オーバーホールとはどんな意味?修理、メンテナンスとの違いや英語も解説

オーバーホールとはどんな言葉?

オーバーホールの意味は、「機械や装置類の全体を分解して点検、修理、清掃し再組立てすること」です。

類語は、「レストア(リストア)」「リペア」「メンテナンス」「リビルド」。

英語で表すときは、「overhaul」を使います。

オーバーホールとはどんな意味?

オーバーホールは、次の意味をもつカタカナ語です。

オーバーホール
機械や装置類の全体を分解して点検、修理、清掃し再組立てすること

オーバーホールは、機械製品が安全・正常に運転できているかの確認と、長期間使用することによって落ちてきた性能を新品に近い状態に戻すため、一定時間ごとに行われる作業です。製品を部品単位まで分解して、徹底的に検査し、錆や汚れを落とす洗浄や注油、摩耗や損傷をしている部品の修理、交換などをしていきます。

産業機器や車、バイクなどの大きな機械のほか、時計のような小さな機械でもオーバーホールは行われます。

スポーツでのオーバーホール

スポーツでのオーバーホールは、選手がシーズンオフの間に温泉に入るなどして、シーズン中に酷使してきた身体のケアを行うことを意味します。

また、故障した選手や持病を持っている選手が温泉で療養したり、人間ドックを受診したりするなど、健康管理を行うこともオーバーホールといわれます。

オーバーホールと修理の違い

修理は、すでに故障や不具合が起こっていることがわかっているものを、そのトラブルが起こっている部分のみ、部品交換したり修復したりしてまた正常に使えるように直すことです。

オーバーホールは、定期的に、故障や不具合の発生を認識していなくても行われるためそこが違います。また修理は、オーバーホールのように、全体を分解してすべての部品を確認するようなことはしません。

オーバーホールと修理は違う作業ですが、オーバーホールの結果故障がみつかり、修理が必要になる場合はあります。

オーバーホールのメリット

オーバーホールすることで故障を少なくし、長く安定的に働かせられるようになります。高額な機械や装置の場合は、新しいものに買い替えるよりもコストを抑えられます。

すでに製造販売が終了している機械や、一点物の商品、愛着のある品物の寿命を延ばし、長く使えるようになります。

オーバーホールのデメリット

オーバーホールは、複雑な構造をしている機械や装置の全体を分解し、元通りに組み立てなおさなければならないため、高度な知識と技術を持つ職人にしかできません

徹底的に検査清掃を行うため、完了までに長い期間が必要で、料金も一般的な修理より高いです。

オーバーホールの使い方を例文で学ぼう

オーバーホールの意味がわかったら、次はカタカナ語としての使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文
オーバーホールの値段の相場を調べる。
・ロレックスなどの高級な時計は、定期的にオーバーホールすることをおすすめします。
・愛車のエンジンのオーバーホールができる整備工場を探している。
・オメガの希少モデル入荷。オーバーホール済みです。

オーバーホールの類語・言い換え表現

オーバーホールの類語は、「レストア(リストア)」「リペア」「メンテナンス」「リビルド」です。しかし、オーバーホールとこれらのカタカナ語の意味には違いもあります。それぞれの意味や使い方を頭に入れておきましょう。

レストア(リストア)

レストア(リストア)は、次の意味をもつカタカナ語です。

レストア(リストア)
故障したビンテージ品や劣化したビンテージ品を製造された当時と同じ状態に戻すこと

レストア(リストア)は、故障や劣化してからの修理であることが、オーバーホールとの違いです。

例文
幻の絶版車を発見し、レストアした。

リペア

リペアの意味は次の通りです。

リペア
修理。修繕。手直し。復旧作業

リペアは故障や劣化してからの修理であることと、すべて分解しての修理というニュアンスがないことが、オーバーホールとの違いです。

例文
壊れた革のバッグをリペアする。

メンテナンス

メンテナンスは、次の意味をもっています。

メンテナンス
維持。管理。保守。整備

メンテナンスはオーバーホールほど大掛かりではない、一般的な点検や整備のことをいいます。

例文
連休中に機械のメンテナンスを実施する。

リビルド

リビルドは、次の意味をもつ言葉です。

リビルド
・建物の再建、改築。機械類の分解修理、改造
・物事をやり直すこと

機械の話でのリビルドは、劣化して使えなくなった機械類を分解し、部品交換するなどして再び使えるようにすることを意味します。使用できなくなったものに対して行う作業であることが、オーバーホールとの違いです。

例文
リビルト品を活用して車を修理する。

オーバーホールと完全に同じ意味になるカタカナ語はないため、言い換えるときは日本語の「分解点検」を用いるのがおすすめです。

オーバーホールは英語だと?

オーバーホールを英訳するときは、「overhaul」を使います。

overhaul
・徹底的に点検する。整備する。分解検査する。分解修理する
・追いつく。追いついて追い抜く
・分解修理。総点検。全面的な見直し。徹底的調査

「overhaul」の意味のうち、「追いつく。追いついて追い抜く」はカタカナ語のオーバーホールにはない意味です。和訳するときは注意してください。

【おまけ】ヒロアカのオーバーホール

漫画「僕のヒーローアカデミア」のオーバーホールは、人気のあるボス敵キャラの呼び名。オーバーホールの本名は治崎廻です。

オーバーホールは、触れたあらゆるものを分解、修復・治療、融合できる能力を持っています。カタカナ語のオーバーホールの意味に通じる能力ですね。

アニメでは、声優の津田健次郎さんがオーバーホールの声を担当しています。

オーバーホールの意味を正しく読み取れるようになろう

オーバーホールの意味は、「機械や装置類の全体を分解して点検、修理、清掃し再組立てすること」です。機械の話で使われることが多いですが、スポーツ選手の体のケアを意味する場合もあります。オーバーホールの意味を頭に入れておき、文脈に合うニュアンスを正しく読み取れるようになりましょう。

また、不具合が出てから行われる修理や、日常的な点検・整備を意味するメンテナンスなどとはニュアンスが違います。伝えたい意味合いに合わせて、使い分けできるようになりましょう。