レギュレーションとは?業界別の意味・使い方、ルールとの違い、類語、英語も解説

「レギュレーション」とは「規定」こと

「レギュレーション」とは、「規定」「規則」など、「絶対に守らなければならないもの」という意味の言葉で、カタカナ用語を積極的に取り入れるようになっている現代においては、さまざまな分野で使われています。本記事では、各業界での「レギュレーション」の意味や使い方のほか、言い換えや英語についてもわかりやすく解説します。

なお、対義語は「規制緩和」の意味をもつ「ディレギュレーション」なので、関連付けて覚えておきましょう。

「レギュレーション」の英語は「regulation」

「レギュレーション」は、英語で「regulation」と表記し、次の意味をもつ単語として使われています。

【名詞】
・規制
・調整
・制御
・規則
・法令
【形容詞】
・規則に従った
・標準的な
・無難な

「regulation」を使った熟語も少し紹介しておきます。

・regulation charge(規定料金)
・regulation by the government(政府による規制)

なお、英語圏で「regulations」と表記されていれば、通常「法規」「法令」を指しているので、覚えておくと便利です。

日本語においての「レギュレーション」とは

日本語として使われている「レギュレーション」は、業界によって意味合いや使い方が異なります。では、それぞれの詳しい意味を見てみましょう。

レギュレーションの意味①ビジネス

ビジネスシーンにおけるレギュレーションは、主に「社内規定」「就業規則」を意味することが多いです。英語では「Work regulations」や「Enployment regulations」と表現されますが、前述したように「regulations」には「法令」の意味があるので、労働基準法などの、法に絡む規則かどうかの判別はしなければなりません。

例文

・新しいレギュレーションは、来月1日から適用になります。
・この内容だと当社のレギュレーションとは矛盾するので、修正が必要だ。

レギュレーションの意味②IT・広告

ITや広告業界では、主に広告を掲載する際の規約を意味しており、「禁止ワード」「文字制限」「データ容量」などが含まれます。

例文

・このキャッチコピーはインパクトがあるけどレギュレーションに反するので変えないといけないね。
・この画像サイズ、大きすぎない?レギュレーション確認してみて。

レギュレーションの意味③建築設計

建築設計を行うには、その地域ごとに定められた基準を守らなければなりません。このように地域で決められた基準や企業内の設計基準など、建築設計時に遵守すべき規定のことを「レギュレーション」といいます。

例文

・▲▲市の設計は当社では初めてなので、レギュレーションをしっかり確認して進めるように。

レギュレーションの意味④医療・看護

医療業界における「レギュレーション」は、主に、医療機器、医薬品などを使用するにあたり、厳格に守らなければならない規則を指しています。そのほか、看護の分野では、ホルモンや薬物などの受容体が、状況に応じて減少することを「ダウンレギュレーション」といい、反対に増加することを「アップレギュレーション」と呼びます。

例文

・来週から▲×製薬の新薬を採用することになったので、レギュレーションに目を通しておいてください。

レギュレーションの意味⑥スポーツ

スポーツ業界においての「レギュレーション」は、競技の運営に対するすべての規則・規定を意味します。そのため、レギュレーションの違反者は、参加資格が無効になる可能性があるので注意が必要です。

また、サッカーでは、各国のリーグで選手獲得のために独自のレギュレーションが設けられていることが多く、試合によっては開催の目的ごとに変則的なレギュレーションを設定していることもあります。

なお、競技そのものの決まり事は、「レギュレーション」ではなく「ルール」になるので、区別して覚えておきましょう。

例文

・優勝候補といわれていた選手がレギュレーション違反によって出場停止処分となった。
・次の大会のレギュレーションをもう一度確認しておこう。

レギュレーションの意味⑥ゲーム

ゲーム業界においては、「遊び方」や「チュートリアル」、アミューズメントパークでは、「参加規約」を「レギュレーション」と呼んでいます。本来は「遊ぶ上でのルール」でも問題ないことがほとんどですが、「厳守してもらいたい規約」という意味を込め「レギュレーション」が使われることが多いです。

例文

・このアミューズメント施設はレギュレーションが多いなぁ。

レギュレーションの意味⑦F1

F1の世界では、レースに伴う規定を「レギュレーション」といいますが、競技そのものの規約である「スポーティング・レギュレーション」と、技術に対する規約である「テクニカル・レギュレーション」の2種類が存在します。また、技術もマシンそのものも年々進歩しているため、危険回避を目的に度々見直しが行われています。

例文

・テクニカルレギュレーションが改訂されるらしい。

レギュレーションの意味⑧バイク

ロードレースには、「Moto2」「Moto3」「MotoGP」と3つのクラスがあり、バイクの最高峰レースといわれているのが「MotoGP」で、それぞれにレギュレーションが設けられています。その中でも基本となる、参戦マシンの違いを一部抜粋して紹介します。

レギュレーションに定められるマシンの規定

【MotoGP】
・4ストローク1000cc
・ミシュランのタイヤ
【Moto2】
・4気筒4ストローク600cc
・ホンダのエンジン、ダンロップのタイヤ
【Moto3】
・単気筒4ストローク250cc
・ダンロップのタイヤ
・マシン重量152kg

例文

・このタイヤだとレギュレーション違反になるよ。

「レギュレーション」の類語・言い換え

「レギュレーション」を日本語で言い換える場合は、次の言葉を使うことができます。

レギュレーションの言い換え表現

・定め
・約束事
・規約
・条例
・規定
・規制
・規律
・法規
・定則
・公約規制 など

また、日本語の中でも「レギュレーション」と区別しなければならない用語があるので注意が必要です。

「レギュレーション」と「条例」の違い

「条例(じょうれい)」とは、地方公共団体が議会での議決によって、所管事項について制定する法のことをいいます。「レギュレーション」はさまざまな物事に対する規定を指して使われますが、「条例」は使えるシーンが限定されている点で違いがあります。

「レギュレーション」と「規格」の違い

「規格(きかく)」とは、主に、工業製品や材料などについて定められた基準のことをいいます。規格通りに造られていない場合、品質に対しての問題は生じますが、違反した際の罰則は特にないので、法的に違反となる「レギュレーション」とは違いがあります。

「レギュレーション」と「ルール」の違い

「ルール」とは、「守るべき規則」のことをいいます。「レギュレーション」は「絶対に守らなければならない規則」の意味で、公的な意味あいが強く含まれている点で違いがあります。

【番外編】ほかにもこんな「レギュレーション」がある

これまでは、ビジネスやスポーツなどについてのレギュレーションについて解説してきましたが、それ以外のところにもレギュレーションが存在します。

遊戯王

カードゲームの「遊戯王」では、ゲームを一方的なものにしないための規則として、使用を禁止するカード、使用できる枚数を制限するカードを定めた「リミットレギュレーション」があります。

ポケカ

ポケカ(ポケモンカードゲーム)には、「スタンダード」「エクストラ」「殿堂」という3つの公式な競技イベントがあり、それぞれに使用できるカード、禁止カードが決められた「レギュレーション」があります。

「レギュレーション」の意味を理解し、状況に応じて正しく使おう

「レギュレーション」は、通常、公的な規則を指しており、業界ごとに意味合いが異なるだけでなく、似た意味をもつ言葉もたくさんあります。ですので、正しい意味を理解し、状況に応じて使い分けができるようにしておきましょう。