インプレッションとは?広告やSNSでの意味、類語や英語も解説

インプレッションとは?

インプレッションとは、「印象。感銘」を基本的な意味としてもつカタカナ語です。ここからニュアンスが広がって、「広告が掲載された印刷物などが人々の目に触れること」や、「広告などの表示(掲載)回数」の意味合いでも使われるようになりました。

ビジネスでは、「広告などの表示(掲載)回数」の意味で使用されることが多いです。また、商品などものから受ける「印象。感銘」という意味でも用いられています。

「広告などの表示(掲載)回数」とは

「広告などの表示(掲載)回数」は、Webマーケティングの話でインプレッションを使うときの意味です。

広告や記事コンテンツ、SNSなどが、ユーザーが用いているデバイスのディスプレイ上に表示された回数のことをいいます。ユーザーに見られた広告や記事コンテンツ、SNSなどが、そのユーザーに何かしらの印象を与えることから、「広告などの表示(掲載)回数」がインプレッションと呼ばれています。

インプレッションは、ただ表示された回数のみを数えます。ディスプレイに表示された後ユーザーにクリックされたかや、何人のユーザーがそれを見たかは考慮していません。

この意味のインプレッションは、インプレッション数といわれることもあります。

広告でのインプレッションの意味

広告でのインプレッションは、ひとつのWebページがディスプレイ上に1回表示されたのだとしても1とは限りません。ひとつのWebページのなかに同じ広告が複数掲載されるケースがよくあり、この場合は掲載されている広告の数がインプレッションになるので注意してください。

例えば、ひとつのWebページのなかに同じ広告が3つ掲載されていたとしたら、その広告のインプレッションは3です。

また、Webページの表示が完了する前にユーザーが元のページに戻ったり、ブラウザを閉じたりしてWebページから離脱すると、広告はユーザーに見てもらうことができません。

このケースでは、この広告がインプレッションにカウントされるかどうかは、広告配信システムによって違ってきます。広告の表示が完了していなくても、広告配信サーバーにリクエストが来たものはインプレッションにカウントされてしまうシステムもあります。

インプレッションとリーチの違い

インプレッションに似た意味をもつ言葉にリーチがありますが、この2つは別のものです。

リーチは、ディスプレイ上に表示された広告を見たユーザーの人数のこと。

あるユーザーがWebページに表示された広告を一度見て、後からもう一度インターネットを使って同じ広告を見た場合で考えてみましょう。インプレッションは2ですが、同じ人が広告を見ているのでリーチは1になります。

ただし、リーチはデバイスでユーザーを判別しているので、同じ人が最初はスマートフォンで、2度目はパソコンで同じ広告を見た場合、別人と判断されてリーチは2になります。

インプレッションシェアとは

インプレッションシェアとは、検索広告(検索エンジンでキ―ワード検索したときに表示される広告)の表示できる可能性があった合計回数に対する、実際に広告が表示された回数の割合のことです。

検索広告は、表示できる可能性があった回数すべてで表示されるわけではありません。広告費不足や競合の広告との掲載順位の関係で、表示されないこともあります。

インプレッションシェアは、次の計算式で求められます。

インプレッションシェア=実際に広告が表示された回数÷広告が表示できる可能性があった回数×100

SNSでのインプレッションの意味

SNSでのインプレッションは、SNSの種類によって指しているものが少し違います。それぞれのSNSでの意味をみていきましょう。

Twitterでのインプレッション

Twitterでのインプレッションの意味は、自分が発信したツイートがタイムラインに表示された回数です。

インプレッションを調べるとユーザーがどのくらい自分のツイートを見たのかがわかりますが、インプレッションだけではツイートに対するユーザーの反応はわかりません。

ユーザーの反応を知りたいときは、エンゲージメントを調べます。エンゲージメントは、ユーザーが次のような反応を示したときにカウントされる数値です。

・いいね
・リツイート、引用リツイート
・ツイートの詳細表示
・写真やリンク、ハッシュタグのクリック
・リプライ
・プロフィールへのリーチ
・アカウントのフォロー

また、インプレッションに対するエンゲージメントが発生した割合をエンゲージメント率といい、エンゲージメント率は次の式で求められます。

エンゲージメント率=エンゲージメント総数÷インプレッションの合計数×100

YouTubeでのインプレッション

YouTubeでのインプレッションは、自分が投稿した動画のサムネイルがトップページや関連動画、検索画面など、YouTubeのサイト内に表示されることを意味します。

インプレッションされた動画がクリックされ、実際に見てもらえたかどうかの割合はインプレッションのクリック率と呼ばれています。インプレッションのクリック率は、次の式で計算できます。

インプレッションのクリック率=クリック数÷インプレッション数×100

Instagramでのインプレッション

Instagramでのインプレッションの意味は、自分の投稿がユーザーに見られた回数です。

インプレッションは、フォロワーとの親密度の高さを示すホーム率を計算するために使われます。ホームとは、インスタを開いたとき最初に表示されるTOP画面のこと。

フォロワーがホームで自分の投稿を見てくれた数をホームのインプレッション数といい、ホーム率は次の計算式で求められます。

ホーム率=ホームのインプレッション数÷フォロワー数×100

車でのインプレッションの意味

車の話でインプレッションといった場合、ドライバーが車を走らせたときに感じた乗り心地や、走行性能などの印象を意味します。

ロードインプレッション(一般道路で走らせたときの印象)や、試乗インプレッション(試乗したときの印象)のように、ほかの言葉と組み合わせて使われることもあります。

インプレッションの使い方を例文で学ぼう

インプレッションの意味がわかったら、次はカタカナ語としての使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文
・ツイートのインプレッションが思うように伸びない。
・新車の試乗インプレッション動画をYouTubeに公開する。
・待望の新機種のファーストインプレッションをご紹介します。
・新作ゲームのプレイインプレッションをお届けします。
・この商品は、斬新なデザインで見る人に強烈なファーストインプレッションを与える。

例文に出てきたファーストインプレッションの意味は、「人や事物を最初に見たときに受けた印象。 第一印象」です。

インプレッションの類語・言い換え表現

インプレッションの類語は、「フィーリング」「イメージ」です。それぞれの意味や使い方も頭に入れておきましょう。

フィーリング
【意味】
なんとなく受ける感じ。感覚。感触。情操

【例文】
試乗車を走らせフィーリングを確認する。

イメージ
【意味】
①人が心に描き出す像や情景など
②物事について心にいだく、全体的な感じ。心像

【例文】
クリーンなイメージのパッケージをデザインする。

このほかに、日本語の「感じ」「感触」「感想」「感情」「第一印象」「心象」「心証」「気分」「所感」もインプレッションの類語です。

インプレッションは英語だと?

インプレッションは英語だと、「impression」と表記されます。

impression
・(漠然とした~という)感じ、感想、気持ち
・(心に残る)印象、影響、感銘
・(押し付けてできる)跡、痕跡、模様、印、捺印、刻印
・効果、影響
・物まね
・(印刷で原版のままの)刷り、刷(1回に印刷される本の総部数)
・(ペンキの)1回の塗り
・Webサイトの広告の露出回数

英語の「impression」には、カタカナ語のインプレッションにはない意味もあります。和訳するときは注意してください。

インプレッションの意味を読み取れるようになろう

インプレッションの意味は、「印象。感銘」「広告が掲載された印刷物などが人々の目に触れること」「広告などの表示(掲載)回数」です。

複数の意味をもつ言葉のため、文脈に合わせて意味を選ぶ必要があります。その時々でのインプレッションの意味を、正しく読み取れるようになりましょう。