ご尽力とはどんな意味?上司や目上の人に使える?使い方の例文や類語、英語も紹介

ご尽力とは上司に使えるこんな敬語

ご尽力は、「何かのために力をつくすこと」という意味に、尊敬のニュアンスを加えた敬語表現です。

類語には「お力添え」「ご助力」「ご支援」「ご協力」があります。しかし、完全に同じニュアンスではなく、使い分けが必要です。

ご尽力を英訳するときは、「help」「support」「effort」を使います。

ご尽力の意味は?読み方は?

ご尽力は「ごじんりょく」と読みます。

「何かのために力をつくすこと」という意味の「尽力」に、接頭語の「ご」をつけて尊敬の気持ちを加えた敬語表現です。

職場の上司や取引先の人など、目上の人に使える敬語で、目上の人が自分のために全面的に協力してくれたときに、お礼や感謝、謝罪の気持ちを伝えるために使用します。

話し言葉でも書き言葉でも、使うことができます。

そもそも尽力とはどんな言葉?

尽力の「尽」と「力」は、次のような意味をもつ漢字です。

・つくす。出しきる
・つきる。なくなる
・ことごとく。すっかり
・つごもり。月の終わり
・ちから
・はたらき
・いきおい
・つとめる。はげむ
・りきむ。力をこめる

「尽」と「力」を組み合わせた尽力は、力を出し切って取り組むことを表しています。

努力と意味が似ていますが、努力とは違い、自分のためにがんばることに対して「尽力」は使えません。

社会や会社、ほかの誰かのために力を出し切ってがんばることを尽力といいます。

(努力)医者になるために子どものころから努力し続けてきた。

(尽力)お得意様に満足していただけるように、尽力した。

お願いするときにご尽力はNG

ご尽力は、お願いの文脈で使用できない言葉です。仮に、「ご尽力お願いします」などと言ってしまうと、それは相手に対して大変失礼な物言いになります。

それはなぜかというと、ご尽力は「ほかの誰かのために力を出し切ってがんばること」という意味だからです。

「ご尽力お願いします」は、「自分のために全力でがんばって!」と言っていることになります。とんでもなくずうずうしい要求ですね。

尊敬の「ご」をつけても、許される発言ではありません。間違って使わないように気をつけましょう。

ご尽力は自分ががんばるときには使えない

ご尽力の「ご」は、尊敬の意味を表す接頭語なので、自分ががんばるときには使えません。

「自分があなたのために全力でがんばります!」と言いたいときには、尊敬の「ご」を外して「尽力します」のように決意表明してください。

・及ばずながら、尽力してまいります。
・微力ながら、尽力させていただきます。
・誠心誠意、尽力していく所存です。

重複表現に気をつけて

「尽力を尽くす」は、「馬から落馬する」のような重複した表現です。

「尽力を注ぐ」も「力を尽くす」に「注ぐ」が重なって、「力を尽くすことを注ぐ」という変な意味の重複表現になります。

重複表現が混じると違和感がある文章になってしまうので、注意しましょう。

ご尽力の使い方を例文で学ぼう!

ご尽力は、目上の人にお礼や感謝、謝罪の気持ちを伝えるためや、相手に対する尊敬や敬意を表現する目的で使うことが多いです。

どのように使用するのか、例文でイメージしてみましょう。

お礼や感謝の例文
・先輩のおかげでイベントを無事に終えることができました。ご尽力いただきありがとうございます。
・皆さまのご尽力のおかげで、難局を無事に乗り越えることができました。
・ひとかたならぬご尽力を賜り、深く感謝申し上げます。
・皆さまのご尽力の賜物により、無事にオープンの日を迎えることができました。誠にありがとうございました。
謝罪の例文
多大なるご尽力をいただいたにも関わらず、ふがいない結果に終わってしまい、申し訳ございません。
尊敬や敬意を表す例文
社会貢献に長年ご尽力されている立派な方だ。

ご尽力の類語

ご尽力と同じような意味合いで使える敬語には、「お力添え」「ご助力」「ご支援」「ご協力」があります。

しかし、これらはご尽力と完全に同じニュアンスではありません。

なかでも「お力添え」は、ご尽力との使い分けを間違えると相手を不快にさせてしまう恐れがあり、注意が必要な類語になります。

それぞれの意味とご尽力との違いをおさえておきましょう。

お力添えとは?

「お力添え」は、「手助」「援助」「協力」という意味の「力添え」に、接頭語の「お」をつけて丁寧な言い方にした敬語です。

ご尽力と同じく「誰かのためにがんばる」というニュアンスですが、力の入れ具合が異なります。

ご尽力は「全力投球でがんばる」という表現ですが、お力添えは「少し力を貸してあげる」程度です。

そのため、ご尽力とは違い、お力添えはお願いの文脈でも使うことができます。

例えば、「お力添えお願いします」なら、「少し力を貸してください」という意味になります。それほどずうずうしくはないですよね。

お礼や感謝のときは力の入れ具合で使い分ける

お力添えは、ご尽力と同じようにお礼や感謝の文脈で使えます。

しかし、この2つの言葉は力の入れ具合が大きく異なるため、使い分けが必要です。

ちょっとしか力を貸していない相手に「ご尽力ありがとうございました」とお礼をすると、「もっと協力してくれればよかったのに」と、遠回しに嫌味をいっていると受け取られかねません。

逆に、ものすごくたくさん協力してくれた相手に「お力添えありがとうございました」を使うと、相手は自分の骨折りが軽んじられていると思い、不快に感じる恐れがあります。

相手がどのくらい力を尽くしてくれたのかで、どちらの言葉を用いるか判断しましょう。

そのほかの類語

ご尽力のそのほかの類語の意味も確認しましょう。

ご尽力の類語
ご助力:「手助け」という意味の助力に、接頭語の「ご」をつけて丁寧な言い方にした敬語。お願いする文で使うと、「どうしてもあなたの助けが必要だ」という懇願の思いを強く出せる

ご支援:「人に力を貸して助ける」という意味の支援に、接頭語の「ご」をつけた敬語。金銭的な援助の話で使われることが多い。ややフランクな言い方

ご協力:「力を合わせて物事に向かい努力すること」を意味する協力に、接頭語の「ご」をつけた敬語。ややフランクな言い方

これらの類語はすべて、ご尽力と同じようにお礼や感謝を伝えるときに使用できます。

ご尽力やお力添えのように、力の入れ具合で使い分けが必要な言葉ではないため、どちらにするか迷うような場合に便利です。

また、これらはご尽力と違い、お願いする文脈でも使えます

ご尽力を英語で表すには?

ご尽力は、次の英単語で表すことができます。

ご尽力の英語表現
help:助ける、援助する、救済する、救う、手助けする、手伝う、支援する

support:支える、扶養する、援助する、支援する、援護する、後押しする、応援する

effort:努力、奮闘、骨折り、努力の成果、尽力

「ご尽力ありがとうございます」や「ご尽力に感謝します」を英語で伝えたいときには、「I appreciate your ~」や「Thank you for ~」を使うとニュアンスを表現できます。

「I appreciate your ~」はビジネス向けの表現、「Thank you for ~」はややフランクな言い方になります。

ご尽力を目上の人に使ってみよう!

ビジネスでは、目上の人の力を借りないと物事が進まないことがあります。

例えば、取引したい会社の偉い人にアポイントをとるために、上司のツテをフル活用して話を通してもらうなど。自分の力では無理なことも目上の人の助力があれば、可能になるケースがあるのです。

そして、手伝ってもらったのなら、お礼をする必要がありますね。

ご尽力は、自分のために奮闘してくれた相手に、感謝の気持ちを伝えたいときにぴったりの敬語です。

お願いには使えないなど、ご尽力が使用できないシチュエーションもあります。

相手を不快にさせないための注意は必要ですが、基本的なことをおさえておけば、それほど難しくはありません。

ご尽力を実際に使ってみて、覚えた言葉を自分のものにしていきましょう。