セグメントの意味とは?ビジネスやIT分野での意味、類語についても解説

セグメントとはどんな言葉?

セグメントの意味は、「分割されたものの一部分」です。

類語は、「パート」「セクション」。

英語で表すときは、「segment」を使います。

セグメントとはどんな意味?

セグメントは、次の意味をもつカタカナ語です。

セグメント
分割されたものの一部分。区分。階層

集団やまとまりをいくつかに区切って考えたときの、一つひとつの塊がセグメントです。また、集団やまとまりを一定の条件でグループ分けし、セグメントを作ることをセグメント化といいます。

分野によって異なるものを指してセグメントが使われているので、それぞれの分野でのセグメントをみてみましょう。

ビジネスでのセグメントの意味

ビジネスでは、マーケティングや企業情報開示の話でセグメントが使われます。

マーケティングでのセグメント

マーケティングでのセグメントは、市場分析で消費者の層を何らかの指標で細分化したときの、一つひとつのまとまりを意味しています。

市場分析では、次のような基準でセグメント化するケースが多いです。

セグメント化の例
・国、地域、大都市、地方、気候、文化、宗教、住宅街、オフィス街など、地理的な違いによる区分
・年齢、世代、性別、収入、職業、最終学歴、家族構成、世帯人数、ライフステージなど属性の違いによる区分
・性格、価値観、ライフスタイル、趣味、志向など心理的な特徴の違いによる区分
・商品の使用状況、利用頻度、利用タイミング、購買歴、商品に関する知識のあるなしなど、行動面の特徴の違いによる区分

セグメントマーケティング

消費者層をセグメントに分けて分析することで、売上につながるマーケティング戦略を組み立てやすくなります。セグメントに合わせたマーケティングを行うことをセグメントマーケティングと呼びます。

セグメントマーケティングでは、どのセグメントに属する消費者をターゲットに、どのようなアプローチをするべきか、市場のなかでの自社の商品のポジショニング(立ち位置、特性)とあわせて考えていきます。

セグメント配信

セグメント配信は、セグメントを利用したメールマーケティング手法です。

企業が獲得している見込み顧客をセグメント化し、セグメントごとにそこに属する見込み顧客に合わせた内容のメールを送信します。

相手の特徴を把握したうえで、その相手のニーズに合った情報を配信するため、顧客に興味をもってメールを読んでもらいやすくなります。

企業情報開示でのセグメント

企業情報開示でのセグメントは、企業の内部を何らかの指標で細分化したときにできる一部分を意味します。

例えば、ひとつの企業が複数の事業を手掛けていたり複数の地域に進出していたりする場合は、「事業」や「地域」の違いで区分し、それぞれを別のセグメントとみることができます。また、グループ会社で製造部門や販売部門を別会社にしているケースでは、別会社となっているそれぞれの部門をセグメントとみなせます。

多角化した事業を展開する会社の場合、異なる事業の収益が合算された財務諸表だけでは、その会社の経営実態を読みとることは難しいです。

そのため上場企業は、事業ごとの収益性を判断できるように、セグメントごとに売上や利益、損失、資産、投資金額などの財務情報をまとめ、開示することが求められています。

MEMO
セグメントごとの利益は、セグメント利益と呼ばれます。

そのほかの分野でのセグメント

ビジネス以外の分野でもセグメントは使われています。身近なものもあるので、どこでどのような意味のセグメントが使用されているか頭に入れておきましょう。

IT分野でのセグメント

IT分野でのセグメントも基本の意味は、「分割されたものの一部分」。次の2つの意味で使われるケースが多いです。

①ネットワークのセグメント

ネットワークの話でのセグメントは、大きなネットワークを管理しやすい適度な大きさのネットワークに区分したときの、小さなネットワークの一つひとつのこと。

ネットワークは、部署や組織ごとに分けられる場合が多く、セグメント化することで通信速度の低下を招くネットワークの混雑を緩和できます。また、ほどよい大きさにセグメント分けすることで、セキュリティの設定や管理もしやすくなります。

②プログラムのセグメント

データ量が多いプログラムやファイルをメモリ(データを記憶する部品)に読み込ませるときは、適度な大きさにデータを分割してメモリに記憶させます。この一つひとつのデータの塊のことをセグメントと呼びます。

セグメントは、使用するメモリのスペースにとって無駄の少ない配置ができる大きさと、処理をするときの手間がかかりすぎない大きさの兼ね合いを考えて、ほどよい大きさに分割されます。

土木関係でのセグメント

土木関係でのセグメントは、トンネル工事で使われる円弧状のブロックのこと。トンネル工事では、穴を掘りながらセグメントを組み立て、掘ったトンネルが崩れてしまわないように壁面を覆っていきます。

セグメントは、鉄筋コンクリートでつくられているものや、鋼製のもの、鋳鉄製のものなどいろいろな種類があります。

ピアスのセグメント

ピアスには、セグメントリングと呼ばれるリングピアスがあります。

セグメントリングは、リングピアスの輪の一部が本体と完全に分離する構造で作られています。本体と分離するパーツの切れ目に力を加えると、パーツが外れます。このとき、パーツをなくしやすいので、注意が必要です。

リングをはめ込むときは、本体とパーツの片側の凹凸を合わせてから力を入れて、反対側の凹凸を押し込みます。

セグメントの使い方を例文で学ぼう

セグメントの意味がわかったら、次はカタカナ語としての使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文
・見込み顧客をセグメントする。
・効果的なセグメント戦術を練る。
セグメントマーケティングの事例を紹介する。

例文のように、大きなまとまりをセグメントに分けることを、「セグメントする」という場合があるので覚えておきましょう。

セグメントの類語・言い換え表現

セグメントの類語は、「パート」と「セクション」です。しかし、セグメントと「パート」「セクション」のニュアンスには違いもあります。

それぞれの意味や使い方もおさえておきましょう。

セグメントとパート

パートは、次の意味をもつカタカナ語です。

パート
・部分。区分。章や編
・役割。分担。職分
・音楽で、ひとつの声部。楽器別の受け持ち部分
・「パートタイム」「パートタイマー」の略

パートをセグメントの類語としてみるとき、大きなものの一部分であることは、セグメントとパートで共通しています。

セグメントはものを「物理的に分割する」というニュアンスがありますが、パートは「物理的に分割する」ことを重要視していません

パートは次のように使います。

例文
パートごとにポイントを解説する。

セグメントとセクション

セクションは、次の意味をもっています。

セクション
・ほかと区別される部分。部門
・会社や団体などの部局。課
・文章の一区分
・新聞などの一欄

セクションは、「ほかのものと区別するために」区分された一部分のこと。

セグメントとそれほど区別せずに使える場合と、使い分けたほうがいい場合があります。

例えば、ターゲットにする見込み客の層をいいたいときは、セグメントがよく用いられます。オフィススペースの区分をいいたいときや、「経理部門」「営業部門」など会社の部門を区別したいときは、セクションが使用されることが多いです。

例文
セクションごとの要望をもとに、新オフィスのデザインを作成する。

セグメントは英語だと?

セグメントは、英語では「segment」と表記されます。

segment
・(自然にできている)部分、区切り、区分、断片、切片
・(円の)弓形、体節、環節、弧
・(テレビやラジオ放送などの)一区切り、一番組、ひとコマ
・(数学)直線の線分
・(言語学)分節
・(コンピュータの)セグメント
・(生物)体節

「segment」は、たくさんの分野で使われる単語です。分野ごとに異なるものを指しているので、英訳するときは、話の内容に合う意味をうまく選んでください。

セグメントの意味を理解しよう

セグメントの基本的な意味は、「分割されたものの一部分」です。この意味をもとにして、ビジネスをはじめいろいろな分野で、異なるものを指してセグメントが使われています。

それぞれの分野でのセグメントの意味も頭に入れておき、状況に合わせて正しくセグメントのニュアンスを読みとれるようになりましょう。