お気持ちだけいただきます」です。

例文
・今回は遠慮いたします。
・もう十分です。ありがとう。
・せっかくのお話ですが、お断りします。
・お気持ちだけで十分ですので、どうかお気遣いなく。
・せっかくのお申し出ですが、お気持ちだけいただきます。

「結構です」は英語だと?

「結構です」を英語で表すときは、次のような表現を使います。

肯定の「結構です」の英語
That’s fine. Thank you so much. : それで結構です。ありがとうございます。
否定の「結構です」の英語
No, I’m fine.:いいえ、結構です。
Thank you, but I’m fine.:ありがとうございます、でも結構です。
I’m good, Thank you.:結構です、ありがとうございます。
Thank you, but I’m OK.:ありがとうございます、でも結構です。

伝えたいニュアンスに近い表現を選んで使ってください。

「結構です」を上手に使おう

「結構です」は、「(それで)いいです、申し分ないです、問題ありません」と「(十分だから)これ以上は必要ありません」の、真逆の意味で用いられる言葉です。

どちらの意味なのかあやふやになる使い方をすると、自分の希望とは異なる対応を相手にされてしまう場合があります。

相手に自分の意志がはっきり伝わるよう、上手に「結構です」を使いましょう。