ポリシーとは?IT分野での意味は?ポリシーミックスなどの関連語も解説

ポリシーとは?

ポリシーの基本的な意味は、「すべての事柄の方針」。強いこだわりや強力な方向性を意味するカタカナ語です。

何を対象にして使うのかによって、少しずつニュアンスが変わるので注意してください。

政治での話の意味は「政治的な策略。政策。政略」。企業など組織に対して用いるときの意味は「事を行なう原則。方針」です。個人について使用するときは、生き方の「信念」「信条」という意味を表します。

分野ごとのポリシーの意味

分野によっては、上記で紹介した一般的な意味とは異なる意味でポリシーが使われています。どのような意味になるのかみておきましょう。

IT分野でのポリシー

IT分野でのポリシーの意味は、「何かの分野や対象に対して組織として定めた方針や規約」です。ルールや考え方と言い換えるとわかりやすいかもしれません。

これらの方針や規約を明文化した書類などを、ポリシーと呼ぶ場合もあります。

保険用語のポリシー

保険用語のポリシーの意味は「保険証券」です。

保険証券とは、保険の契約が成立した後に保険会社が契約が成立していることと、その契約内容を証明するために作成し送ってくる証書。

補償内容、保険料、払込期間、払込方法、補償期間、給付金額、解約返戻金などが書かれています。

保険証券番号は、ポリシーナンバーというのであわせて覚えておきましょう。

「自分のポリシー」とは

「自分のポリシー」とは、自分が生きていくうえで大切にしている「信念」「信条」のことです。

「自分のポリシー」がしっかりしていると、他人の言動に左右されることなく、地に足の着いた生き方ができるようになります。

「ポリシーを持つ」とは

「ポリシーを持つ」は、今までポリシーを持っていなかった政治団体や企業、人などが自分(自分たち)のポリシーを持つようになることを意味します。

政治団体の場合は、自分たちの「政策」や「政略」を定めたということ。企業の場合は、自社がビジネスを行なううえでの「原則」や「方針」を決定したということ。個人の場合は、自分の生き方の「信念」「信条」を決めたことを意味します。

ポリシーの使い方・例文

ポリシーの意味がわかったら、次はカタカナ語としての使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文
・「お客様のために」というポリシーでいつも仕事をしている。
・本サイトポリシーは予告なく変更する場合があります。
・個人情報保護ポリシーを作成する。

「サイトポリシー」とは「サイトの運営者が考える運営方針や利用者との約束事」。「個人情報保護ポリシー」とは「個人情報を保護するための方針」のことです。

ポリシーの関連語

先ほどの例文の「サイトポリシー」や「個人情報保護ポリシー」のように、ポリシーはほかの言葉と組み合わせて使われるケースも多いです。

字面を見ると意味が予測できるものもあれば、字面からは意味がわかりにくい関連語もあります。いくつか紹介するので意味を頭に入れておきましょう。

ポリシーミックス

ポリシーミックスとは、複数の政策目標を同時に達成するために、2つ以上の政策を組み合わせること

個々の政策の長所と短所をうまく組み合わせて一体化した対策を考えることで、矛盾や衝突が起こることも珍しくない政策目標の、同時達成を狙えます。

ポリシーミックスの例

例えば、ごみに関して「不法投棄を減らす」「ごみを処分する費用を確保する」「リサイクルを増やす」の3つの政策目標があったとします。

これらの政策目標を達成するには、それぞれ次のような政策が考えられます。

目標と政策
(目標)不法投棄を減らす→(政策)不法投棄禁止の規則を作る
(目標)ごみを処分する費用を確保する→(政策)ゴミ処理手数料を徴収する仕組みを作る
(目標)リサイクルを増やす→(政策)リサイクル費用を補助する仕組みを作る

3つの政策目標の同時達成を目指し、これらの政策を組み合わせて実施するのがポリシーミックスです。

ポリシーガレージ

ポリシーガレージは、自治体職員に学びと実践の場を提供する特定非営利活動法人。全国各地の自治体に勤める公務員たちと市民が、所属の枠を超えたひとつのチームとしてつながれる場になっています。次のような取り組みを行います。

・仕事での経験から得られた情報の共有
・月例研究会、オンラインゼミ、研修などを通しての新たな知識の習得
・貧困対策や疾病予防、健康づくり、教育関係、環境配慮型社会の実現など、さまざまな課題解決への挑戦

ある自治体が抱えている課題が、ほかの自治体でも問題となっていることは珍しくありません。同じ問題の解決に取り組むのなら、別々に方法を模索するのは非効率ですよね。

また、公務員の世界では、部署の垣根を越えて意見を出すことを躊躇してしまう空気感があるそうです。人事異動により別の部署に所属することで、それまでの仕事で身に着けた知識や経験が生かせなくなってしまう場合もあります。

ポリシーガレージは、公務員の世界のこのような非効率を何とかしようという目的で立ち上げられました。

ポリシーガレージの名前の由来

ポリシーガレージの名称は、ポリシー(公共政策)とガレージ(自動車の車庫)を組み合わせてつけられています。

人々の生活を豊かにする新製品や新技術の多くが、開発者の自宅のガレージで誕生したことからこの名前がつけられました。

ポリシーの類語・言い換え表現

ポリシーの類語は、「モットー」「マイルール」「基本方針」です。それぞれの意味と使い方をおさえておきましょう。

モットー
【意味】
心掛けている目標。一人ひとりが常に心の内に掲げ、それに則って行動する信条や座右の銘
※「政治的な策略。政策。政略」の意味のポリシーの言い換え語としては使えない

【例文】
手作りをモットーにしたレストランを開店する。

マイルール
【意味】
自分なりの行動基準。日々の習慣や、自分が人生のなかで大事にしたい価値観
※個人の「信念」「信条」の意味のポリシーの言い換え語として使える

【例文】
どうしても譲れないマイルールがある。

基本方針
【意味】
物事や計画を実行するうえでの基本的な方向。基本的な考え方
※政治団体や企業など、組織のポリシーの言い換え語として使う場合がほとんど

【例文】
プライバシーに関する基本方針を定める。

ポリシーは英語だと?

ポリシーは英語だと「policy」と表記されます。

policy
・(政府の)政策
・(会社などの)方針
・(賢明な)方策、指針、やり方
・(実務に関する)用心深さ、抜け目なさ
・保険契約証書

個人のポリシーといいたいときは、「policy」ではなく「rule(習慣、しきたり)」を使います。

ポリシーの意味を読み取れるようになろう

ポリシーの意味は「すべての事柄の方針」です。

ポリシーは政治団体に対して使うとき、企業など組織に対して用いるとき、個人について使用するときでニュアンスが変わります。そのため、その時々で意味を読み取らなけらばなりません。

文脈に合う意味合いを正しく読み取れるようになりましょう。