ドアインザフェイスとはどんな意味?営業や恋愛でも使える?例とともに解説!

ドアインザフェイスとは「譲歩的要請法」のこと

ドアインザフェイスとは行動心理学、社会心理学などで用いられる言葉であり、「譲歩的要請法」といいます。難しい言葉に聞こえますが、具体例を確認するとイメージがわきやすくなります。

ドアインザフェイスは営業や恋愛でも使われるテクニックであり、意識してみると身近なところで活用できます。ぜひこの機会に覚えておきましょう。

ドアインザフェイスの意味

ドアインザフェイスは英語では「door-in-the-face technique」といいます。「訪問者の顔の前でドアを閉める」という例えのように、断られる可能性が高い大きな要求を最初に行います。断られたら2番目に小さな本命の要求をするテクニックです。

人間は誰かに何かをしてもらうとお返ししたい、応えたいという心理が働きます。これを返報性の法則といいます。ドアインザフェイスではこの法則を活用しているのです。

ドアインザフェイスの場合、「小さな要求に切り替えること」=「譲歩」となり、相手は譲歩してくれたことに対して「借り」を感じます。その結果、2番目に出した小さな要求には応じてもらいやすくなるという原理です。

ドアインザフェイスの例

ドアインザフェイスがよく用いられるとされる、営業と恋愛の場面で具体例を確認していきましょう。

営業におけるドアインザフェイスの例

「中古住宅のご購入を検討されているんですね。ご予算が2000万円ですと、現状2500万円台の物件がいくつかございます。しかし、それでは予算を超えてしまいますね…。今、こちらの物件が唯一、売主さんが安く値付けをしていて2100万円で購入できるので狙い目だと思います。」

先に予算オーバーの2500万円の物件に関する情報を提示し、そのあとで本命の案内をしています。あとから提示した2100万円の物件も予算オーバーではありますが、このように2つ目に譲歩した案として出すことで承諾を得やすくなります。

恋愛におけるドアインザフェイスの例

「魅力的な人だと感じたので、お付き合いしてください」

「突然そう言われても困ります…」

「そうですよね。まずは友達として一度お食事だけでもどうでしょう。気楽な気持ちで。」

「食事くらいならまあ…」

上記のようにいきなり大きな要求をしても断られてしまいます。しかし、そのあとで譲歩してハードルを下げることで相手は「まあいいか」という気持ちになりやすいです。これは一例ですが恋愛におけるテクニックとしても使えます。

ドアインザフェイスの逆は「フットインザドア」

ドアインザフェイスとは逆のテクニックに「フットインザドア」があります。「ドアに足を入れる」という意味であり、「営業マンがドアに足を入れたら勝ち」という例えから生まれたテクニックです。

フットインザドアは、小さな要求を積み重ねてから、大きな要求をするという意味になります。こちらも同様に営業や恋愛などさまざまな場面で使用できます。

例えば、いきなり「お金を貸してください」と頼むよりも、「今何時ですか」と聞いてから「お金を貸してください」と頼む方が、実際にお金を貸してもらえる確率が高かったという実験もあるほどです。

ドアインザフェイスの使い方・例文

例文
ドアインザフェイスを駆使して営業成績を残す。
・交渉術の一つとしてドアインザフェイスはマスターしておこう。

ドアインザフェイスを活用しよう

ドアインザフェイスは営業から恋愛まで意外と幅広い場面で活用できる交渉テクニックです。相手に何かを依頼するとき、承諾してほしいときは、思いついたままではなく、ドアインザフェイスで戦略的にアプローチしてみてはいかがでしょうか。