リフレインとは?
リフレインとは、「詩や楽曲で、各節の終わりなどに同じ言葉を使った詩句や楽句を繰り返すこと」を意味するカタカナ語です。
例えば、円広志さんの「夢想花」ではサビの「とんでとんで……まわってまわって……」の部分がリフレインになっています。
ピン芸人のヒロシさんのネタの終わりに使われている、「ヒロシですヒロシですヒロシです」のフレーズもリフレインです。
リフレインすることで、その言葉を強く聞く人の印象に残すことができます。
また、繰り返されているその部分を指してリフレインという場合もあります。
リフレインは、フランス語の読み方で「ルフラン」といわれるケースもあるので、あわせて覚えておきましょう。
「繰り返すこと」を意味する場合も
日常生活のなかでリフレインが使われることもあります。この場合のリフレインは「繰り返すこと」の意味になります。
例えば、大事な場面で大失敗してしまったシーンなど、強烈に脳裏に刻まれた記憶や気持ちが脳内で何度も繰り返されることがリフレイン。好きな曲が、何度も頭の中で繰り返し流れていることもリフレインです。
ビジネスでのリフレイン
ビジネスでは、記憶に強く残すための手段としてリフレインがよく使われています。
商品名やキャッチフレーズが、何度も繰り返されるCMを見たことはありませんか?CMのなかで繰り返されているフレーズはリフレインです。商品名やキャッチフレーズをリフレインすることで、消費者に強く印象付けることを狙っています。
例えば、サンヨー食品が販売していた「ケンちゃんラーメン」のCMでは、「けんちゃんラーメン新発売」をリフレインしています。発売から何年たっても新発売という表現を使い続けたことで話題になり、販売終了した現代でも人々に記憶に残るCMとなっています。
P&Gの「ボールド」のCMは、「ピンク」をリフレインして新商品の特徴をアピールしています。
リフレインの語源
リフレインは、英語の「refrain」からカタカナ語になった言葉です。
英語の「refrain」は、「打ち切る、中断する」という意味のラテン語「refrangere」から生まれた単語。
ラテン語の「refrangere」は、「順序を乱す」という意味の古フランス語「refraindre」に変化し、フランス語の「refrain」を経て英語の「refrain」になりました。
「順序」とは決まった順番で続いていく曲の流れのこと。連続して流れていくところに繰り返しを入れることで曲の流れを乱し中断させ、そこからまた再開させることを表しています。
リフレインの使い方・例文
リフレインの意味がわかったら、次はカタカナ語としての使い方を例文でイメージしてみましょう。
・さっきラジオで流れていた曲が頭の中でずっとリフレインしている。
・リフレインするフレーズが最近のヒット曲の法則といえそうだ。
「リフレインする」の意味は、「何度も何度も繰り返すこと」です。
リフレインの類語・言い換え表現
リフレインの類語はリピートとループです。リフレインの意味と、この2つの言葉の意味には違いもあるのでおさえておきましょう。
リフレインとリピートの違い
リピートは次の意味をもつカタカナ語です。
②楽譜で、演奏を繰り返す部分を指定する記号。反復記号
③再放送。再上演
④(テープ、ディスクなどを)繰り返して再生すること
音楽用語としてのリフレインとリピートは、意味に違いがあり使い分けされます。音楽用語のリフレインは、曲のサビのなか(多くはサビの終わり)に入れます。それに対して、リピートは繰り返しを入れる場所が限定されません。
音楽用語ではなく、単に「繰り返すこと」という意味で用いる場合のリフレインとリピートは、ほとんど同じ意味で言い換え語として使えます。
リフレインとループの違い
ループは次の意味をもっています。
・服飾で、糸やひも、布などで作った輪
・繰り返すこと。反復
・コンピュータのプログラムで、繰り返し実行される命令群
・飛行機の宙返り
・数小節の演奏やリズムパターンが繰り返されること。つなぎ目なく繰り返せる音の素材
音楽用語としてのループは、リフレインと違って曲のなかで場所を選ばずたくさん使うことができます。ループのみで1曲完成させることも可能です。
単に「繰り返すこと」の意味でリフレインを用いているときは、ループを言い換え語として使用できます。
リフレインは英語だと?
リフレインは、英語だと「refrain」と表記します。しかし、「refrain」をカタカナ語のリフレインと同じニュアンスで使えるのは、音楽用語として用いるときのみです。
それは、「refrain」には同音異義語にあたる別の意味があり、一般的にはそちらの意味で使用されるからです。
「繰り返すこと」の意味のリフレインを英訳するときは、「refrain」の代わりに「repeat(リピート)」を用います。
【おまけ】リフレインがタイトルに使われている曲
リフレインは、楽曲のタイトルや歌詞にもよく使われる言葉です。リフレインがタイトルに使われている曲は、次のようにたくさん発表されています。
・シンガーソングライター 松任谷由実さんの「リフレインが叫んでる」
・オルタナティブ・ロックバンド ALL OFFの「リフレインボーイ」
・女性シンガー Aimer(エメ)さんの「Ref:rain」
・男性アイドルグループ 嵐の「リフレイン」
・ダンス&ボーカルグループ 三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEの「リフレイン」
・女性シンガー 浜崎あゆみさんの「LOVE ~refrain~」
・女性アイドルグループ Jams Collectionの「スキスキリフレイン」
アニメやドラマの主題歌になっている曲もあります。気になる曲があったら、ぜひ一度聴いてみてください。
リフレインの意味を読み取ろう
リフレインは音楽用語です。「詩や楽曲で、各節の終わりなどに同じ言葉を使った詩句や楽句を繰り返すこと」を意味します。
しかし、単に「繰り返すこと」を意味する言葉として、プライベートやビジネスで使われる場合もあります。リフレインの意味を理解し、文脈に合わせて読み取れるようになりましょう。