アイドルタイムとは?飲食店や製造業での意味、類語、対義語、英語も解説

アイドルタイムとは?

アイドルタイムの意味は「無作業時間」「遊休時間」です。

公共交通機関やお店、ホテルなどでは、お客さんがあまりいなくて空いている時間帯のことをアイドルタイムといいます。また、製造業やIT分野では機械や工場の機能・設備、コンピュータが稼働せずに待機している時間をアイドルタイムと呼びます。

アイドルタイムの由来

アイドルタイムは、英語の「idle(仕事がない、稼働していない、遊んでいる)」に由来する言葉です。タイムは英語の「time(時間)」からきています。

お客さんが来なくて仕事がない時間、何らかの理由で生産施設やコンピュータが稼働できずにいる時間がアイドルタイムです。

アイドルタイムと休憩時間

アイドルタイムに休憩時間を含むかどうかは、意味を定義する人によって変わります。

労働基準法では、6時間を超えて労働者を働かせるときは45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩時間を与えなければならないと決められています。

この法律上必要な休憩時間がアイドルタイムに含まれているのかどうかは、判断が分かれるので文脈から読み取ってください。

飲食店でのアイドルタイム

飲食店でのアイドルタイムは、来店するお客さんが少なくなる時間帯のこと。飲食店の業態によって、アイドルタイムが何時かは変わってきます。

例えば、レストランの平均的なアイドルタイムは、ランチタイムとディナータイムの間の15時から17時位までといわれています。居酒屋ならば、飲み始めるにはまだ時間の早い、オープンから19時位までがアイドルタイムです。

また、飲食店のアイドルタイムは、業態だけでなく立地や客層にも影響されます。オフィス街のレストランは、会社の昼休みが終わる時間に合わせて、平均よりも早く客足が途絶えて暇になるお店も多いです。

アイドルタイムの給料は?

飲食店のアイドルタイムの給料がどうなるかは、社員かアルバイトかで変わってきます。

社員は、月ごとの労働時間と給料が決められているので、アイドルタイムがあってももらえる給料は変わりません。

しかし、アルバイトはアイドルタイムが働いていない時間とみなされ、給料が発生しない場合が多いです。そのため、アイドルタイムの前後でシフトに入るスタッフを変え、アイドルタイムにスタッフを拘束しないように配慮するのが一般的です。

アイドルタイムを有効活用する方法

飲食店でのアイドルタイムは、ただの暇な時間ではなく、有効に活用される場合も多いです。

例えば、アイドルタイムは、メニューの仕込みや店内の清掃を行う時間にぴったり。アイドルタイムをスタッフ教育の時間にするのもおすすめです。お客さんが少ない時間ならば、先輩スタッフが付き添いながら、新人スタッフに接客の経験を積ませることもできます。

そのほかにも、新メニューの開発や販促イベントを考える時間としても使えます。

製造業でのアイドルタイム

製造業でのアイドルタイムの意味は、「工場の生産ラインが稼働せず待機している時間帯」です。

原材料の不足や前工程の作業終了待ち、工具待ちなどにより、アイドルタイムは発生します。また、停電や事故など、予期せぬトラブルによってアイドルタイムが生じる場合もあります。

アイドルタイムは工場の生産性を落としてしまうため、作業工程を見直すなどして、可能な限り少なく抑えることが重要です。

IT分野でのアイドルタイム

IT分野でのアイドルタイムの意味は、「コンピュータが使える状態なのに何の処理も行わずただ待っている待機時間」のこと。

例えば、人間がパソコンに何かの作業を行わせるための指示を入力している間、コンピュータはただ待っています。人間は一生懸命入力作業をしています。しかし、パソコンはその入力が終わらないと指示された作業に取り掛かれないので、パソコンにとってはアイドルタイムになるのです。

また、コンピュータ内部で処理の早い部分と遅い部分でデータをやり取りするとき、処理の早い部分は遅い部分からデータが来るのを待たなければなりません。この待ち時間もアイドルタイムです。

コンピュータがインターネット回線に接続されているのに、データのやり取りがされていない時間も、アイドルタイムと呼ばれます。

MEMO
コンピュータが使える状態なのに、何の処理も行わずただ待っている状態をアイドル状態といいます。

アイドルタイムアウトとは?

アイドルタイムアウトは次の意味のカタカナ語です。

アイドルタイムアウト
コンピュータがアイドル状態になり、その時間があらかじめ設定された一定の時間になったときに自動的に接続がカットされたり、休止状態になったりする機能

また、接続カットや休止状態になるまでの時間のことを、アイドルタイムアウトという場合もあります。

アイドルタイムの使い方・例文

アイドルタイムの意味がわかったら、次はカタカナ語としての使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文
・お店のアイドルタイムを収益化する方法を考える。
アイドルタイムの空席を仕事場所として貸し出す。
アイドルタイムを短縮する方法について話し合う。
アイドルタイムを改善し、スムーズに生産できるようになった。

アイドルタイムの類語・言い換え表現

アイドルタイムの類語は、アイドリングタイムです。

アイドリングタイム
【意味】
作業者が実質的に業務を行なっていない時間

【例文】
アイドリングタイムの見える化により作業効率を改善する。

「法律上必要な休憩時間」を含む解釈と含まない解釈があったアイドルタイムと違い、アイドリングタイムは「法律上必要な休憩時間」は含みません。

アイドリングタイムは、日本語では「待機時間」「手待時間」といいます。

アイドルタイムの対義語

アイドルタイムの反対の意味を表すカタカナ語は、「ピークタイム」です。

ピークタイム
【意味】
最高潮にある時間。最も混雑する時間帯。最も忙しい時間帯

【例文】
ピークタイムの人手が足りていない。

アイドルタイムは英語だと?

アイドルタイムは英語だと「idle time」と表記されます。

idle time
遊び時間。遊休時間。非か動時間。空いた時間

「idle time」の代わりに、「down time(停止時間。休憩時間)」や「a lull in customers(客が途切れた状態で)」を使う場合もあります。

アイドルタイムの意味を読み取れるようになろう

アイドルタイムの意味は、「無作業時間」「遊休時間」です。

プライベートではあまり耳にする機会はありませんが、飲食店業界や製造業、IT分野などさまざまな業界で使われている、社会人には身近なカタカナ語です。

言葉が使用される業界によって、意味するものが少し変わります。分野ごとの意味をしっかり頭に入れておき、適切なニュアンスで解釈できるようになりましょう。